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46話 修行の旅へ

 龍帝vs骸龍から1週間後の出来事です。

「はい、お疲れさん。また、俺の勝ちだな」


 寝っ転がる龍牙に話しかける龍鬼。そんな龍鬼に対しムクリと起き上がり龍牙は問いかける。


「あんたは見たのか? 龍帝の戦いを」

「あぁ、しっかり見てたぞ。はっきり言ってアレはヤバいな。功績でなっただけで強さが象徴でない神ですら名持ちでない龍を余裕で殺せる位には強い。それでも龍帝は神をも殺すだろうよ」

「あんたとならどっちが勝つ」

「俺に決まってんだろうが。とは言えアレは俺の生前の最盛期とどっこいだな」

「いや、何で人間の頃から雷そのものの龍とどっこいなんだよ」


 二代目の実力に呆れるしかない。


「あくまでも最盛期の頃だぞ。初めての神殺しの頃の俺よりは確実に龍帝のが強いから。マジで」


 そんな二代目の発言に、


「そもそも龍皇の時なんかは向こうがその気だったらとっくに死んでるし龍帝が今すぐ向かってきたら気づくまもなく殺されるだろうな」

「だからこうして特訓してるんだが間に合うのかねぇ(それにこっちの神が不審な動きしてるしで本当に17代目は何だってこんな目にあってんだか)」


 自分も神やら妖怪やらと殺し合ってるがとりあえず棚に上げる。


(とりあえず神の事は黙っておくしかないな。今は龍帝の事でいっぱいだし)


 神の事は龍牙には伏せる事にした。いずれは気づく事ではあるが今は()()いい。


「他に良い修行方法があれば良いんだがな」

「流石にないだろう。人間の極地だぞ。お前は」

「そうは言ってもよ、、」


 と何か言おうとしたところで現実の龍牙の意識が起きてしまい精神世界から消える。


「言わなかったんですね神々(わたしたち)の事を」

「まぁ、今はそれどころじゃねぇし」

「すみませんね。冥府の神は喧嘩っ早い者でしてね」

「それで? 十七代目に冥府の神を殺して貰おうってか? あいつよりも龍帝にでも殺して貰えよ。今のあいつじゃ何年かかるか分んねぇぞ」


 これはマジの話である。そもそも神になれるかどうかすら分からない。正直龍鬼にとって龍牙が神になれるかどうかはどうでもいいのだが。


「正直に話しますと戦闘は不得手でしてね。他の方に頼むしかないんですよね」

(裏があるのは確定だな)


 なんて予想するが、


「無駄ですよ。以前に強気な発言をしていましたが同じ世界の神同士の殺し合いならともかく異世界の神を殺すのは重罪。神の座から消えますよ」

「いや、それは別に構わねぇよ」


 龍鬼にとっては神は成り行きでなったものなのでぶっちゃっけその座に興味はないのだ。


「とにかく! あなたはご自身の子孫を鍛えてあげてくださいね」


 そう言ってフルールドリスは消えていった。


「言われなくてもそうするよ」


 龍鬼も消えていった。


「彼の者の魂が生命神フルールドリスの下へと還らんことを」


 骸龍の出現から1週間経過して総本部の裏手にある墓地にてハンザ•コルニスの葬儀が執り行われている。参列者は家族と総本部の人間の一部と運命の宿木の人間だ。そうして行われた葬儀もつつがなく終わった。そしてギルドに帰ってリュウガは、


「どっかに良い修行場所とかねぇのかね」


 なんてひとりごちる。それに対して、


「色々ありますけどあなたレベルにはウォーミングアップになれば()()といったレベルですよ」

「そう簡単にはいかねぇよな」


 ゴウからの答えにがっくりと肩を落とす。


「ウェンやハクもいるんだから別に今まで通りで良くないの?」


 マイの疑問に対して、


「龍帝の強さを見たらそうも言ってらんねぇんだよな(二代目からもバケモノのお墨付きを貰ってるからマジでヤバいんだよな)」


 龍帝が挑んできたら何も出来ずに死ぬだけなので何とかしてレベルアップいておきたいのだ。

 

「そういう事なら良い所がありますよ」


 そう言ってウェンが現れた。


「どうだった?」

「酷いですよ。骸龍が通った後は死の気配が充満していて普通の人間が無理に近づこうものなら発狂して精神を壊すでしょうね」

「分かった。面倒かけたな」

「お気になさらず」


 そう言ってウェン微笑む。ウェンには葬儀の間に龍帝と骸龍の戦闘跡地の様子を見に行ってもらったのだが報告通りなら相当ヤバい事になっている。


「それで!? 良い修行場所ってどこ?」


 と、ルイが勢い良く聞く。


「俺の修行場所を何だってお前が聞くんだよ。アホ」

「うっさいわねー! あんたレベルの強さが鍛えれる場所があるならあたしにとってはかなりのレベルアップになるでしょうが」

「だとしても連れて行く気はねぇぞ。俺レベルの強さを持った奴でも修行出来るような場所となるとお前じゃ死ぬ可能性があるんだから。そこにギルドメンバーを連れてくサブマスターがいるかよ」


 反論してリュウガとルイは言い合いを続けるが、


「大丈夫ですよ。主様。()()()は特別な場所でしてね。相手に合わせる修行場所なので」

「「それなら俺/私も連れて行け/行ってください」」


 今度はヒビキとレイも割り込んで来た。


「何だってお前らまで乗り気なんだよ」


 先程から突っかかってくるルイの頭を掴みながらリュウガは聞く。


「強さを求めて俺は田舎から出たんだぞ? 興味があるに決まってるだろう」

「私も強さを求める身として同じく」


 との事だ。


「だとしても俺含めてギルドの主力メンバーがほとんど欠けるのはまずいだろう。ウェンも案内でついて行くんだからよ」


 歯切れ悪そうに言う。それに対して、


「良い機会ですし自分達、運命の宿木はお休みとしましょうよ」


 話を聞いていたゴウから意見が出た。


「いやいや! ゴウさん!? 何言ってるの?」


 慌てるマイ。それもそうだろういきなりお休み宣言されたのだからギルドマスターである自分の意見も聞かずに。それに対して、


「ここ最近は色々ありましたからね。それにハンザが死んだ穴が大きい。彼が総本部との交流を増やしていたのもあったし何よりまだ何人か気持ちの整理が出来てないでしょう?」


 そう言って、マイ、ソウ、ランの3人を見るゴウ。ハンザが死んでからまだ1週間しか経ってないのだ。気持ちの整理がつかないのも無理はないのだ。


「そうだけど」


 視線を下げるマイに、


「そんじゃ、好きにやろうぜ。今まで通りやりたい奴はやれば良い。休みたい奴は休む。修行に行く奴は修行に行くで」

「何よ。散々邪魔者扱いしておいて連れて行く気になったの?」

「向上心があるのは良い事ではあるからな。それにウェンの言う通りなら連れて行っても良い場所みたいだからな。正直まだ乗り気にはなれねぇけど」


 と話が進んでいるのがマイは、


「だけどさ〜」


 まだ言いたそうにしている。


「あのよ。ギルマス、ここらで行動に移さないとマジでヤバいぞ」

「分かってるけどさ」


 何とも歯切れが悪い。


「はぁ〜。面倒クセェなぁ。別に()()みたいに解散する訳じゃねぇんだから。割り切れよ。それともギルドメンバーを死なせるのか?」

「それはヤダ!」

「だったら好きにやろうぜ」


 との事でマイの説得に時間はかかったが運命の宿木は暫くの間の休止に入った。受付嬢や料理人の方々には休止期間中は必要最低限の生活費を支給する事になった。


「あくまで生活費だから娯楽費が必要ならバイトでもしてくれ」


 そう言って頭を下げるリュウガ。リュウガの所為といえなくもないので頭を下げている。

 

「それで? 修行場所はどこなんだ?」

「行ってみてのお楽しみですよ。それからわたくしは行けません」


 まさかのウェンの発言に、


「ちょっと待て! じゃあ誰が案内するんだよ! そもそもお前は何で来ないんだよ!」


 詰め寄るリュウガにウェンは、


「骸龍が残した死の気配を消し去るために残ります」

「あ〜、なら何とも言えないが案内は誰なんだよ」

「びっくりしますよ」


 そう言って微笑むウェン。訝しんでいるリュウガの後ろから、


「久しぶりだな」


 そう言ってリュウガと肩を組むのは、


「あんたかよ」


 そう言って嫌そうな顔をする。何故なら肩を組んで来たのは龍皇だからだ。


「お前さ〜、そんな嫌そうな顔をするなよ」

「自分を殺そうとした相手に良い顔をするかよ」

「いや、だったら前回会いに来たのは何なんだよ」

「前回はウェンもいたし発火現象のせいで気にするどころじゃなかったんだよ」


 との会話を繰り広げる2人に対して、


「修行場所を知ってるのが龍だけなんですよ」

(マジかよ)


 と思うリュウガとは反対に他の3人は目を輝かせていた。


「それではお願いしますね。道中モンスターの襲撃も良い修行になるでしょうからあなたには隠蔽の魔法をかけておきますね」

「応! これはいつまで保つんだ?」

「あなたが龍の姿にならなければいつまでも続きますよ」


 これで準備は完了。リュウガ、ルイ、ヒビキ、レイに案内として龍皇を含めた修行の旅が始まった。

 次回から修行編になります。長くなるかはわかりませんが頑張って読者の皆様を楽しませるように努力します。


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