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5.初配信で愛を語れ



【初配信】売れないイラストレーターです【瀬良リツ】

3489人が視聴中

  ↑2434 ↓10 □

【瀬良リツ】チャンネル登録者数2万人


〇【待機】

〇【瀬良先生の受肉楽しみ】

〇【瀬良先生って男なん?】

〇【それはわからん】

〇【バ美肉でもそれはそれで需要ある】

〇【売れない・・・?】

〇【瀬良先生の夢は瀬良ママになることだから】

〇【前にV描きたいっていってたな】

〇【そろそろ始まるぞ!】




「・・・あ・・・」


〇【キターーーーーー!】

〇【始まったーー!】

〇【蓋絵だけど】

〇【あ】

〇【初手「あ」助かる】



「聞こえてる?」


〇【きこえてるよ!】

〇【大丈夫】

〇【中性的な声だな】



・・・・・・

・・・・・・



僕は蓋絵を開けて、自分のV姿を配信に乗せた。


「あー、っと・・・こんにちは。イラストレーターのりつせ改め瀬良リツです。よろしくおねがいします」



〇【かわいい!】

〇【おめでとーーー!】

〇【チョーカー性癖ぶっ刺さりまくるんだが】

〇【こんにちは】

〇【瀬良先生ーー!】



「たくさんのコメントありがとうございます。結構緊張してます・・・」


言えないけど、ゲロ吐きそう・・・。


〇【大丈夫だよ】

〇【リラックスして】

〇【がんばれ】

〇【僕っ娘か?】


「それではまず軽く自己紹介から。僕はフリーイラストレーターをやってます。スイッターのほうでは毎日何かしらのイラストを投稿してるんですけど・・・。Vtuber系が多いかな」


〇【いっつも見てます!】

〇【毎日投稿とは思えないクオリティ】

〇【リリカ殿下とかめっちゃ好き】

〇【わかる。殿下のイラストだけめちゃくちゃ細かい】




あ、そこにいるのは王国民のリスナーか!



「あ!もしかしてリリカ殿下リスナーいますか?!実は僕も王国民で。殿下に出会ったの確か500人突破記念配信の時で一目ぼれしたんですけど、それからずっと推してて!何がいいってまず声がいいんですよね!それだけじゃないんだけどやっぱり殿下といったら...ハッ!!」


〇【いきなり饒舌で草】

〇【さっきまでの緊張はどうしたw】

〇【w】

〇【瀬良先生王国民なのは薄々気づいてた】

〇【オタク君落ち着きなよ】


まずいまずい。

リリカ殿下のリスナーと邂逅したことで自分の内なるオタクが発動してしまった。さっきまでガチで吐きそうなくらい緊張していたけどすべて吹っ飛んでしまった。


やはり、リリカ殿下は偉大だな。そういうことにしておこう。



「ごめん。少々取り乱しました。実は僕、自分の推しに会うために受肉したので。そこのところよろしくおねがいします」


〇【よろしくされてもw】

〇【強キャラやなぁ】

〇【厄介オタクのオーラ感じる笑】



「とりあえず、受肉したことだし質問コーナーをしていきましょう。たった今マッシュメロン募集始めたから一番最初に来たコメント読みますよ」


〇【送ってきた】

〇【お約束の質問をね】

〇【えぐいのきそう】



お、もうかなりの数が来ているようだ。

どれどれ・・・最初に来た質問は?



『瀬良先生受肉おめでとうございます。ところでパンツ何色履いてますか?』


〇【セクハラデッキだ!!】

〇【いきなりクソマロw】

〇【いや草】


「えっとねー、今は・・・黒のボクサーですね」


〇【答えるんかい!】

〇【ボクサー?!】

〇【男物やん】

〇【男の娘説出てきた】


さすがに精神が男だから女性ものは履きづらく、トランクスは流石に行き過ぎだと母親から止められたので間を取ってボクサーパンツにしている。何をもって間なのかはわからないけれど。



これ系のマロはライバーになるうえで予想済みだ。どうしてこういうマロが流行ったのかは不明だが。



「次の質問いきますよ」


『瀬良先生の声好きです!中性的な見た目に合っていてぶっささりました!ところで性別ってどちらなのでしょうか』



「あー、性別は・・・。まぁ、今のところは秘密ということで」


〇【性別は「瀬良リツ」】

〇【ここで女性って言わないあたり男の娘】

〇【中性声好き】


いつかは自分の中身というか精神が男性であることは話したいが、まぁ、それはまだまだ先のことだろう。



『リツ先生こんにちは!いつもイラスト拝見してます!ところで先生ってどういうきっかけでVになろうと思ったんですか?』



「あー、これは。さっきも言ったんですけど、単純に推しとどうやったら合法的に絡む機会があるのかなー、って考えたら受肉するのが一番いいなって思って」


〇【動機が不純なんよw】

〇【根っからの厄介オタクだな】

〇【俺もVになろうかな?】



「イラスト描き始めたのもVのママになるためですし。ママになったらV業界でも名前が広まって推しに会えるかもしれないじゃないですか?」


〇【知りたくなかった・・・w】

〇【瀬良先生の知られざる秘話しょぼくて草】

〇【Vママになるために絵師は草】

〇【実際かなってもおかしくはない】




『こんにちは、最近先生が描いていた殿下のイラストめちゃくちゃよかったです!ところで瀬良先生ってすきなVとかいます?』


「これ、語ってもいいですか?」


長くなると思うけど。


〇【いいよ】

〇【どうぞ】

〇【いーよ】



「さっきもちょっと言ったんですけど、最初に僕がVにハマったのはリリカ・ルルーシア殿下で...たしか500人の記念配信だったんですよね」


〇【バリ古参やん】

〇【クッソ初期で草】

〇【まだ有名じゃない時だよね】

〇【当時はまだ見てなかったわ】



「あの時ってまだlive2Dとかってまだ有名じゃなかったから衝撃だったんですよね。だって、主流は3Dだったし、えっアニメキャラみたいな」


〇【わかるかもしれん】

〇【四天王とかな】

〇【多分だけど殿下って2Dモデルでかなり初期のVよな】

〇【いうて2Dモデル有名になったのも最近だけどな】



「物珍しさから開いたらもうすぐに一目ぼれして。なんというか、健気なところに惹かれて王国民になったんですよ」


〇【なるほどねー】

〇【たしか王国再建の宣伝塔とかだっけ?】

〇【公爵令嬢のすることではない気もするけどw】

〇【Vならなんでもあるんだよ】



「たしかに公爵令嬢って言えば、ラノベとかだと悪役なイメージあるけど殿下は真逆な気がする。最近はちょっと受肉する準備で忙しくて見れてないんですけど。あー、殿下の話してたら見たくなってきちゃったな...。今日はここら辺でやめましょうか」



〇【まだ30分くらいしかたってないがw】

〇【知れた情報ボクサーパンツと王国民しかないやんけ!】

〇【早すぎて草】



まぁまぁ、短いけれど30分も話せれば初配信としては上等でしょう。それに僕は個人勢なので何をしようが関係ないのでね。



「それじゃ、今日は来てくれてありがとうございます。殿下の配信がないときと休日は配信しようと思うのでぜひ。それでは、また」



ここでエンディングの蓋絵と作った曲を流しておく。



〇【どこまでも殿下ファースト】

〇【では、また】

〇【お、エンディングかっこいい】

〇【では、またー】

〇【殿下といつかコラボできるといいですね】





・・・・・・・・




「ふぅ...」


パソコンに映る配信終了画面を見つつ、僕はヘッドホンを外した。

大事な初配信だが、別に有名になるつもりはないのでこんなものでいいだろう。有名になりたいなら初配信で奇抜なことをして目を引いたり、勢いをつけることが大切だが、僕の場合はV関連の仕事を呼び寄せるための広告塔なのでそこまで有名になる必要もない。



それにしても、殿下も有名になってきたよなぁ。

ファンとしてはうれしい反面、独占欲的なものが肥大化していく一方だ。古参ぶりたいわけじゃないけど...もしかしたら、これが同担拒否というやつなのか!

僕、厄介オタクの才能あるな。そのうち炎上しそう。

気をつけよ...。




殿下のアーカイブ見るためにはやく配信終わったけど、なんか眠くなってきた。慣れないことしたから、もしかしたら疲れてるのかもしれない。



「ちょっと・・・仮眠す、るか・・・」



僕はいきなり襲い掛かってきた眠気に抵抗せず、ベッドに倒れこむようにそのまま目を瞑った。




そしてそのままフェードアウトするように僕の意識は白一色に染まっていった。

この作品を読んでいただきありがとうございます!皆様からの応援が執筆の励みになりますのでよろしければ気軽に感想やご意見を送っていただけると幸いです。


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