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35話 潜入! 魔法使いの国オズワルド


「どうします? 見た感じ壁の守りだけじゃなくて何種類も結界あって侵入は厳しいですよ」


 ランの言うようにオズワルドは壁による守りと結界で守られている強固な国であるが、


「俺には魔力がないから関係ねぇし、あの程度の壁なら余裕で登れる」


 魔力のないリュウガには結界が反応しないのは魔法学院に侵入した時に確認済みであり高さ30mある壁もリュウガにとっては無いに等しい。


「侵入出来るのは分かりましたけどそこからどうします?」

「お前は普通に入国しろ、俺は魔法使い達から見たら一発で不法侵入ってばれるから基本裏道なんかで隠れてるから情報収集はお前がメインだ」

「責任重大ですね」

「あんまり気負うなよ。まだ日に余裕はあるんだ」


 移動で3日使ったがそれでも4日あるそれだけあれば何とか出来る。というよりする。


「とりあえず知りたいのはマイの家と相手の王子の情報。この2つを調べてくれ」

「了解」

「それから宿をとったら部屋で窓を開けて3回手を叩け。バレないように俺も宿に入るから」

「それで聞こえます?」

「中々厳しいから結構デカめに叩いてくれ」

(それで聞こえるあたり本当に規格外だな〜)


 とにもかくにもやる事は決まり、いざ魔法使いの国オズワルドへ。



「ようこそ魔法使いの国オズワルドへ! 入国目的は?」

「観光です」

「これは大変素晴らしいタイミングですね! 4日後にこの国の第3王子様が結婚するんですよ」

「へ〜。それはおめでたいですね!」

(マイ様の相手は第3王子様か)


 早速知りたい情報が知れたのはデカい。簡単な書類を記入して入国すると、


「うわ! 外からだと結界で分からなかったけど魔力で満ちているな〜」


 魔法使いの国というだけあってそこら中から魔力で溢れており、建物は勿論商店に並ぶ商品なんかも飲食物を除けばほぼ全てから魔力が溢れている。


「おっといけないいけない。情報を集めなきゃ」


 呆気に囚われている時間も惜しい。サブマスターは猶予があるとは言ってたがあれはおそらく自分をリラックスさせるためのものだとランは思っている。


「情報収集といったら酒場だよね」


 まだ昼間ではあるが情報収集の定番の場所である酒場へと向かう。酒場は近くに結婚式きがあるというだけあって昼間にも関わらず凄く人で賑わった様子だ。更には、


「凄っ! 料理人以外全員魔法使いじゃん」


 料理以外の仕事を全て魔法で済ませる事で時短している。これが魔法先進国かと感心するランであったがすぐに自分の目的を思いだして、


「すいません。わたし観光目的でここに来たんですけど何でもこの国の第3王子様が結婚すると聞いたんですけど相手はどんな方何ですか?」


 本当は知っているのだがあえて無知のふりをして聞く。聞かれたウェイトレスは、


「あら、それは良いタイミングで来たわね。第3王子様のお相手はクルルガ家のお嬢様らしいわ」

「クルルガ家ってどんな家なんですか?」

「優秀な魔法使いを数々輩出する凄い家でね、先代当主は国王様と旧知の間らしいわ」

「成程〜、他にも聞いていいですか?」

「いいわよ」


 リュウガに頼まれた情報をゲットして今度は活動拠点となる宿を探す。



「食料も買ったしサブマスを呼びますか」


 そう言って言われ通りに窓を開けて3回手を叩く。すると、


「どれぐらい情報は集まった?」

「早すぎませんか、もしかして後をつけてました?」

「そんな訳あるかよ。たまたま近くにいただけだよ」


 それよりも今日の情報をよこせ。そう言ってランが集めてくれた情報を纏める。

 マイの相手はこの国の第3王子ライ・ホープナーである事。

 クルルガ家の現当主はマイを迎えに来た兄のルート・クルルガである事。

 結婚は4日後に城で行われる事


「それからマイ様の家の場所も分かりました」

「それが分かればこっちのもんだ、お前は休んでろ」


 リュウガはそう言って宿から出て行った。



「はぁ、兄さんにも困ったもんだな」

 

 ギルドとは違う豪華な部屋でため息を吐くのは普通なら王子様との結婚というビッグイベントに乗り気ではないマイである。


「またね、とは言ったけど皆待ってくれるかな」


 そんな独り言に、


「皆、お前の帰りを待ってるよ」


 返事が返ってくる。予想はしていたがまさかねと思いながら窓を開けると、


「またね、なんて言ったわりには浮かない顔してるな、マイ」

「来るとは思ってたけど早すぎない?」


 なんて言ったものの嬉しそうなマイ。そんなマイに招き入れて貰い話をする。


「で? またね、なんて言ったんだ帰れる保証はあるのか?」

()()ね」

「どんなだ?」

「決闘に勝利する」

「いいのか? 王子様と決闘なんて?」

「問題ないよ、割とあるんだよ決闘で物事を決めるのは」


 つまり、マイは王子と決闘してそれに勝利して結婚をなかった事にするらしい。


「勝率は?」

「余裕だね」


 自信に満ちた表情のマイに、


「なら良かった。だが一応ってのが気になるな」

「決闘は問題ないんだけど相手の第3王子ってのが兄達に溺愛されててさ〜、ごねるかもしれないんだよね」


 マイの相手である第3王子というのはワガママで有名らしい。


「成程な、決闘に勝っても有耶無耶になる可能性があるから一応なのか」


 それを踏まえた上で、


「俺からの提案なんだが


 そう言ってリュウガはとんでもない提案をマイにして驚かせた。


、、、、とまぁ、言っておいてなんだがヤバい事をするんだがどうだ?」


 確認をとる。マイは強く頷いてから、


「わたしはギルドに戻りたい! だから乗るよその提案に」


 その言葉を聞いてリュウガは笑い、


「よし。ランとも結婚式当日の打ち合わせをするから俺は帰るわ」

「うん」


 窓から出ようとするリュウガは最後に、


「勝つって信じてるからな」


 そう言って出て行った。

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