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25話 謎の美女 ウェン

 大分久しぶりのギルドの新メンバーです。

「最近、ギルドに入りたいって人来ないね」


 ギルドの清掃をしながらマイが愚痴る。


「前に厳しくメンバー制限かけたのが悪かったのかもな」


 マイの愚痴にリュウガが答える。


 以前にミーハーな連中を落とすために厳しい面接をしたためかランがギルドに来て以降冒険者の新メンバーが来ないのだ。


「冒険者10人は欲しいな〜、やっぱり」

「それは、サブマスである俺とギルマスのお前を含めてか?」

「含めてだね」

「そうなると後3人か、まぁ気長に募集をかけていくしかないな」


 なんて話していると、


 コンコンッ


 ノックする音がギルドに響く。


「噂をしたら何とやらだな」


 狙っていたのではないかという程のタイミングだった。勿論まだ、依頼人という可能性も捨てきれないが一体どちらか。


 ガチャ、という音共に入ってきたのは色白で白銀の髪が良く似合うチャイナ風のスリットが入った細長い生足が見える服を着たスレンダー体型の美女だ。


(スッゲェ美人だな、しかも何だ? この強さ自然体でこれかよ、下手したら俺よりも上だろこれ)


 リュウガは驚く。強いのだ異常に。()()()()S()()()()はある。それどころか前の世界では最強を誇っていたリュウガよりも強い。その強さをギルドにいる冒険者のゴウ、それにヒカリも感じ取っていた。


(嘘でしょ! 剣聖よりも魔力が多いなんてありえるの? 人間が?)


 マイもその魔力量に驚く。剣聖の3倍はあるのだ。


 そんな全員の思考を読んだのか美女は、


「安心してください。わたくしに敵意はございません」


 何故ならば、とリュウガに近づき片膝をついて、


「お会いしとうございました。練様、あなたの(しもべ)です」


 衝撃の言葉は出した。


「はっ?」


 リュウガからは呆けた声が、


「「「「「えぇぇぇぇ〜〜〜〜〜!!」」」」」


 ギルドメンバー達からは驚きの声が出た。



 全員が落ち着いた所でテーブルを挟んでリュウガと謎の美女は会話している。


「申し訳ないが人違いじゃないのか? 全く身に覚えがないんだが」


 リュウガが間違いなのではと指摘する。何せリュウガのこの世界での交友関係はギルドと総本部位しかないのだから。


「いいえ、間違いではありません」


 はっきりと間違いではないと言われてしまった。


「前の世界の知り合い?」


 マイが後ろから他のメンバーに聞こえないようにこっそり聞いてくるが、


「いや、全く知らん。完全な初対面のはずだ」


 前の世界の交友関係なんてほぼないに等しい。リュウガと関わった人間は()()()()()のだから。


「わたくしはあなたの事を昔から知っております」


(昔から? いや待て、この人何歳だ?)


 昔からと言われて気になるのは年齢だ。見た目は同い歳位だがどういうことだ。しかし、


(女性に年齢を聞くのは失礼だよな)


 自分から言わない限り女性に年齢と体重を聞くのは失礼だとリュウガは考えている。


「あ〜、すまん。そういや名前は?」


 色々と疑問が多くて忘れていたが名前すら聞いてなかったのを思い出して聞く。


「ウェンと申します」


「家名は?」

「ありません」


 謎が増えた。家名がないのはヒカリもそうだったがあれは犯罪組織に拾われていたからなかった訳で彼女はそういう訳ではないだろう。


「職業は?」

「あなた様の僕です」

「冗談はいらないから」


 呆れているリュウガに対して、美女からの僕発言にギルドメンバーからは冷たい視線がリュウガに注がれる。


「冗談ではないですよ?」


 キョトンとした顔で言われてしまったが、僕は色々と誤解を生むので、


「マジで覚えがないから僕はやめてくれないか、他に呼び方ないか?」

「では主様で」


 そこで呼び方は落ち着いた。


「それであなたは結局何しに来たの?」


 マイが口を挟む。


「主様に会いに来ただけで何かをしに来たという訳ではありません」


 ここまで言われているがリュウガにはこの美女にここまで言われる理由が本気で分かってない。それでも、


「目的がないならうちのギルドのメンバーになれよ」


 (正体不明だがこんだけ強いなら即戦力、何より近くに置いておくのが無難だろ)


「主様がそう言うのならばそのように」

「いやいや、話がどんどん進んでるけどうちはNo. 1を目指してるんだよ、この女にその覚悟があるか聞かなきゃ」


 マイからの言葉に、


「主様とわたくしがいてNo. 1になれないならそれは他の皆様のせいではありませんか?」


 本気で言ってる。それが嫌味になっているとは知らずに。


「そこまで言うならランクは?」


少しキレぎみにマイが聞く。こめかみがピクピクしている。


「ランク?」


 どうやら知らないらしい。


「あんたマジで何なんだよ?」


 正体不明にも程がある。


「分かりました。わたくしが何者かお教えしましょう」


 ですが、と区切り、


「お教えするのは主様だけにです」



「ここではお教えする事が出来ない」


 との事でリュウガとウェンはとある山奥に来ている。


「何でこんな山奥なんだ? 内緒話をするにしても他に場所があるだろ?」


 その通りである。わざわざ人が寄り付かないような山奥でする必要があるとは思えない。


「広い方が都合が良いのです」


 ふむ、と考える。


(得物はないが攻撃範囲がデカいタイプか?)


 戦う可能性もあるためウェンの戦闘方法を考えるがあまりにも情報が足りない。


(この気配からして俺達と同じ()()もしくは()()()にいるよな)


 最強として君臨し続けろと言われたリュウガであるがウェンはそんなリュウガですら勝てない可能性がある。それだけの強さを持っているのは確実だ。


「ここでいいでしょう」


 そう言って着いた場所は木もなく雑草すら生えてない場所だ。


「で? 結局お前は何だ? 人間か?」


 確信はないが予感がするウェンは人間ではないと。


「流石です、主様」


 そう言うとウェンは白く輝き出す。あまりの眩しさにリュウガは眼をつむる。眼の良さが仇になったカタチだ。


(ヤベェ、当たっちまった)


 正直当たって欲しくはなかった。妖精は魔力で好きな姿になれるのを以前見ている。おそらくウェンは妖精だから家名がないと思っていたが正直な所妖精と関わるのはエリクサーの1件以来勘弁して欲しいのがリュウガの妖精に対しての反応だったのだが、


「これがわたくしの姿です」


 眼を開けるとそこにいたのは、()だった。アジアに伝わるような姿の西洋に伝わるものとは違う姿の美しい白銀の龍。それがウェンの正体だった。


(妖精でなかったのは良かったがこれはこれで問題が増えただけなんじゃねえか?)


 予想が外れて安心するべきなのか迷う、ウェンの正体に世界最強の男は流石に途方に暮れてしまった様子。そんなリュウガを主様と呼ぶ龍のウェンはその様子を見て嬉しそうにクスクスと笑うのであった。






 


 


 

       ウェン   ???歳

 美しい白銀の髪をした色白のチャイナ風ドレスを着た。色白スレンダー美女。その正体は、、


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