100話 最高神・ゼーリオ
最強の神の実力とは??
ガルダ王国から遠く離れた土地の上空にて龍帝、カンムルは最高神、ゼーリオと対峙しているのだが、
(やべぇな。初めて会った時よりも強いなんてもんじゃねぇ。ギールスよりも強い。器のおかげもあるのか?)
覇龍、リュウガ、風翔龍、ギールス等の世界最高峰の実力者たちを相手にしても冷や汗をかいたりした事はなかったのだが今対峙しているゼーリオ相手に初めて冷や汗をかいている。
(ギールス相手にも死を予感していたが今回はそれの比じゃねぇな)
ゼーリオ相手にどのように戦うかを考えている龍帝であるのだがそんな龍帝に、
「考えた所で無駄だ。確かにお前は強いが俺ほどではない。大人しく死ぬがいい」
「あっそ!!」
雷撃を問答無用で浴びせるのだが、
「むふ。雷神よりも強力な一撃であった。しかし、今の俺には効かないな」
今の龍帝の一撃は上級の神であっても即死するほどの威力を持っているのだがゼーリオには傷一つ負わせる事が出来なかった。
(少しは効いて欲しかったが効かないなら効かないで対処方法はある)
少しくらいはダメージを与えたいところであったが無傷でいるゼーリオに動揺はせずにすぐに攻撃方法を切り替える。
「これならどうだ!!」
もう一度雷撃を放つ。明らかに最初の一撃と違うのを察知して回避するゼーリオ。雷は雷速であるがゼーリオは光速で動けるの回避は余裕であった。
「空間ごと敵を雷で焼いているのか。確かにこれなら俺にも攻撃を通す事が出来るが当たらなければ意味はないな」
そう言った瞬間ゼーリオの姿は消える。これに対して回避したい龍帝であったが、
「クッソ、、がぁ!!」
雷神龍モードの龍帝は雷そのものとなっているので普通は攻撃が効かない。対抗策は圧倒的魔力量と質を持った魔法による攻撃やリュウガとギールスのように死を直接与えるような特殊攻撃しかない。ゼーリオは前者に加えて聖剣に雷となった龍帝を吸収した事により攻撃した。
(雷速じゃ足りねぇ!! 光速で動くこいつにとってオレ様の最強の武器である速度がゴミになっちまう)
光速という雷をも超える速さは龍帝ですら対応出来ない。
「ほらほら足掻いてみせろ」
余裕たっぷりのゼーリオによる攻撃を喰らって龍帝は上空から地面へと叩き落とされてしまう。
「ちくしょうが!(聖剣による魔力吸収でオレ様の魔力量が減っちまう!)」
現状は最悪だ。ゼーリオの速度にはついていけない。ゼーリオの攻撃により魔力を吸収されてしまい弱体化してしまう。このままでは龍帝は何も出来ずに死ぬ。
(オレ様だけじゃ無理だな)
龍帝の脳裏に浮かぶは自分を負かした相手であるリュウガであった。リュウガも雷速までしか出せない。それでもゼーリオであっても無防備になる攻撃をした瞬間を襲うのなら最低限の速度は雷速なのだ。
(オレ様かリュウガのどちらかを攻撃した瞬間に最大火力を叩き込む!!)
ゼーリオを殺すならそれしかない。ここでスイを頭数に入れていないのは速度が足りないからだ。スイが龍神になる可能性まで成長したのには気づいている。それでもまだ足りない。速度は音速を出せるまでに成長したが全然足りない。雷速ですら及ばない領域だからだ。
(匂いからそろそろリュウガたちが来るのは分かる。しかし、それまでにオレ様が死なない前提だな)
気合いを入れ直す龍帝であったが、
「とっと終わらすぞ」
ゼーリオが消えて見えなくなる前。言葉を発している途中に回避行動に移していたのが幸いした。もし回避行動が遅れていたら、
「良かったな。危うく心の臓を抉られるところだったぞ」
そう言っているゼーリオの左手には龍帝の脇腹の肉があった。
「ゲフッ(不味いな。この調子だと他の連中が来る前に死ぬ)」
脇腹と一緒にいくつかの臓器が持っていかれてしまった。
「手足ならば再生するのは知っているが臓器はどうだ?」
龍帝はゼーリオの質問には答えない。答えられないというのが正しい。あまりにも傷が大きすぎるのだ。
(臓器は再生出来る。だが魔力消費がデカ過ぎる上に時間もかかる。こいつを相手にしている状態で臓器を再生するのは不可能。だからといって臓器を潰されている状態でこいつと戦うのは自殺行為以外の何ものでもねぇ)
一応臓器を再生し始めるのだが、
「どうやら再生出来るようだな」
光速で距離を詰めて聖剣によって龍帝の腹を貫くゼーリオ。
『裁きの』
聖剣を突き刺した状態で技を放とうとするゼーリオであったが聖剣を龍帝から引き抜きその場から離れる。
「グッ、、そが」
ボタボタと血が腹から大量に流れ口からも溢れ出る。そんな龍帝の隣にはウェンとスイがいた。ウェンはすぐに龍帝に回復魔法をかける。
(カンムルがここまで弱っているのは子供の頃でも見たことがありませんね)
ウェンは子供の頃から龍帝の強さを見てるだけに驚愕する。リュウガに負けた時ですらここまでボロボロではなかったからだ。
「思ったよりも速かったな。だが丁度いい。お前らを殺したら後は消化試合だからな」
ゼーリオの攻撃を邪魔したのはリュウガであった。これで地上の最高戦力が揃った。そして、
「所詮は人間離れしたただの人間だったな」
光速の速度についていけずに首を両断されて地面に倒れ伏すリュウガがいるのみであった。
主人公の首を飛ばしてみました。そして、次回はあいつが、、、、
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