序列N君と平等S君 ~あなたはどちらに共感する?~
N「なんで俺から離れるんスか。嫌いなんスか?」
S「自分はパシリとかサンドバッグにはなりたくないので、離れました」
N「はぁ? ケンカうってんのかよ、てめぇ!」
合宿免許で同期だったNとSは9日目に仲が悪くくなり、Nのいやがらせを受けながらも先にSは卒業した。
序列を重んじるNと、平等で楽しみたいSのどちらに共感できるのか、意見が欲しい。
この話は、対等に接したい自分(S)の視点である。入校日同期はSは36歳、Nは21歳、Hは50歳。AとMは推定20歳だ。
1日目
N「Nっす。よろしくっす」
S「Sです。よろしくお願いします」
2日目
N「これ食べきれないんで、食べてもらっていいすか?」
S「(腹いっぱいだけど)ああ、いいですよ」
3日目
N「俺、キックボクシングやってるんで。ローキックしていいっすか?」
S「ああそうなのですか。自分は蹴られるのは嫌なので断ります」
N「ローキックしていいっすか?(再度)」
S「嫌です」
N「そっすか」
4日目
S「自分って~があって。変わったやつってよく言われます」
他の同期H「へぇー」
N「ぶはっ! 変わったやつ!! ははは! … ぷっ! はは!!」
S「そんなに面白いですかね?」
N「ははは! … ぷっ! はは!! 変わったやつ!! はは!!(指さし)」
5日目
N「近くの饅頭屋あるらしいので、誰かひとりで買ってきましょうよ。じゃんけんで」
3人「いいですよ」
後発入校M「あーまけちゃった。何を買って来れば良いですか?」
N「Sさん。Mさんかわいそうじゃないですか。一緒にどうっすか?」
S「そうですね。どんな店か見て見たかったので、一緒に行きましょうか」
M「ありがとうございます」
7日目
N「コレ、食べられないんで、食ってください」(食べかけコーンフレークぽい)
S「いや、もうお腹いっぱいなので」
N「コレ、食べて下さい。いいから」
N「同じ釜の飯を食べたなら、家族なんじゃないっスか?」
S「…ま、まあこれ位なら…」 (受け取り)
S「はい俺ら食べ終わり―。皆で先いってましょw」(Nは食事中のSを見て笑顔)
8日目
N「ねぇ、ジュース買ってきてくださいよ」
S「そういうの嫌なので」
そのままSは立ち去った
9日目
食べ残しを渡されるのが嫌なSは、いつものNの近くではなく、別の席で食事をした。
次の学科で一緒になった時、座っているSにNが問いかけた。
N「なんで俺から離れるんスか。嫌なんスか?」
S「…」 (素直に言うべきか、しかし相手を傷つけるかも…)
S「自分はパシリとかサンドバッグにはなりたくないので、離れました」
N「はぁ? ケンカうってんのかよ、てめぇ!」
ガタン!
同期H「二人とも、やめなよ。ほかの人もいるし」
SN「…」
10日目の朝
教習所に行くためのバスに乗り込む。
Nが左の席に座り、右2座席の左側に小さなバッグを置いていた。Sは触れずに跨いで右側の空いた席に座る。空いている席はそれ以外にほぼなかった。
S「おはようございます」
N「通るんじゃねえよ。カスが」
他に座っている人「…」
11日目
透明な壁で仕切られた自習室で一人勉強するSに、背後でNがドンドンと叩く
N「…」
Sが振り向いた時には、Nは別の場所を見てやっていないふりをする
N「ぷぷぷ…」
S(またNか…やってることが小学校だし、話しをしても苦痛だし無視しよう)
12日目
Nは入校して間もないAに急接近し、同じやりかたでパシリとサンドバッグをし始めた。
Aは接近するNに嫌々ながらも従っていた。
N「教官Wうぜぇ。もうあいつと口ききたくもねぇ」
13日目
Hと二人の時、Nとの話を聞いた。
同期H「NとAと俺の3人で遊びに行ったんだけど、ピンサロの呼び込みの男をからかったら囲まれてな」
H「俺とAは前もって離れて他人の振りしてたけど、Nはそのあと何も言えん小心者だった」
H「ピンサロはバカにしたけど、あんたの店はわらっちゃいねぇって俺なら言うね。Nは反論できずに黙ったままだった。情けねぇ」
H「それにキックボクシング経験も嘘だ。腹にぎったらブヨブヨ。見栄だよ見栄」
S「そうなのですか…」
H「あいつはまだ人生経験が足りねえ。比べてSは勇気あるよ」
S「いや別に自分は勇気なんて」
H「あんたは相手に関係なく、はっきりと意思を伝えた。それは勇気がなきゃできねぇ」
14日目
マニュアル組のSとHは卒業し、Nは3日後に卒業する予定だ。
N「今日卒業? あー、俺だけかよ。オートマにしておけばよかったよ、糞が!」
H「がんばれよ、N」
S「お先っす」
解散後、序列社会で生きてきたNと平等社会で生きてきたSの違いであったことに気づいた。
甘噛みできること(ローキック)、食べ残しを食べさせること、パシリに行かせること、あざ笑い反論されないこと。これらを第三者に見せることで、序列を決めていたようだ。
Nの家族というのは序列社会に入る事であり、その中で親密になるごとに点と点が接近し、どちらが上か下かが確定する。
9日目の時点でNはSが「あなたの序列が上です」と伏したのに、反抗した。これは家族内の裏切り行為であり、部外者ではなく潰すべき敵とみなされた。
一方、序列を好まず対等な関係を続けたいSは、Nの押し付けに最初は初対面だから…と許容したが、しつこい要求に嫌になったので考えを伝えて離れた。
自分は韓国や犬社会のような強烈な上下関係の環境にいなかったからか、Nの行動が不思議であった。
序列社会のNのような生き方をしてきた人がいたら、話を聞いてみたいと思い、このエッセイを書いた。
あなたはSとN、どちらに共感できるだろうか?
魔法やステータスオープンができる時代は来るか? ~異世界考察~
https://ncode.syosetu.com/n4226gq/
こちらで序列社会ついて考察しています。ぜひ読んでみてください。