表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/39

婚約破棄おめでとう

「あぁ、キャロル嬢、ごきげんよう。こんなところでサリー嬢たちとどのようなお話を?」


「実は…サリー様がご婚約を破棄されたと聞きまして、心配しておりましたとお声をかけておりましたの。

先日のパーティーにてご婚約の破棄を突きつけられてしまったと聞きまして、不憫に思っていたところですわ」


なんとまぁ、人の不名誉なことならば、他の人にまで広めないで頂きたい。


「あぁ、そのことなら私も聞いたよ。

サリー嬢、婚約破棄おめでとう。」


「………は?」

キャロル様のつぶやきなど無視だ、無視!


「デイヴィッド様、お祝いのお言葉をありがとうございます。しかし世間一般では私は傷物でありますわ。おめでとうだなんてお言葉を頂いていいものか…」


そう、私とデイヴィッド様は結構仲がいい。

そして、隣でニマニマとずっと笑っているアイシャも。


元々公爵家同士ということでアイシャと交流があったデイヴィッド様。

放課後私たちが図書室で勉強をしていた時に、同じく図書室にいらっしゃったデイヴィッド様に織物のことで質問されてから話すようになりました。

我がナシェルカ伯爵領の主要の特産物は織物。そのため、私は小さいころからそれらに触れてきました。

そして同世代の人よりは特産物に関しての知識は高い。ただそれだけなのに、質問されたことにスラスラと答えたことでデイヴィッド様からさらに質問され、また翌日も質問される羽目になった。

そして、アイシャと気兼ねなく話し、呼び名もアイシャだったことから自分もそのようにするようにと言われてしまって。

さんざん固辞してきましたが、デイヴィッド様のほうが頑なで、今では人前でないときに限りデイブと呼ぶことにしています。


そのデイブにも婚約者の話しは今までもしていました。

だからこその「おめでとう」なのです。


「あんな婚約者なら婚約などしないほうがいいだろう。それにあちらから婚約破棄してくれるなんて慰謝料も取れていいことばかりじゃないか」


そう、その通り!


でもその一言を聞いたキャロル様は驚愕の表情をされています。

それにデイブにこう言われてしまえば周りの生徒も今後私のことを悪く言うことはできなくなります。


きっとそれを見越しての行動。

婚約者には恵まれなかった私ですが、友人には恵まれています。


「さぁ、お祝いもかねてお昼ご飯をごちそうさせてくれ。それではキャロル嬢失礼するよ」


そう言って、颯爽と私たちをキャロル様から引き離してくれました。


できる男はスマートですね…



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ