表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/17

仲間


「十数人の人たちをいったいどうやって?」

「そりゃ車を使うしかないだろうな。自衛隊のジープを借りよう。だが、一度に全員は運べねぇな。外の状況と燃料のことを考えると往復は一回に抑えたいが……」

「春人!」


 黒鐘さんの後について歩いていると、隼の声が耳に届く。

 立ち止まって振り返ると、明るい顔をした三人が立っていた。


「見付かったのか!?」

「えぇ、見付けられたわ。幸いなことに三人ともね」

「よかった、ほっとした」


 思わず安堵の息が漏れる。

 本当によかった。


「俺は先に行ってるぜ、後から来な」

「あ、はい」


 気を遣ってくれた黒鐘さんは足早に外へと向かう。


「なにか用事?」

「あぁ、これから夢見ホールに行く」

「そっか、あそこの人達をこっちに」

「だからその手伝いにな。すぐに行かないと」


 通知が来ていない以上、ゴーレムはまだ無傷。

 けれど、いつ襲撃されて通知がくるかわからない。

 ファストトラベルですぐに駆けつけることはできるけど、理想はその前にドームに連れて返ること。

 だからなるべく早く向かいたい。

 母さんを安心させたいしな。


「みなさん」

「うん」

「えぇ」


 三人は頷き合うと俺に向き直る。


「では、私たちも助けに向かいますよ」

「……いいのか? やっと家族に会えたのに」

「なに言ってんのよ。あたしたちはあんたと同じことをするだけよ」


 そうか。

 仲間がいるって良いことだな。


「ありがとう。じゃあ、行こう」


 三人を連れてドームの外へ。

 玄関口から抜けるとすぐに黒鐘さんに追い付けた。


「来たな。だが、ジープはまだ出せないそうだ」

「まだ?」

「台数が足りないんだ。あとこれジープじゃなくて小型トラックだぞ」


 隣りにいた嶋野さんがそう答える。


「俺たちみたいに生存者を捜し回ってるんだ。まぁ、直にほかのも戻るから、それまで我慢してくれ」

「そう、ですか」


 気持ちは逸るが、しようがないか。


「あ、それなら観光バスはどうですか?」


 隼の言葉で脳裏に浮かぶのはこのドームに向かう途中のこと。

 たしかドーム付近で観光バスと擦れ違った。


「そうか、それなら全員を乗せられる!」

「良い案だ。嶋野、運転できるか?」

「大型バスってたしか大型二種だろ? なら、たぶん行けるな」

「よし、来た。なら、俺と嶋野、そしてお前さんたちで――」

「黒鐘さん、ちょっと」


 話が纏まりかけたその時、ドームの玄関口から声がかかる。


「なんだ、なにか問題か?」


 駆け足になってその人の元へ黒鐘さんは向かう。

 そして暫く話した後に、またこちらに戻って来た。


「悪い。問題が起きて俺は向かえなくなった。五人で平気か?」


 黒鐘さんが抜けるのは痛いけれど。


「行きます」

「よし。なら必ず無事に連れて来い」


 黒鐘さんに送り出されて、俺たちは観光バスの元へと急ぐ。

 動くか動かないかはまだわからないけれど、そうなったらそうなった時だ。

 その時になってから考えるほかにない。

 今はとにかく観光バスだ。

よければブックマークと評価をしていただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ