表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

110/117

102話 龍神との会合

 首を両断されたリュウガは気づくと白い空間にいた。そこにいたのは

 真っ白な空間にて1人しかいないと思っていたリュウガであったが、


「良く来たな」


 老人に話しかけられた。神の気配を纏っているので神だろう。しかも、


(かなり強いな。ギールスクラスだな)


 襲われてもいいように刀に手をかける。


「安心しろ。こちらに攻撃の意思はない」

「神に首を両断されたばっかで神の言葉を信用出来ると思うか?」


 ちゃんと自分がゼーリオによって首を両断された事は自覚出来ているようであった。そんなリュウガに、


「まぁ、神に()()()()直後に神の言葉なんて信用出来る訳ねぇわな」


 知っている声が会話に混ざって来た。


「2代目」

「久しぶりだな」


 練家歴代最強にして練家初の龍神となった2代目当主の練龍鬼もこの空間にいた。


「それでこっちの神は誰なんだよ?」

「1番最初の龍神だ」

「ふ〜ん」

「ふ〜んって興味なさげだな」

「俺としてはやっぱり歴代の当主たちの方が会いたかったよ」

「まぁ、気持ちは分かる」


 なんて会話をする2人に対して龍神は、


「血縁だけあってどちらも失礼な奴だ」


 呆れる龍神。そんな龍神と龍鬼に、


「で? 結局ここはどこだ? 俺の精神世界か?」

「違う。ここはお主が元々いた世界の神界の龍神の住まうエリアだ」

「更にいえばお前を呼ぶに当たって用意した特別スペースだな」


 リュウガの質問に対しての龍神の答えに龍鬼が説明を付け足す。


「ここが神の世界か(確かに神の気配をあちこちから感じ取れるな)」


 意識を集中させて周囲の気配を探ると戦争の時よりも多い神の気配を感じる事が出来る。


「それで何で呼んだんだ?」

「神になるか、このまま死ぬのかを選ばせるためだ」

「あ〜やっぱり死んだのか、俺」

「死んだぞ。瞬殺だった」

「クソが」

「気持ちは分かるがあれはどうにもならねぇ。生きてた頃の俺でも無理だ。今だったら問題なく戦えるがな」


 龍鬼の生前は人間では到達出来るはずのない領域に踏み込んだまさに最強と呼んでも差し支えない戦闘力であったのだがそんな龍鬼でもゼーリオは厳しいようだ。それでも、


(神になったら光速戦闘に対応出来るんだな)


 なんて考えていたら、


「それでどうなりたい。神になるか? 死体になるか」

「龍神聞き方が違う」

「それ以外の聞き方があるのか?」

「あるよ。17代目、お前はゼーリオに勝ちたいか? 殺したいか?」

(いや、神になるかどうかを聞いて欲しいんだが)


 物騒な聞き方をする龍鬼。それに対して龍神は心の中で突っ込む。そんな龍神の心情など知らないリュウガは龍鬼に、


「殺す一択だろ」

「だよな」


 リュウガの答えに満足そうに笑う龍鬼。


「それじゃあ行ってこい!」


 背中をバシッと叩かれたリュウガは自分の中の死の気配が濃くなったのを感じた。


「上手くいったな。これでお前も龍神だ」

「帰りは?」

「そこにある。扉から出れば良い」


 帰りの扉を指差す龍神。帰りの確認をとってからリュウガは2人に頭を下げて、


「ありがとうございます」


 そう言って扉を開けて異世界へと戻るリュウガ。そんなリュウガを見届けて、


「さよならは言わないのか?」

「言わなくていいだろ? 俺が神の座から消えることなんて。あいつの戦いには関係のない事だ」


 龍鬼は謹慎処分を喰らっている。そんな状況で地上の人間、それも異世界の人間に関わり神へと昇格させたとなれば、


「来たな」


 力はともかく神の気配は龍鬼よりも濃い神々が自分の所に向かって来るのを感じる。


「タケの奴がいるな。それに天照様もいるな。その他大物が勢揃いだな(まぁ、俺を処分するならタケが来るのは当然だな)」


 龍鬼の喧嘩仲間であるタケミカヅチが来るのは当然だ。力だけの神の序列ならタケミカヅチと龍鬼の2強だから龍鬼の処分を担当する神としては妥当といえば妥当だろう。


「龍神よ。世話になったな。親父や10代目の事はよろしくな。ここにいたら巻き込まれるからとっと帰んな」

「そうさせてもらおう」


 神界の最強同士が殺し合うともなればそれは下手をすれば神界が滅ぶ可能性があるため関係のない龍神に帰るように促す。その言葉を受け入れて龍神はリュウガを呼ぶにあたって作り出した特別スペースから出て行くのであった。そんな龍神と入れ替わるように特別スペースに来たのは、


「よぉ、殺しに来たぜ」

「久しぶりだな。タケ」


 タケミカヅチが1人で入って来た。


「いいのか? 他の連中を連れて来なくても」

「どうせ殺し合いになったら足手纏いだからいらねぇ。つーか殺し合いになんないだろ」

「何でそう思う? せっかくなら最強の神を決めようと俺が思ってるかもしれないだろ?」

「いやないな。処分は覚悟の上で今回動いたお前がここまで過ごして来た神界が滅ぶような事はしないだろ? 親父や子孫もいる訳だし」

「まぁな」


 龍神を避難させはしたが龍鬼に殺し合いをする気持ちは一切ない。自分が謹慎を破ったのだから処分されるのは当然の事だから受け入れるつもりであった。


「まぁ、処分は()()しないけどな」

「へ〜お優しいこって」

「17代目の戦いを見守りたいだろ? 処分はその後だ」

「外にいる神はそれを承諾したのか?」

「してねぇよ。だが俺たちに文句を言う度胸はねぇ」

「そりゃそうだ」

「さて俺にも見せて貰おうかお前の期待する17代目の力をな」

「楽しみに見てな。歴代最強の龍神の力を!!(さぁ、17代目!! 最強を見せてくれ!!)」


 話は纏まり龍鬼とタケミカヅチは異世界の運命を決める戦いを見るのであった。


 

首を両断されたリュウガは龍鬼の手によりどこまで強化されるのか!?

ブックマークと下記の評価して貰えると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ