表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/17

星々を背に


 突き立てられた鉤爪が天井を突き破り窓硝子を割る。

 ガラス片が飛び散る最中、空いた大穴に向けて指を差す。


「雷吼」


 一条の雷光が伸び、ブラックフェザーを目指す。

 けれど角度の問題から容易く躱されてしまい、稲妻は夜空に掻き消えた。


「停めたほうがいいか!?」

「走り続けて! 叩き落とします!」

「なら早くしてくれ!」


 三人と視線を合わせ、嘴で空けられた大穴を通って車外へ。

 天井に立つとすでに夜空に舞い戻ったブラックフェザーが月明かりに照らされていた。

 星を背に羽ばたく姿はパラロス時代に見慣れたものだ。


「ブラックフェザー、厄介ですね」


 大穴を通って三人も車外へ。


「どうするつもり? セオリー通りにやるならまず動きを止めないと」

「拘束系の魔法は?」

「残念ながら有効なのはまだ覚えられてないわ。グラスフィールドじゃ捕まえられないし」

「この距離では私の音撃も届きませんね。さっきみたいに近づいて来てくれないと」

「さて、どうしたもんか」


 ブラックフェザーはこちらの様子を窺いつつこちらに追い付いてきている。

 空から狙われていては逃げ切ることはまず不可能。

 そうなると。


「隼。アレをやろう」

「アレ? アレってもしかしてアレのこと? ここで? 本気?」

「上手く行ってただろ? 大丈夫だ、きっと上手く行く」

「でも」

「うだうだ言ってる時間はないわよ、来るわ」


 痺れを切らして様子見を止めたブラックフェザーが攻撃態勢に入る。

 翼を折り畳み、頭上から真っ直ぐに落ちてくる様は隕石に近い。

 着弾するまで数秒程度。


「琴音は音撃で迎撃、椎名はなんでもいいから魔法で攻撃してくれ」

「はい!」

「なにか考えがあるんでしょうね!」


 戦笛を構えられ、詠唱が唱えられる。

 その最中に俺と隼はタイミングを計るために頭上を見上げた。


「本気でやるつもり? ここは現実なんだよ?」

「それでもやるしかない。成功すれば確実に倒せる」

「そうだけど」

「行きますよ!」


 十分に引きつけたブラックフェザーに向けて戦笛の旋律が響く。

 演奏は音撃となって飛び、漆黒の嘴と真っ向から衝突する。

 こちらが適正レベル未満とは言え、それなりのダメージは与えられたはず。

 その証拠にブラックフェザーは怯み、翼を羽ばたいて頭上を通り過ぎていく。


「椎名!」

「――メテオレイン!」


 夜空の星々が落ちてくるかの如く、幾つもの隕石が降り注ぐ。

 怯んだ先で攻撃を浴びせられ、ブラックフェザーの飛行に乱れが生じる。

 回避に精一杯でこちらを気にする暇はない。

 今なら成功させられる。


「隼、行くぞ」

「あぁ、もう。わかった!」


 隼の風スキルが俺の足下に集う。


「絶対に成功させるんだよ!」

「任せとけ!」


 集った風が渦を巻き、突き上げるような突風が吹く。

 その威力は人一人、簡単に持ち上げられるほど。

 俺の体は風に吹き飛ばされて天高く舞い上がり、ブラックフェザーの上を取った。

よければブックマークと評価をしていただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ