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誰の猫?


私がなんと返していいのか困ったような顔をしていたのでしょうか。


「え?フレッドはサリーちゃんの前ではどんな様子なの? 」


そう聞かれるので、私は思っているフレッド様の様子をお話いたします。


「フレッド様はいつも理性的で、領地経営を頑張ってくださっています。」


「あぁ………フレッドったらまだ猫かぶってるのね… 」

猫?誰の猫??

どういうことかお義母様に尋ねようとした時ドアがこんこんとノックされました。


「失礼します。母上そろそろサリーを返してもらってもいいですか」


フレッド様がお迎えに来てくださったようです。私としてはお義母様に先程の言葉の意味を少しお伺いしたかったのですが


「フレッド、あなたも少しそこにかけなさい」


「いや、私は「いいからお座りなさい」」


なにか見えない攻防が行われているようで、フレッド様が渋々と私の隣の椅子に腰掛けられます。


「今ね、サリーさんとあなたのお話をしていたところだったのよ。

婚約を申し込む前から急にナシェルカ領の財力について調べ始め、パーティーの前には自分でエスコートする女性は連れてくると言い出し、パーティーの後にはなぜか落ち込んでいたところをどうしたのかと聞くとエスコートもなしに帰してしまったと落ち込んでいたと。そしてその日の夜にはナシェルカ領は伯爵位でいるべきではないと言い、そのために自分が婚約を「わぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!母上、やめてください!」あらどうして?事実を伝えようとしただけなのに」


お義母様はにこにこと笑顔でそのようにお話されていますが、とても焦っているように見えるフレッド様のお顔は真っ赤です。

このように焦っているお顔も、赤いお顔も初めて見ました。


私はただただ、そのお二人の様子に目を瞬かせていました。


するとフレッド様がそろりと私の方を向きます。


「サリー、、その……出来ればこの話は2人の時にしたいのだけれど…」


「え?あ、そうなのですね。畏まりました」


私の選択肢としてはこの言葉以外になにがあったのでしょう。

それでもにこにこ笑顔のお義母様に向かってフレッド様が退席の許可を取ります。


「そういうことなので、母上…今日は失礼してもよろしいでしょうか…」


「あら?せっかく楽しいところだったのに残念ね。まぁ今日は許して上げましょう。サリーさん、今日話したことの意味が、もしもわからないことがあるようなら私とまた2人でお茶をしましょうね。いえ、アナベルとライラも呼んで皆でお話することにしましょうね。わからないままだと私は嬉しいわ」


「母上!!それでは失礼いたします。行こう、サリー」


「え?あの…それではお義母様、本日はありがとうございました。失礼いたします。」


私は意味がわからないまま強制退場させられてしまいました。

そして、馬車に乗り込みますが、フレッド様は少し不貞腐れたようなお顔のまま黙っていらっしゃいます…


そんなに聞いてはいけないことだったのでしょうか。それともお義母様が話した内容はお母様が思っただけであって、事実ではないことだから怒っているとか。あ、きっとそうですね。話しの流れ上きっと私に怒っているわけではないと思いますので、とりあえず黙っています。


あ、そうそう。お義母様の言っていたアナベル様はクルーディス公爵夫人でアイシャのお母様、ライラ様はベルジャン公爵夫人でデイヴのお母様です。



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