25.誰しも一度は世界を救ったことがある(中編)
「なんとか、倒し切りましたね...。ちょっと危なかったかも」
〇【いやー、なんとかなったね!】
〇【ハラハラするわ】
〇【レベル上げせんとね】
〇【あのとき回復しといて良かった】
2つ目の国エリンバーラに入ったあと。
とりあえず宿で体力を回復し、王様に会いに行こうと王城に入るといきなりバトルが始まった。
ここが魔王直轄支配地なんて聞いてなかったんだけども。
このままだと確実に負けるので、敵とのバトル後一度フィールドに出てLv20まで上げた。
そしてもう一度挑戦して敵を倒しながら進み、中ボスである魔王軍の幹部とかいうやつを倒すことができた。
そういえば、このシリーズには魔王軍の直属の四天王というやつらがいる。
「これって魔王軍の四天王とかだったりするんですか?」
〇【いや?】
〇【たしかめちゃめちゃ雑魚】
〇【違うと思う】
〇【四天王の手下みたいな?】
まじで...。
こいつにめちゃくちゃ手こずったんだけど。四天王とか出てきたら倒せないと思う。
「まぁ、さっき聞き込みでもらったシュトロホルンに向かいましょうか。そっちは直轄領じゃないらしいので武器とかもいいの買えるんじゃないですかね、たぶん」
〇【そうね】
〇【行ってみよう!】
〇【こっち売ってるの薬草とかしかなかったからな】
〇【鉄の剣買ってから出るべきだったな】
〇【銅の剣だと物足りないね】
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道中の敵を慎重に倒しつつ、山脈を超えてマップ上を歩く。20ともなるとそこそこ戦えるようになるので弱いスライムなどはワンパンで倒せるようになった。
まぁ、まだ強いモンスターにエンカウントしたら出来るだけ逃げるようにはしているけど。
〇【お!】
〇【見つかったね】
〇【これかな】
〇【あった!】
「あーこれですね。今回は前の国と比べてかなり綺麗ですね...。隷属国ではあるようですけど」
とりあえず武器と装備を新調しないと。いつまでも銅の剣で通じるわけないし。
『いらっしゃい!ここは武具屋だよ。何か買うかい?』
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▷鉄の剣(1000G)
鋼の剣(1500G)
鉄の鎧(1200G)
鋼の鎧(1800G)
魔導書(2000G)
________________
現在の持ち金は4000G。現在の装備を売るときは元の値段の半分になるから...合計して4450Gかな。
「この魔導書ってなんですか?」
〇【魔法一つ覚えられる】
〇【ランダムで魔法一つ】
〇【魔法獲得】
〇【回復魔法とかがいいね】
なるほどガチャみたいなものか。
しかし、高いな...。これを買うと鋼の剣と鎧がセットで買えなくなってしまう。
「ん〜...これって正直あったほうがいいんですか?魔法」
〇【断然あったほうがいいよね】
〇【一応レベルが上がったらちょっとずつ覚えるけどこれで取れるのはまた別のやつだし】
〇【強い魔法あるから取ったほうがいいかも】
〇【回復あると便利よ】
正直先ほどの戦いでは肉弾戦のみだったのでかなりキツかった。MPも余っていたし、魔法が使えるなら楽になるかもしれない。
「じゃあ、鉄のセットと魔導書にしましょう!」
持っている残金が250Gになった。早くモンスターを倒して稼がないと宿に泊まれなくなってしまう。
『ここで装備していくかい?』
_______
▷はい
いいえ
_______
やはり鉄の剣と鎧は一段階違う。攻撃力も防御力も銅と皮に比べ段違いだ。格段と戦いやすくなった。
じゃあ、魔導書を開いてみるとしよう。
「ではガチャタイム行きましょう」
〇【きちゃー!】
〇【みんな大好きガチャ】
〇【ガチャの時間だーーー!】
〇【いいやつこい】
魔導書を開くと勇者の体が光りだした。
[キュオラを覚えた!]
キュオラ...聞いたことはあるけどどんな魔法だったか。とりあえず、魔法を欄を開いて効果を見てみる。
[キュオラ:体力を回復させる]
〇【大成功ーー!】
〇【おお!】
〇【大当たりやん!】
〇【キュオラか】
「体力回復系の魔法か。いや、これ結構よくないですか?これでアイテム欄薬草でかさばらなくなりそうですね」
〇【リュックに目一杯薬草詰めてるからな】
〇【幅取って邪魔だったし助かる】
〇【攻撃魔法も欲しかったけど、まあそれはレベ上げで取れるからいいか】
〇【薬草が主食】
「いいですねー。それじゃあ、なんか下の方に塔があるらしいので調べに行きましょう」
〇【おけー】
〇【行こう】
〇【なんかありそうね】
〇【封印されてそう】
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「塔の前まできたわけですけど...え、これどうすれば...?」
塔の周りには謎の紫のフィールドが広がっており、先ほど踏み入れたところ体力が半分くらい減った。
〇【通れなさそうだね】
〇【2回で死ぬね】
〇【毒かな?】
〇【なんか抜け道あるんかな】
「あ!思いついたんたんだけど。これ回復しながらだといけるくないですか?ダメージ受けたらキュオラして...」
〇【むりやりw】
〇【行けるかな】
〇【MP足りる?】
〇【脳筋やなw】
でも正直これしか思いつかないし、試してみようかな。
「いきますよ」
[30ダメージをおった]
[キュオラ!30回復した]
[30ダメージをおった]
[キュオラ!30回復した]
[30ダメージをおった]
[キュオラ!30回復した]
[30ダメージをおった]
[キュオラ!30回復した]
[30ダメージをおった]
〇【いけたw】
〇【MPギリ】
〇【帰り分ないでw】
〇【帰りはデスフラよ】
「中入れましたね...」
中に入ると2Dなので良くはわからないが、吹き抜けになっているのか中央に光が漏れていてその中に老人が一人立っている。
『ここに入ってくるとは、なんという精神力じゃ...。そなたのことを予言のときから待っておった』
『さぁ、受け取れ。そなたにはこれを受け取る権利がある』
[風の魔導書を手に入れた!]
風の魔導書?
まぁ、開いてみるか。
[フラールを覚えた!]
[フラール:一度訪れた国に移動できる]
え、これめちゃくちゃ良くない?
〇【デスフラしなくて済んだね】
〇【これいいね】
〇【なんか早いなw】
〇【ライト版だからすぐにいけたけど本当はここまで数日はかかるはず】
MP消費量もそんなに高くないし、結構気軽に移動できるな。
さっそくフラールでシュトロホルンの国まで戻った。コレがあればすぐに宿に行ける。
「そういえばさっきのおじいさんってなんだったんですか?謎のまま出てきちゃったんですけど...」
〇【たしか予言した人とかじゃない?】
〇【予言者らしい】
〇【設定ばっさりカットされてるなw】
〇【3時間に詰め込んだらこうなるわなw】
「へぇ...まぁ、とりあえず良さげな魔法も手に入れましたし、サクサク行きましょうか」
次の国は聞くところによると四天王の治める地らしい。ボス戦が予想されるので気を引き締めていかなければ。
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