最終話 神のいるギルド
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戦争が終わり10年が経過した。地上にいる者たちvs神の戦争。神による地上の殲滅を目的とした戦争は激しいものであり地上に存在する58国の内57国が滅んだ。そして残ったのはリュウガのいるガルド王国であった。そこにいた人類最強のリュウガによって最高神、ゼーリオは討伐されるのであった。そこで戦争が終わったかに思われたが生命神、フルールドリスが現れて新たな世界を提示されたがそれを否定したリュウガ及び龍たちそして別世界の神である龍神、練龍鬼によってフルールドリスも討伐される。そしてフルールドリスの力を吸収した龍姫、ウェンが世界中の神に殺された人々を蘇生した。もちろん遺体が残っているものだけではあるのだが。これにより数万人になっていた人類の数は50億人にまで回復した。それでも元々100億人いたので半分も減っているが贅沢は言えない。人口が増えたので滅んだ国もいくつか回復したが58国あったのが29国までになった。そんな地上の全ての国において戦争が起こった1月1日は神々との決別した日として記録されている。そんな戦争のMVPであるリュウガはというと、
「面倒くせぇな。受付嬢増やそうぜ」
「このままでも充分だよ。それにリュウってば依頼に行かないんだもん」
「しゃあねぇだろ。もう俺が戦うような相手が存在しねぇんだからよ」
書類仕事に追われていた。ガルド王国は復興を3年で終わらせた。これは最も被害が少なく済んだおかけだ。他国はもっと時間をかけて復興をしているし何だったら10年経っても復興中の国があるくらいだ。そうして復興を早くに終わらせたガルド王国にて運命の宿木は冒険者ギルドのNo. 1に輝いた。とはいっても冒険者ギルドは運命の宿木と薔薇の花園しか残っていなさったのだが。
「当初の目標は達成したな」
「そうだね。だけどここからが忙しいよ! 何せNo. 1だからね。どんどん新しい人が入ってくるし復興が終わってまた新しい冒険者ギルドも出てくるからNo. 1を維持しないとね!」
「分かってるよ」
マイの言うようにNo. 1となった運命の宿木にはたくさんの冒険者が国内外を問わずに実力者だけでなく新人も入った。復興が終わって始動した冒険者ギルドも出てきたが現状のライバルギルドは薔薇の花園である。
「そういえば薔薇の花園はレオナさんがギルドマスターになったんだって」
「ふ〜ん」
「ふ〜んってもっと気にしてよ! ライバルギルドなんだから!」
「いや、だってあいつの事だからハーレムギルドになって落ちぶれるだろ」
「そ、そんな事ないんじゃない」
「汗ダラダラで言っても説得力ねぇよ」
レオナは神と戦争での功績の報酬で国の法律を弄る権利を貰い同性婚とハーレムを合法化したのだ。そうして結婚した女性は既に20を超えている。そんなレオナにルイは、
「レ、レオナさんがそんな人だったなんて」
憧れの冒険者のまさかの真実を知り絶望していた。そんなルイは、
「そういや王族主催のパーティに行ったんだろ? ルイとソウは元気だったか?」
「ソウは元気だったよ。ルイはね〜妊娠してた」
「へ〜・・・・はぁ!! 妊娠!?」
「そうなんだよ。だからルイには会ってないな〜」
「はぁ〜ヤル事ヤッてんだな。あいつら」
運命の宿木の初期から活動していたソウとルイは結婚した。ソウからの告白を以外にもルイは承諾した。神の器だったためにリュウガと戦闘になりそこから解放されるために死を与える力を使われた。その際に中の神と一緒に寿命もある程度殺してしまった可能性があるにも関わらずに自分の事を好きでいてくれる存在が嬉しいんだろうなとリュウガは勝手に思っている。結婚式は盛大に行われて幸せな表情をしている2人であったが、
「あ〜ん、ルイちゃ〜んが結婚するなんて〜」
ソウとルイの両親よりも号泣する女好きのレオナのせいで台無しになりそうであったのでリュウガが一撃でノックアウトして外に放り投げるといったハプニングがあったりもしたがそれ以外は幸せそうな式であった。
「おっ? レイから手紙が来てるな」
「えっ!? どれどれ? 読んで読んで」
「わ〜ったよ
運命の宿木の皆へ
旅は様々な国の文化を知る良い機会のはずでしたが基本は復興作業の手伝いですね。予定であった強者との戦闘はありませんが楽しくやっております
レイより」
だそうだ」
「良かった。元気なんだね」
レイは神との戦争において貢献したのでガルダ王国で充分な報酬を貰い旅に出た。目的は戦争を経験して強くなった自分を試すためだったのだがそれは叶わなかったようだがそれでも楽しんでいるようだ。
「リュウガが毎日相手してあげたらレイも旅に出る必要なかったのに」
「もう俺は次元が違うからな。戦いになんねぇからな。しょうがねぇ」
レイは人間ではトップクラスの実力者だがリュウガは世界最強なのだ。人間、モンスター、龍、神を含めても全ての最強に。そんなリュウガはレイに旅に出るように進めたのだ。
「まぁ、旅に出しておいてなんだがあいつの相手になるのなんてうちの国にいる連中くらいだろうけどな」
「意地悪だな〜」
「うっせぇな。ほれ、アズサからも手紙がきてるぞ」
「本当に!!」
嬉しそうに手紙をリュウガから奪い取る。アズサは錬金術大国のミステリル跡地に錬金学院の人と共に向かった。新たな錬金大国を創るために。そんなアズサからの手紙の内容は簡単なもので元気にしてるだのやはり国づくりは大変だのという内容であった。
「錬金術師とはいえ一から国をつくるのは大変なんだろうね」
「そりゃあそうだろ。何でもかんでも錬金術に頼る訳にいかないんだからな。それでもガルドにオズワルドの2国からの支援があるんだ。後10年もあれば形にはなるんじゃねぇか」
「だといいね」
なんて仲間たちの近況を話していたら、
「ただいま〜」
「おかえり、ヒカリ」
「お疲れ」
ヒカリとゴウが依頼から帰って来た。ヒカリは冒険者になった。そして既にSランクとして活躍していて現役最強の呼び声高いギルドのエースだ。ルイから槍術をレイから剣術を学び元々の暗殺術も合わさりドラゴンすらソロ討伐出来るほどだ。
「ねぇ!! これでドラゴン10体討伐したからパパの剣術教えてよ!!」
「駄目駄目。練式剣術は俺で終わりって昔決めたんだよ。それにもうお前の戦闘スタイルが出来上がってるんだ。弱体化する未来が視えるから駄目」
「ケチ〜」
Sランクの難しい依頼をこらす度にこのやりとりをリュウガとヒカリはしている。ヒカリは最強として練式剣術をモノにしたいがリュウガは自分の代で完結したいそうだ。そんなリュウガは、
「これで書類は終わりだな」
生前葬の準備をしていた。
「本当にやるの?」
「死んでからじゃ俺は参加出来ねぇからな」
なんてケラケラ笑うリュウガに、
「だって死なない可能性があるでしょ」
「絶対死ぬよ。もう限界なのがわかる」
リュウガの死の気配は何年々強くなりそれを抑えるために寿命を縮めている。それも限界で後1年保つかどうかとリュウガは判断して生前葬の準備をしている。リュウガが生前葬をやると言った時はマイは冗談かと思ったが真面目なリュウガの顔にボロボロ泣いたのが1ヶ月前だ。そうして全ての準備を終えて生前葬が始まった。出席者は運命の宿木関係者と元グランドマスターのダン、武器屋剣山の店主、クルルガ家当主と前当主である。
「あ〜、俺の生前葬に参加してくれて感謝だ。ぶっちゃっけ人を殺して、モンスターを殺して、神をも殺した俺がこんなにも大勢と共に生前葬を行えるとは思ってなかった。ありがとう」
今までの笑顔で1番素敵なものであり何人かの女性は頬を赤らめるが古くからの付き合いであるギルドの初期メンバーやダンは見た事のないリュウガの満面の笑みに驚きを見せると同時に本当にこの男は死ぬのだと感じ涙を流した。
「それじゃあ、乾杯! いや、献杯か? まぁ、飲め飲め!!」
こうしてリュウガ・レンの生前葬は無事に終わりその3日後にリュウガの死亡が確認された。ギルドの自室のベッドにて苦しんだ様子もなく眠っているようであった。生前葬をしていたので葬式はなく火葬して埋葬した。国としては世界を救った英雄の墓はデカくしたかったが本人が普通のものを希望した。理由は、
「そんなもんに金使うくらいなら新ミステリルの建国費に使え」
だそうだ。そんな訳で一般の人と同じような墓に眠る墓の前にてマイは、
「ありがとうね。私みたいな魔法だけが取り柄の女とギルドをNo. 1にしてくれて」
献花してギルドに帰る。
「お前だから手を貸したんだよ」
声が聞こえて、バッ! と振り返るマイであったが誰もいない。
「気のせいにしてははっきり聞こえたな(死ぬ前に言いなよ。バカ)」
今度こそギルドに帰るマイを自分の墓の上に座るリュウガは見送る。
「さて、あいつらに挨拶に行くか」
そうして挨拶に行った相手は、
「思ったよりも早かったね」
「久しぶりだな、スイ。ウェンは?」
「ウェン姉は後ろにいるよ」
「はい、ここにいますよ」
「うおっ!」
背後に現れたウェンに驚く。
「簡単に背後を取られるとはらしくありませんね。サボっていたツケですよ」
「知ってたのか」
「もちろん。今のわたくしはこの世界の最高神ですからね。地上の全てを把握しています」
「大丈夫なの? そんなんでカン兄の遊び相手になるの?」
「まぁ、何とかなんだろ」
「ふふっ。龍帝はまた強くなりましたよ」
「そりゃ楽しみだ、またな」
「えぇ、また今度」
そう言ってリュウガは今度は冥府へと向かう。
「到着・・っとお!?」
冥府に到着するなり黒い雷がリュウガを襲う。こんな事をするのは当然、
「久しぶりの挨拶が物騒過ぎるだろ」
「オレ様たちの挨拶ならこれで充分だろ? 始めんぞ」
「上等だ」
一瞬で2人は互いに距離を詰める。そこでリュウガは龍帝が光速の世界にたどり着いたのに気づく。
「光速の世界にようこそ」
「冥府の管理者なんて退屈だからな。お前たちの世界にオレ様もお邪魔させて貰ったぜ」
互いの速度に差がないために互いに決めてに欠けている。そんな2人が構えを取る。
『死双閃』
『豪雷ニ閃』
必殺にして絶殺の技を放つ。結果は、
「よっっっっわ!!」
刀が粉々に砕けて自身もボロボロになっているリュウガがいた。
「やっぱり刀が保たなかったか」
「準備しておけよ。こんなんで満足出来ねぇよ」
「俺の力に耐えられる刀が存在する訳ないだろうが」
リュウガの愛刀はフルールドリスとの決戦時に折れてしまっている。そんな訳で今リュウガが使った刀は普通の刀だ。それでもガルダ王国で1番高い刀なのだが。
「とっと帰って次やる時までに刀を用意しておけ」
「簡単に言ってるが刀なんて作った事ねぇから時間かかるぞ」
「構わねぇ。オレ様たちはもう龍神になったんだ。時間なんて幾らでもある。そのための娯楽として戦いがオレ様たちにはあるんだ。だから最高の一振りを用意しろよ。舐めた刀を用意したらテメェ事斬り殺すからな」
「わかったよ・・・・刀がクソだから負けただけだからな!!」
「とっと行けよ!!」
怒鳴られて天界へと向かう。
「つー訳で刀を用意する」
「ボロ負けでしたね」
「雷のくせに何光速で動いてんだよ。あのバケモノ」
「それだけ貴方との戦いを楽しみにしてたんですよ」
「はぁ〜情けねぇ。しっかり準備してたあいつに何も楽しみを与えてねぇ」
「だったら刀作り頑張らないとね」
「それは分かってるが何から始めるか。ど素人だぞ? 俺は」
「問題ないですよ。折れた刀を打ち直して貰ったでしょう?」
「俺をずっと支えてくれた愛刀だし初代からここまで受け継がれた刀を折れたままにするのはしのびないからな」
フルールドリスとの戦闘により折れた刀をリュウガは打ち直して貰った。しかし、もう神具としての効力はなくリュウガのチカラに耐えれる刀ではない。それでも手入れは怠らずにしていた。
「そんな刀をマイは御神刀としてギルドに祀っています。そこに貴方が付喪神のように入りこめばいつかは立派な神の刀になりますよ」
「それ何年かかるんだよ」
「龍帝も言ったでしょう。わたくしたちにとっては時間なんて些細な事です」
「死んだばっかなのにもう地上に戻るのかよ」
「あれ? それって大丈夫なの? 死の気配や神の気配で地上が駄目にならない?」
「問題ないですよ。あくまで肉体は神界に置いて魂だけが刀に宿りますからね」
「そうなんだ」
「それでは準備はいいですか?」
「いつでもいいぞ」
「それでは失礼します」
ウェンはリュウガの胸に手を当たると白い何かを引っ張り出した。それがリュウガの魂だ。
「行ってらっしゃい」
「行ってくる」
魂のみとなったリュウガは地上へと降りて運命の宿木の入り口に祀られる刀の中へと入る。
「住み心地は思ったより悪くないな」
住み心地の良さに安心していると、
「おっ? 新メンバーか?」
新メンバーになるために入り口にて緊張した面持ちの少年に聞こえはしないだろうがリュウガは、
「ようこそ。神のいるギルド運命の宿木へ」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜完結〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
初作品がとうとう完結!! ここまで読んでくれた読者の皆様本当にありがとう!! 次回作をお楽しみに!!
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