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実話怪談

【実話怪談】神社裏の骨

作者: 七宝

 これは私がまだ保育園児だった頃の話だ。その頃の私はそれはそれは可愛く、会う人全員に目に入れても痛くないと言われるほど可愛かった。そう言ったやつら全員の目に指を入れてやった。ざまみろ。


 私が通っていた保育園の隣には大きな神社があり、さらにその横には小さな公園があったので、保育園が終わったあとはいつも神社か公園で遊んでいた。


 遊具で遊んだり、ボール遊びをしたり、神社のおじさんとお話をしたり、神社を探検したりととても楽しい場所だった。


 そんなある日、私は友達(Kくんとする)と2人で公園の地面におしっこで文字を書いて筆談をするという遊びをしていたのだが、お互いのおしっこが相手にかかってしまったため、我々は発狂し公園と神社の中を全力で走り回った。


「らうらうらうらうらうらうらうら」


 こんなことを言いながら走っていた。今では意味が分からないが、この年頃の子どもはみんなこういうことをするし、私も多分楽しかったんだと思う。


 神社の裏で向こうかららうらう言いながら走ってきたKくんとゴッツンコし、2人でその場に倒れた。倒れた場所は落ち葉が沢山落ちており、発狂していた我々は「うわぴょーい! うんひょーん!」と落ち葉の上を転げ回った。


 するとKくんが「ウギャース!」と声を上げた。肘に何か硬いものが当たって痛かったと言うのだ。


 硬いものがあったという場所の落ち葉を2人で払い除けると、そこには汚れた人骨のようなものがあった。


「え⋯⋯」


「エンガチョ!」


 私とは正反対のテンションでエンガチョしたKくんはそのまま走ってどこかへ行ってしまった。私は少し怖かったが気になったのでもう少し見ることにした。


 その時、私は恐怖を感じたと同時に感動していた。こんなところで人骨が見られるなんて、本当に運がいい。こんなもの滅多に見られないぞ、フホホ。と子どもながらに感動したのである。


 それにしても、なぜこんな保育園児がこれを人骨だと分かったのか、それはあばら骨があったからだ。頭蓋骨はなかったが、それ以外の骨は周りの落ち葉を避けるとすぐに出てきた。


 手の形、足の形、あばら。完全に人間の骨である。私はひとしきり観察したあと家に帰り、母親にそのことを話した。母親は「なわけねぇだろうんこ小僧が」と私の話をちゃんと聞いてくれなかったが、仕事から帰ってきた父親に話したら「ヤバス! はよ通報せんと!」と言ってその日は寝て、次の日に警察に通報した。


 父は警察に「今そこにあるんですか?」と聞かれ、「いや、息子が言ってるんです」と返したところ、「子どもの言うことを鵜呑みにせず、ちゃんと確認してから電話してください」と言われたそうだ。


 そういうわけで父と神社に行くことになった。Kくんも呼び、Kくんの母親と4人で神社に集まった。


 昨日骨があった場所に4人で行くと、そこにあるはずの骨がなくなっていた。私とKくんは「ほんとにあったの!」「マジよ!」「チャス!」などと主張したが、子どもの悪ふざけということで2人とも怒られて解散した。


 その時は納得いかないなぁと思いながらも、しばらくしたら忘れて普通に遊んでいた。子どもとはそんなものなのである。


 今思うとあれは本当に人骨だったのか? 犬か猫の骨なのでは? と考えてしまうのだが、どうなのだろうか。落ち葉のあるところで野垂れ死にして、何日も誰もそこを通らなくて、落ち葉に埋もれた? でも、そんなに通らないことある? 何日くらいで白骨化するのか分からないけど、死んだのは本当に落ち葉が落ちまくってた時期なの?


 当然であるが、その神社には神主さんがいた。いつも掃除をしており、他に何かをしているところを見たことがない。そんな掃除マニアな神主さんがあれを見つけられなかったとは考えにくい。我々が落ち葉の中から見つけた次の日になくなっているのも少し不気味である。

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