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76.第2回ラジオ


「ん...ん~...」


本日は8月21日、金曜日。

喧しく鳴るアラームをとめてぐーっと背を伸ばす。寝ぼけ眼を擦りながらカーテンを開けると今日も今日とていつもと変わらない快晴が広がっている。





・・・気が付いたら夏休みあと3日ってマジ?






まぁ確かに総司の家に遊びに行ったり、桜花と走りに行ったり、悠と夏祭りに行ったりしたけどさ。正直言ってそれよりもこの部屋に引きこもっていた時間が長すぎて「もう1か月たったの?」っていう浦島太郎状態になんだよね。




そもそも夏休みって高温多湿による熱中症を回避するためにその期間を休みにしてるわけじゃん。今日の気温、スマホで確認したら32度越えなんだけど。


であればさ、僕は一週間の平均気温が25度を下回るまでは夏休みを延長した方がいいと思うんだ。そうすればみんなけだるい二学期じゃなくて気分よくスタートできるはずだよ。





・・・まぁそんなこと言ってもしょうがないんだけど。










実は今日は先日連絡が来ていたアルファさんのチャンネルで第二回せらおーみラジオがある。前回から大体1か月弱ほど空いていてもうそろそろやらなきゃなーとは思っていたが、その前は2か月くらい空いていたからこれでも早い方なのか。



よし、とりあえず告知だけして夜に備えるか。











○瀬良リツ

@Rituse_mob


本日21時、近江アルファチャンネルで第2回せらおーみラジオあります。


今回は『夏に関する怖い話(実体験)』についてお題を募集します。

この配信を聞くだけで体感5度は下がります。


↓お題はこちらのフォームから

https://docs.gogo.com/forms/seraohmi


2020/8/21

61件のコメント 6182件の高評価












#せらおーみ

【不定期】せらおーみラジオ#2【瀬良リツ/近江アルファ】

9,217人が視聴中

 ↑5971 ↓11 □

【近江アルファ】チャンネル登録者数14.4万人


〇【待機!】

〇【待機】

〇【今回はアルファのチャンネルか】

〇【たいきー】

〇【せらおーみだー!】



「さてと...さぁ始まりました!第二回せらおーみラジオ―!」


「おー」


〇【きちゃ!】

〇【きちゃー】

〇【セラリツテンション低w】

〇【うおおおお】

〇【きたー!】


アルファさん、裏で話してた時との切り替えすごいな。失礼かもしれないけどちょっと引いてしまった。


...今更か。



「じゃー自己紹介から。こんみゃー、近江アルファだよー!そして?」


「どうもこんばんは。しみじみと夏の終わりを感じている瀬良リツです」


「どうぞよろしくー!」


〇【みゃってた!】

〇【みゃってたー!!】

〇【みゃってた!】

〇【しみじみ草】

〇【そろそろ夏休み終わる...】

〇【みゃってたー】



「1か月ぶりのせらおーみラジオだけど...最後に配信上で話したのは無人島人狼だから実質3週間ちょいぶりかな?」


「配信上だとそうですね。まぁでも裏でもちょこちょこ話してたんでそんなに空いてる気はしないですけどね」


「そう!二人はマブ、ってわけ!」


「マブではないですね」


〇【草】

〇【振られてて草】

〇【悲しいなぁw】

〇【せらおーみのこの空気感好き】

〇【高速カウンター草】

〇【マブはユウちゃんやからな】


僕自身もともと毒舌気質っていうのもあるけど、表でのアルファさんは存分に殴ってくれと言っているように思えて仕方ない。



「あ、そういえば最近瀬良ちゃんとこで新人さんデビューしたんでしょ?」


「新人っていうかリア友ですね」


「へぇ、そうなんだ。俺まだ見た目くらいしか見れてないんだけどどういう子なの?」


「一言でいえば...女神ですね」


「あの瀬良ちゃんにそこまで言わすってことは相当性格いいんだね」


「僕のことなんだと思ってます?」


〇【草】

〇【アルファに対しては超毒舌だもんなw】

〇【冷血サイボーグ】

〇【ユウちゃんかわいい】

〇【女神w】

〇【限界オタク】





「さてさて、と言ったところで今日のコーナーを読んでいこうかなー!」


「今日のお題は『夏に関する怖い実体験』です。皆さんからいただいたお便りの中から選りすぐりの恐怖エピソードをご紹介します」


〇【怪談だ】

〇【ヒィ】

〇【実体験...】

〇【夏らしいコーナーだ】

〇【BGMが不穏w】



「僕は正直ないんですけど、アルファさんはなんか怖い実体験ってあります?」


「いやぁ、実はね...1個だけ怖い話があるんだよ。震えあがるくらい怖いけど、聞く?」


「いや、やめときます」


「ここで聞かないっていう選択肢あるんだ...」


〇【聞かないw】

〇【きかんのかい】

〇【自由やなぁw】

〇【草】

〇【振るだけ振っておいてw】


アルファさんのエピソードはこの配信の最後に話してもらうことにしよう。



「それではまず一人目読んでいくよ!」


「どうぞ」




ラジオネーム:やっぱりキノコ派


『祖母の家』


今から20年ほど前、私がまだ子供の時の話です。


私の家は毎年お盆の時期になると田舎にある祖母の家に親戚一同が集まります。


築40年と年季は入っていますが、生前の祖父が地主だったせいか立派なお屋敷と言っていいほどには庭も含めて広い家でした。


本当は顔を出して挨拶をしたら帰る予定だったのですが、その日に限って高速道路が渋滞で結局その家に泊まることになりました。


大人たちがお酒を吞みながら話をしている傍らで、うつらうつらとし始めた私は客間に布団を敷いて寝ることにしました。


部屋の明かりを消してぼーっとしているとなにやら部屋の外から「ひた、ひた...」と素足で歩く足音が聞こえてきたのです。


しばらくしてその足音は私が寝ている部屋の前で止まり、ギィー...という音をたてて扉が開かれました。


私は誰か大人が様子を見に来たのだろうと布団を頭まで被り様子を伺うことにしました。


その人は特に何をするでもなく部屋に入ると明かりをつけるでもなく少し中を歩くとそのまま出て行ってしまいました。




私はその様子を不気味に思いしばらくしてから電気をつけてみると......部屋中に濡れた足跡がしっかりとついていたのです。


それから数年たって聞いたのですが、少し前に近くの川で当時の私と同じくらいの女の子が溺れて亡くなってしまっていたそうです。


もしかしたら誰にも見つけられないさびしさのまま、彼女はあの場所を彷徨っていたのかもしれません。




「お、おぉ...」


「これは...怖いですね」


〇【こわ...】

〇【実体験?】

〇【ヒェ...】

〇【怖い怖い】

〇【一発目からやば】



「子供の時にこんなんあったらトラウマだよ...」


「これ、本当にあった話っていうのが怖いんですよね」


〇【水の足跡怖すぎ】

〇【実際そこで亡くなってるわけだしね】

〇【成仏して...】

〇【怖ぃ】

〇【それな】


でもどうしてその女の子はその家に入り込んできたんだろうか。人が集まっているのにつられてやってきたのか、それとも当時同年代だった投稿者につられてきたのか...。



「えーと、じゃあ二人目読むよー」


「お願いします」




ラジオネーム:生ハムプリン醤油


『誰かいる』


私は都内の大学に進学することになり、去年の春に一人暮らしを始めることになりました。


借りたアパートは割と新しめの綺麗なところで大家さんも人当たりが良く、私はこれから始まる新生活に心を躍らせていました。


大学に入ってから1か月たち、大学で新しい友人もできて順風満帆のスタートをきることが出来たと...この時までは思っていました。



講義が終わり、家に帰るとなぜかテレビが付きっぱなしになっていたのです。


確かに私は毎朝大学に行く前にテレビを見ながら朝食を食べて出かけるのでその時に消し忘れたのだろうと深くは考えることはしませんでした。


それから1週間後、その日私は午後からあった講義が突如休講になってしまい特にやることもないので家に帰ることになりました。


家について扉に鍵を差し込んだ時になぜか中に人の気配を感じたのです。


嫌な予感がした私はしばらく扉の前でどうしようかと迷ったのち、用心深く扉を開きそーっと中を覗き込んでみることにしました。


耳を澄ますと中からテレビの音が聞こえてきました。中に入ってみますが誰もいません。


しかし、妙です。実はこの日、私は寝坊をして急いでこの部屋を出たのでテレビなんかみる時間はなかったのです。


もしかしたらこの家の泥棒かなにかが入り込んでいたのかもしれません。


怖くなった私はその日大学の友人にわけを話して家に泊めてもらうことにしました。


友人からはもしかしたらその時泥棒が部屋のどこかに隠れていたのかもしれないから気を付けた方がいいと勧告されました。



そして後日私は部屋に帰ってきて何か盗まれていないかを確認することにしました。


数十分かけてめぼしいものは何も盗まれていないことを確認し、安心してふとベランダに目を向けると何かゴミが落ちているのに気が付きました。


拾ってみてみるとチョコレート菓子の小さい袋がひとつ落ちていたのです。


私は甘いものが苦手でお菓子はあまり食べません。ましてやチョコレートなんてもってのほかです。


つまり、この袋は誰かがこの部屋に入って食べたものに違いないのです。



私はその部屋を出て警察に連絡することにしました。


後日、警察の調査でわかったこととしてはお風呂場の上の点検口の中にカップ麺のからや同じお菓子の袋が散乱していたそうです。


つまり、あの時あの部屋には私の知らない誰かが勝手に住み込んでいたのです。



当然、私は新しい場所に引っ越してそれからは奇妙なことは起きていません。


もしかしたら早く帰ったあの日、私が部屋に入ってきたときにその人はベランダでじっと気配を殺していたのかもしれません。




「こっわぁ...。俺、トリ肌たっちゃったよ。瀬良ちゃんどうだった?」


「・・・」


「瀬良ちゃん?」


「僕...幽霊はまだわりと大丈夫なんですけど...ヒューマンホラーはちょっと...」


〇【わかる】

〇【怖い】

〇【よりリアルなのがね...】

〇【怖いよね】

〇【事件だもん】


怖すぎるでしょ...完全にただの事件なんだもん。



「もし犯人と鉢合わせてたら何あるかわからなかったよね」


「犯人って捕まったんですかね?」


「あ、それね。補足情報もあって、まだその犯人は捕まってないみたいだよ」


〇【ヒェ...】

〇【より怖いて】

〇【捕まれ】

〇【はやく捕まってくれ】

〇【まだどっかにいるやん】



「さぁ、怖くなってきたことろで次に行くよー!」


「...ど、どうぞ」


〇【セラリツびびってて草】

〇【セラリツw】

〇【かわいい】

〇【草】

〇【声震えてて草】







「いやぁ...いくつか読んだけど全部怖かったなぁ...。瀬良ちゃんはどうだった?」


「ぜ、全然よゆう...でしたね」


〇【余裕じゃなくて草】

〇【草】

〇【かなりビビってたやんけ】

〇【セラリツはホラー苦手】

〇【草】


正直言ってビビりすぎて今ものすごい汗をかいている。幽霊系の話もあったのだが、実際あった怖い話ということで謎の同居人やストーカーなどのヒューマンホラー系の話が多かった。


やはりこの世で最も怖いのは幽霊でも宇宙人でもなく人間なのだ。



「さて、そろそろいい時間だし終わろうかな」


「そうですね...」


気が付けば二時間もたっていた。そういえばオープニングトークでアルファさんも怖い話があると言っていたな。



「そういえば冒頭で話してた怖い話ってなんなんですか?」


「あー...実は今ちょっと案件でやってる仕事があるんだけどさ。昨日ブレーカー落ちてデータ全部吹っ飛んじゃったんだよね...」


「え...」


〇【やっば】

〇【ある意味超怖いw】

〇【草】

〇【やばすぎやろw】

〇【こわぁ...】



「ちなみに期限って?」


「うん、後4日なんだよね...」


「ぁ...」


〇【ひぇ】

〇【こんなことしてていいんか?w】

〇【うわぁ】

〇【うわあああああああああああああ】

〇【やば】


ある意味僕が今日聞いた中で一番怖い話だな...。



「さて、じゃあこの後アルファさんも仕事に集中してもらわないといけないので終わりましょう」


「そう、だね....」


〇【がんばれ】

〇【アルファ...】

〇【これからアルファの戦いが始まる】

〇【大変や】

〇【がんばれあるふぁ】



「ということで、今日のラジオも近江アルファと」


「瀬良リツがお送りしました」


「「では、みゃたー」」


〇【かわいい】

〇【ではみゃたー!】

〇【ではみゃたー】

〇【ではみゃたー!】

〇【ではみゃたー!!】

〇【かわ】

〇【ではみゃたー】

〇【ではまたー】

〇【ではみゃたー!】





◎このライブストリームは終了しました。

#せらおーみ

【不定期】せらおーみラジオ#2【瀬良リツ/近江アルファ】

85,728回視聴

 ↑8922 ↓19 □

【近江アルファ】チャンネル登録者数14.5万人



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― 新着の感想 ―
[一言] ブレーカーだけじゃなくフリーズも怖いから、めっちゃこまめに保存するようになったなぁ…… バックアップファイルの整理がめっちゃ面倒だけど。
[一言] フリーズとか怖すぎてエクセルとかやってる時は10分に1回はセーブするようになったわ CADとか予備で2個データ作るもん
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