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37話 戦争勃発!

「サブマス、ストップ」


 国境付近でリュウガにストップをかけるマイ。


「どうした? もう少しで着くってところだったのに」

「国に結界が張られてる。それもかなりデカイのが」

「どれぐらいだ?」

「国全体だね。多分学院長含む魔力の多い魔法使い達が協力して張ってるね」

「俺達が国を出る時はなかったよな?」

「そうですね。何かあったんでしょうか?」


 ここで話していても拉致があかないのでとにかくギルドに急ぐ。

 

「ただいま。何があった?」


 ギルドについて国で何が起こっているか聞くが、


「ギルマス無事に連れてこれたんですね」


 皆マイの周りに集まっている。国に起こっている事を聞こうにも聞けない状態になった。暫くして落ちついてからゴウが国の現状を話してくれた。


「サブマス達か出発した2日後に南にある超軍事国家アストラが侵略を宣言してきたんですよ」


 アストラは総勢10万のAランク相当の兵士を持つ超軍事国家なのである。


「それで国に結界を張ってた訳か」


 納得するリュウガ、それに対して、


「でも何で急に? 今まで大人しかったのに」


 疑問に思うマイに答えたのはハンザだ。


「剣聖が旅に出たのがバレたみたいです。元々侵攻する気はあったみたいです」


 つはりは最強戦力である剣聖のいない今なら勝てると思われているのだ。


「舐められてるな。で? 国の方針は?」

「冒険者と騎士団での防衛戦らしいです」


 それを聞いて、


「冒険者は出兵らしいがお前はどうする?」


 現在この国での最強戦力であるウェンに問いかけるリュウガ、


「勿論出ませんよ。わたくしが出れば勝つのは確定ですが他の龍達も呼応して出てきて余計に被害が出ますから」


 との事なので、


「この国の人間じゃないんだがどうする?」


 マイに問いかける。


「勿論、戦うよ。わたしたちの出身じゃなくてもメンバーの故郷なんだから」

「分かった、それじゃちょっくら指揮官に挨拶してくるわ」


 そう言ってギルドを出るリュウガ。


総本部の一室にてグランドマスターと騎士団副団長が対アストラに向けて会議をしている。どこで迎え撃つのか、戦力をどのように配分するのかなど様々だ。そこへ、


「邪魔するぜ」


 リュウガが入って来た。突然の来訪に驚きはしたがSランクそれも剣聖に勝った人物が来るのは嬉しい事だ。


「邪魔ではないぞ。むしろ良く来てくれたっお主からも意見を聞きたい」

「それじゃ1個だけ提案がある」

「何だ?」

「俺が1人で敵を殲滅する。他の奴らは防衛に専念させろ」


 1人で殲滅するというリュウガの言葉に、


「それは不可能でしょ。本国防衛のため10万全てを投入する事はなくても最低でも5万以上が攻めてくる。それをたった1人で防ぐなんて正気の沙汰じゃない」


 副団長の言葉にグランドマスターも頷き、


「お主の実力は知っているがそれは到底聞き入れられん」


 却下されたが、


「じゃあこの国は滅ぶな」

「何を根拠に言ってる」

「まぁ、ぶっちゃけ俺が出れば勝ちは確定してる。だが俺が全力を出すと周りの人間も巻き込んで殺しちまう。そうなると両国痛み分け、最終的にはどっちも戦力がなくなって美味しいところを別の国がいただく。それが俺に見えている未来だ」


 その言葉に、


「そんな戯言を信じるとでも?」

「信じる信じないはそっちの勝手だ」


 大きく息を吐いてから、


「分かりましたよ。そもそも団長からも国に何かあったらあなたに従うよう言われましたからね」

「何だよ、それなら話は早いな。後の事は任せておけ」


 そういって部屋から出て行った。それを見送ってから、


「あの我が儘な感じ団長に似てますね」

「強さはその団長以上だがな」


 そう言って2人は静かに笑うのであった。


 そして1週間後、戦争いや殲滅戦が始まろうとしていた。


「壮観だな」


 リュウガの眼前に広がるは5万人もの兵士達。それが今まさに国境に入ろうというところで両軍が睨み合う。とは言ってもガラン王国はリュウガ1人なので軍とは呼べないのだが。フーッと息は吸って、


「死にたくねぇ奴は尻尾巻いて逃げろ! 死ぬ覚悟がある奴だけがかかってこい!」


 大声で叫ぶ。その言葉に、


『ワハハハハ!!』


 と大勢の笑い声が飛び交うそれはそうだろうたった1人に負ける筈がない。あいつは冗談を言っている。そうとしか思えない。誰1人として死ぬ覚悟がある訳がない。そして、


「俺があの生意気な奴を殺してさっさと進軍しましょう」


 そう言って1人の若い兵士が国境線を越えた瞬間首がとぶ。全員何が起こったのか分からなそうにしている。リュウガは既に刀を抜いている。


「それじゃ()ろうか」


 そう言って敵軍に突っ込む。


アストラ軍の指揮官サイクは、


「何者なんだ? 何故あんな奴が今まで無名なんだ」


 今見てる光景を信じられないないでいる。自分達は軍事国家の兵士として戦闘訓練を積んだ精鋭だ。ドラゴンだって数多く討伐してきた実績だってある。それなのに、


「何故たった1人の人間を殺せずにいるんだ!」


 絶叫する。殺すどころか傷を負わせる事すら出来ずにいる。開戦して既に5分が経過しているが1000人強は殺されている。


(まだ兵力に余裕はあるがこのままでは指揮が落ちる)


 まだ4万もの兵力があるがそれでもたった1人にこれだけの被害を出されては指揮が落ちる。しかも、


(気のせいか? 更に速くなってないか?)


 気のせいではない。リュウガは1人また1人と殺す程にその速さと鋭さを増してアストラの兵士を殺していく。


「どうなのリュウガは?」


 ギルドにてマイがウェンに戦線の状態を聞く。ウェンには千里眼があり世界中の様子を観る事が出来る。そのためギルドから離れた戦線の状況をギルドメンバーに報告している。


「順調に兵士を殺していってますね。それにペースも上がっていってます。この調子ですと1時間もかからず殲滅しますね」

(問題はその後ですが)


 ウェンが気にしてる問題それはリュウガも危惧している問題であり最悪の問題。


(何も考えずに斬りまくってるがもうそろそろだな)


 もうそろそろというのは、


「おい! 逃げるな! 相手は1人だぞ!」

「その1人に何人殺されたんだ! こんなの侵略戦じゃない!」


 内部分裂だ。それもそうだろう余裕と思っていた相手国しかも敵は1人しか用意していない、最初は冗談と思い笑っていたがもう笑える状況ではない。既に死体の山がいくつも出来上がってしまって次は自分なのではと思う者達が出始めている。その証拠に何人かは逃走している。


(逃げる奴は追うだけ無駄。向かって来る奴だけ殺せば良い)


 敵に更なる恐怖を与えるために次々と死体の山を作っていく。

 20分が経過してもリュウガを仕留めきれず更には1万も兵を無駄に散らせてしまったまま帰っては本国に行っても処刑されてしまう。それならばとサイクは、


「せっかくの強敵なんだ、戦ってこそだろ!」


 サイクはガラン王国でいうところのSランク冒険者に相当する兵士だ。その兵士がリュウガの首を狙って剣を振るうが、


「度胸は認めてやるよ」


 そう言って首を刎ねる。指揮官を失ったアストラの軍勢は逃げる事しか出来なかった。そこへ、


「来やがったな」


 遥か上空雲の中から火の玉が降ってきてアストラの軍勢4万を焼き払う。爆炎を撒き散らしたその中から現れたのは1人の男だ。燃えるようや真っ赤な髪と目に褐色の肌の男。


「よう、練龍牙。殺しに来たぜ。龍皇アブソリュートだ」

「今はリュウガ・レンだ」


 人と龍の殺し合いが始まろうとしていた。






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