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112.ゆう初めての外部コラボ(後編)

壁に開いた穴をくぐったゆう達は部屋の真ん中に巨大な敵がこちらを見下ろしているのに気が付いた。



「うわ、もうなんかいるじゃん!」


「あれが中ボスかなぁ」


〇【そうだね】

〇【ついに来たか】

〇【中ボス戦だ!】

〇【ミノタウロスかな】

〇【がんばれー】

〇【いきなり】


ロードを挟んでたどり着いた部屋に鎮座していたのは巨大な斧を両手に持っているミノタウロスだった。ドット絵ならではの限られたドット数であらわされた重厚なデザインが僕的には好みだ。



「いきなり戦闘だねぇ」


「じゃあとりあえず『挑発』で引き付けるよ!」


「防御力あげとくよー」


〇【がんばれー】

〇【あれ...】

〇【長期戦ね】

〇【手堅いね】

〇【連携いいねぇ】

〇【協力だ】



「てか...あれ、なんかレベル弱くない?」


「そういえば...ちょっと時間かけすぎたんじゃないかなぁ」


〇【たしかに】

〇【ボスLv15 ゆうLv30 サキLv29】

〇【倍違うw】

〇【中ボスくん涙目】

〇【可哀そうw】

〇【途中で経験値めっちゃ美味い敵いたしな】


幸運なことに道中で出会った敵の中でいわゆる鉄のスライム的な経験値用モンスターに5回くらい遭遇して経験値を稼げたのでそこら辺のモンスターをワンパンで倒せるくらいには強くなっている。

このゲームのラスボスを倒す推奨レベルが50くらいなので10階層ではもはや敵なしだ。



「これ雑殴りで勝てそうじゃね?」


「とりま爆破しとくねぇ」


「うわ...体力半分削れた」


〇【溶けたw】

〇【可哀そうだよ...】

〇【リンチやんけ】

〇【神官も殴るんかw】

〇【ちょっと時間かけすぎたな】

〇【草】



「剣闘士の全力斬りで...あ、倒した!」


「うーん、達成感ないねぇ」


〇【秒で倒したw】

〇【草】

〇【速度感的にはさっきまでの雑魚敵と変わらんw】

〇【ミノタウロスくん...】

〇【RIP】

〇【草】


いくら中ボスとはいえたった3ターンで倒されるなんて...可哀そうなミノタウロスくん。



「じゃあこの調子でサクッと30階まで行っちゃおー!」


「おー」









「やっと着いた...」


「長かったねぇ」


〇【ついにか】

〇【あれがラスボスか】

〇【きたぁ】

〇【最終決戦!】

〇【でっか】

〇【つよそう】


現在9時間経過。様々な試練を乗り越えてなんとかラスボスの待っている30階層にたどり着いた。



「あの宝の山にいるやつが伝説の龍だよね」


「そうみたい」


「でも中ボスと違って襲い掛かってこないよ?」


「そうだねぇ」


〇【たしかに】

〇【なんでだ?】

〇【寝てる?】

〇【動かないねぇ】

〇【これはやっぱり】

〇【先制攻撃あるのみ!】



「爆破行っとく?」


「行こうか」


〇【草】

〇【とりま爆破で草】

〇【さっきから爆破しかせんw】

〇【ずーみんただの爆弾魔やんけ】

〇【とりあえず生みたいに言うなw】

〇【うーん鬼畜】



「うわ、起きた!」


「戦闘始まったねぇ」


〇【あの...】

〇【HP1/3削れてるんだがw】

〇【爆破えぐw】

〇【ラスボスでもこんなに削れるんか】

〇【草】

〇【ちょっと強くなりすぎたのでは?】


あのあと30階層に来るまでにありえない頻度で例の敵に遭遇し続けた一行は推奨レベルなどとうに超えて、『ゆうLv83 サキLv80 剣闘Lv78 神官Lv75』というおそらく世界最強レベルの戦力になり果てていた。

難易度ノーマルとはいえ『伝説の龍Lv65』が霞んで見えるんだもん。



「挑発して引き付けるよ!あ、防御力あげなくてもいいよ」


「そう?じゃあ、雷撃魔法使うねぇ」


〇【攻撃耐えられるね】

〇【痛いけど耐えられないほどじゃない】

〇【ダメ1/4か】

〇【強い】

〇【HP削れるねぇ】

〇【余裕で勝てそう】



「カウンター!やった決まった!」


「もうちょい...」


〇【いけそう】

〇【がんばれ】

〇【いけー】

〇【ドラゴンくん応援して自分がいる】

〇【フルボッコだw】

〇【つっよ】



「ずーみん、最後あれで決めちゃってよ!」


「いくよぉ...爆破魔法!」


〇【最大火力】

〇【倒したー!】

〇【うおおおおおお!】

〇【はっや】

〇【つえぇ】

〇【爆破はすべてを解決する】


残りのHPがミリになったところで最大火力の魔法である爆破を叩きこむと伝説の龍は跡形もなく消え去った。Congratulationsの文字と共に盛大なBGMが流れ無事クリアしたことを知らせる。



「あっけなかったね」


「強くなりすぎたかも」


〇【それはそう】

〇【強すぎw】

〇【草】

〇【難易度ハードでもよかったくらい】

〇【途中経験値くんに遭いすぎたな】

〇【なろう系かな?】



「あ、ムービーあるみたい」


「倒したその後みたいだねぇ」


〇【お】

〇【きた】

〇【いやぁハッピーエンドだ】

〇【うーん】

〇【愉悦部】

〇【お宝ざっくざくや!】


龍が守っていた宝を持ち帰った一行はその巨万の富を使ってある者は国を興して一国の王となり、またある者は不老不死の秘薬を手に入れ神に至った。


しかしそんな生活も長くは続かず、龍を倒してから1年後に異なる次元である魔界からやってきた魔王によってこの世界は滅ぼされてしまった。


龍は太古から人間から宝物を受け取る代わりにこの世界から災厄退けていたのだが時代が進むにつれそのことは忘れ去られてしまっていたのだ。



「えぇ...」


「世界滅んじゃった」


〇【草】

〇【滅んだw】

〇【人間は愚かだね】

〇【うわぁ】

〇【バッドエンドだ】

〇【人間さん...】


結局のところ伝説の龍はこの世界を守っている良い龍だったということだ。僕も昔このゲームをやったときはこのエンドは意外過ぎて絶句した。



「人間は愚かだねぇ...」


「因果応報だね!」


〇【#人間は愚か】

〇【人間は愚かw】

〇【人間は愚か】

〇【草】

〇【#人間は愚か】

〇【草】



「ということでなんとかクリアしたわけだけれども...ゆうてゃと私仲良くなれたかなぁ?」


「そうだねー...開始地点で仲良し度100だとしたら150くらいにはなったんじゃないかな」


「最初から高すぎるねぇ」


〇【仲良すぎw】

〇【初対面とは思えんよw】

〇【草】

〇【もはや親友やんけ】

〇【初対面ってマ?】

〇【好感度高すぎやろ】


ゆうは全人類マイフレンドみたいな思想で生きてるから一緒にゲームを9時間もしたらそれなりの仲でもおかしくないよな。



「ゆうてゃとは気が合いそうだしまた今度コラボしようねぇ」


「うん!今日は楽しかった!」


「それはよかった」


〇【面白かったよ】

〇【楽しかった】

〇【脳筋と爆弾魔のコラボ待ってます】

〇【もう深夜か】

〇【今日というかもう昨日】

〇【次のコラボも期待】



「じゃあ、本日の仲良くなりたい耐久は恋泉サキとー?」


「陽向ゆうでお送りしましたー!」


「みんなおやすみなさーい」


「おやすみー!」


〇【スヤァ...】

〇【スヤァ】

〇【スヤァ...】

〇【( ˘ω˘)スヤァ】

〇【スヤァ...】

〇【スヤァ... 】

○【瀬良リツ:スヤァ...】

○【セラリツ!?】

○【セラリツ見てたんかw】


エンディング画面になってからコメントだけ打っておいた。今なら配信にも迷惑はかけないだろうし大丈夫だろう。


最初は僕も心配していたけどそんなこと関係ないくらいゆうが全力で楽しんでいてよかった。また別の人からコラボのお誘いが来たとしてもゆうなら難なくこなせると思う。








◎このライブストリームは終了しました。

【クリア耐久】耐久企画で仲良くなりたい!#5【ゲスト:陽向ゆうさん】

136,129回視聴

 ↑1万 ↓30 □

【恋泉サキ-CYBER2期生-】チャンネル登録者数35.8万人









〇陽向ゆう

@SUNSHINE_U


#人間は愚か


2020/11/28

91件のコメント 5128件の高評価


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― 新着の感想 ―
[良い点] 2話連続投稿感謝!! [気になる点] 冬のコミケにリリカ様推し活、ゆうちゃん関係、本人配信と気になるイベントが多すぎて楽しみにしてます!! [一言] 週一のこのペースでゆるやかに話が進んで…
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