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91話 last year

 残り一年で人間たちはどこまで神との差を縮められるのか!?

 いよいよ神との戦いに備えた最後の年となってしまった。世界各国で戦いに備える動きが見られるものの宗教国家は、


「神が裁くというのなら我々は受け入れる」


 として全く抗おうとはしない。何だったら過激派は神に抗おうとする国に戦争を仕掛けたりしていた。おかげで無駄な血が流れるのであった。


「いらない事してくれたはね! アストラの連中!!」


 ルイはぶち切れていた。宗教国家の中でもアストラは過激派であり様々か国に戦争を仕掛けて来たのだ。その標的の一つとしてガルダ王国が狙われたのだ。戦争は一ヶ月でケリがついた。その間に多くの血が流れた。少しでも戦える人間は多いに越した事はないというのに死者は出るは負傷者も出るはで酷い被害だ。もちろんただの宗教国家であるアストラに負ける道理はないのだが、


「狂信者ってのがあんなに厄介なんて」

「自分は会った事ありますけど慣れませんね」


 訓練された兵士ではない民間人ですら包丁やら石やら武器になりそうな物なら何でも持って襲いかかってくるのだ。その中には小さな子供までいるのだ。


「この世の地獄みたいね」

「他の地域でも似たような事態が起きてるようですよ」

「おまけに被害はこっちとは比べ物にならないそうですよ。小国が潰されてそこを助けに来た国もそこそこの被害を出しての討伐らしいですからね」

「残り一年で何とか神を倒すだけの力を人類は手に入れなきゃいけないのにこうやって人同士で争っていたら意味ないのに!! 馬鹿じゃないの!!」

「おそらく神側が何かしらの洗脳教育を施していたのでしょうね」

「意外と小心者なのね。人同士を争そわせて兵力を減らそうなんて」

「いくら神側が有利だとはいえど地上に存在する人類を滅ぼすのには時間がかかりますでしょうからね。効率化ですよ。効率化」


 淡々と今の状況をウェンは説明する。


「効率化ね。ようは連中にとっては戦争とは思ってないって事でいいのかしら?」

「それはそうでしょう。虫けらに本気なんて出さないでしょう。神にとってわたくしたちはそんな存在なのですよ」

「舐めてくれちゃってるじゃない」

「まぁ、そうやって舐めてくれるならその隙をついていけば俺たち人類にも勝つ可能性が出て来ますね」

「その通り。わたくしたち龍や主様には油断なく殺しに来るのでその戦法は出来ませんが貴方方にはそれが出来るのは大きなアドバンテージです」

「何かしっくり来ないわね」

「まぁまぁ文句を言ってもしょうがないでしょう? 負けてしまえば全てが終わりなんですから」

「それもそうね。ウェン! 手合わせよろしく!」

「もちろん」


 ルイはウェンと手合わせをする。その数はどんどん多くなり。一回にかける時間はどんどん伸びているのであった。

 運命の宿木とは別行動をしているレイはというと、


「はぁ、はぁ」


 ワ国の強者たちとひたすらに戦闘を繰り返していた。ワ国を出た当初はレイが最強であったが今は中々の強者が揃っていた。


「神との戦争は巫女が予知していた。何より若い世代が急激に力をつけ始めているのだ」


 そんな事を国王が言っていた。ワ国もワ国で神との戦争に備えていた。ワ国は島国という閉鎖環境であるためにひたすらに武を競っているので強者は多い。しかし、数は少ない。ようは量より質の集団なのだ。そのため手合わせする相手には困らない。色んな相手がいるし何より太刀筋等が同じなので自分の太刀筋を見直す事になるのでより強くなれる。


「ふむ。初心に帰る事が出来たのは大きいですね。またお願いします」


 中々に強い者が多い。ガルダ王国ならSランクを超える強者が多いので飽きない。


(ただひたすらに同じ強者とだけと戦うよりも勉強になりますね)


 レイの実力はメキメキと上がっていた。

 そして運命の宿木のマスターであるマイはというと、


「戦争を人間同士でやっても無意味だっていうのに」


 こちらは現在魔法大国であるオズワルドにいるのだが複数の宗教民族が結束して戦争を仕掛けて来てその対処に追われていた。


「神が下した判断に抗うな!!」

「全てを受け入れるのだ!!」

「神の意志に従わぬは反人類共め!!」


 なんて言いながら結界を超えようと奮闘する狂信者たち。審査を通るか魔法使いでなければ通れない結界がオズワルドを守っている。そこを無理矢理通ると炎に包まれる。そんな結界があるにも関わらずどんどん進撃して来るのだ。その結果一部は炎に包まれながらも結界を通過した者が何人か現れたがボロボロの状態なので勝負にもならない。ただの無駄死にである。


「はぁ〜自分たちが殺されるのに神をまだ信じるなんて」

「宗教ってのは一種の洗脳みたいなもんだからな」


 なんて会話をマイは兄としながら国璧の上から魔法を放ち続ける。そんな事をここ1週間ずっと続けている。国ではなくあくまでも民族の集まりであるがそこそこの数なので時間がかかる。しかも信仰心を力にしていて精神的バフがかかっているのかやたら打たれ強くなっているので殲滅には時間がかかりそうである。


(こんな事に時間を奪われるなんて。残り一年しかないっていうのに!)


 焦るマイであるがもう少し戦争は続きそうであった。そして、運命の宿木のサブマスターであるリュウガは、


「ぜぇ、はぁ、、ゲホッ!」

「おらおら!! こんなもんかよ!!」


 風翔龍と手合わせとい名の殺し合いをしていた。本気で殺し合えば死の気配を視れるリュウガが勝てるがあくまでも手合わせなのでそれを使わずに戦っていた。龍と人との身体能力(スペック)差はあるがそれでも、


(大分近づいてるな。名持ちの龍相手でも身体能力だけで互角には戦えるようになったな)


 手合わせを見ていた龍帝は今のリュウガの実力をそう判断する。今のリュウガはウェン、スイといった名持ち相手に身体能力が近づいて来ており人の範疇を超えていた。


(これに死の気配を視て破壊するという反則技を持っている。それにオレ様や風翔龍の馬鹿もいるし勝ち筋はある・・・・あるがそれはオレ様たちに限ればの話だ。他の連中はほぼ死ぬだろうな)


 はっきり言って他の連中も頑張っているが神と戦えるとは到底思えない。


「まぁ、オレ様たちだけで皆殺しにしちまえばいいか。おら! オレ様ともやるぞ」


 2人に混ざる龍帝であった。

 

 次回は残り1週間のお話。

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