リグレット
本当に悔しいけれど、勝っても負けても気持ちいいのがスポーツなら、勝っても負けても気分が悪いのが仕事です。「所詮仕事、割り切っているさ」と言いながら、傷つけたほうも、傷つけられたほうも、結構、尾を引くものなのですよね。
仕事を終えて見上げれば
深い空は無機質の青
穢れなく、純粋で痛ましい
僕のこころは、腹黒
また、誰かを傷つけた気がして
本音を隠して、建前の刃を
振り下ろす非情さもなく
そっと突きつけるだけの「卑怯者」
車の傍らで、ため息をつけば
空には、うろこ雲のドット模様
不意を突かれた「無感動」の鱗が
剥がれ落ちれば、イノセントマン
「もう、秋なんだな」って呟きながら
過ぎ去った時間を後悔し始める
会議の別名は「陣取りゲーム」
勝った者のペルソナは「優しさ」
勝つまでのペルソナは「両面宿儺」
負けた人のペルソナは「ポーカーフェイス」
目の前を横切って飛ぶとんぼ
夕暮れ時の懐かしいデジャビュ
帰る場所の記憶
明かりと夕餉の匂いへの「ノスタルジー」
「温かくて、心地よくて」
「いつも、帰るために歩いていたっけ」
負けた人の悔しさ
負かした者の「センス・オブ・シン」
連れて帰るのが、少し辛い「リグレット」
「今日は、どこに捨てようか」と暮れていくこころ