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第39話 運命の出逢い

本日もご拝読ありがとうございます。

一昨日からちょっと忙しくなっておりまして、本日もあまり書く時間が取れませんでした。

今回の投稿分を書き上げて1回見直して手直しをして、2回目の見直しで誤字脱字等を修正したものを、今回はチェック無しでそのまま投稿しております。

もし、誤字脱字や読みにくい箇所があった場合はすみません。

さて、いよいよ自転車操業の様相を呈してきました。

いつ毎日投稿が止まってもおかしくない状況です。

前書きなんか書いてないで本文書けよって話なんですが、それとこれとは別のお話なのです。

それでは引き続き、応援の程をよろしくお願いいたします。

 ベッドの寝心地が最高に良い。

新居に購入した寝具もかなり良いが、それを上回ってきた。本当に最高級な寝具なんだろうな。

起きてからも身体の痛みとかは一切感じ無い。


マリアは既に起きていて、景色を楽しみながらお茶を飲んでいた。

「おはようございます。」僕が起きたのに気が付くとマリアがにっこり笑って挨拶してきた。

「おはよう。」僕もにっこりして挨拶をする。


マリアはすぐに僕の分のお茶を煎れてくれる。


昨夜は静かな森側の部屋で寝た。窓の外には綺麗な森林の景色が広がっている。


結局寝る前に2回露天風呂に入ったが、何度入っても温泉は気持ちよかった。

今もお茶を飲んだらまた入ってやろうと思っている。領都から日帰りで来れるぐらいの距離ならもっと頻繁に来れるんだけどなぁ。



朝風呂を堪能し、豪華な朝食に舌鼓を打って、僕たちの癒し旅は終了した。

朝食後に止めの入浴もしたから通算で5回露天風呂を堪能できた。

もうこれは元を取ったといっても過言ではないはずだ。


チェックアウトを済ませると僕達は市場に向かった。以前購入した醤油と米が底をついていたのだ。

今回は荷馬車を借りてきているので結構な量を仕入れても問題ないはずだ。元々保存食だし日持ちするのもわかってるからね。


というわけで市場で大量の醤油と米、そして味噌を購入した僕は、それらを全て荷馬車に乗せて、ユガーラの町を後にした。


あとは帰り際に、畑を荒らすというユガーラ周辺に住むワイルドボアと、同じくユガーラ近隣の山中に住むレインボウベアを狩れば受注したクエストは全て消化される。



まずは畑を荒らすというワイルドボアだが、畑の位置から推測してその付近を徹底的に索敵していく。

畑からワイルドボアが生息している場所を絞っていくとこのあたりになるな。

付近には10体ほどの反応がある。


気配を殺しつつその反応を追っていく。

僕がターゲットを探し、特定して追い詰める。そこをマリアが木の上から狙撃して確実に1匹ずつ仕留めていく。

今回は数の指定は無いが、畑に被害を出さない程度に退治しなくてはならない。

合計6体狩ったところで付近にいた反応は索敵範囲から逃げていった。多分これで大丈夫だろう。ということで狩った6体のワイルドボアを血抜きして解体し、荷車に乗せていく。


そのまま山の奥まで入り、次のターゲットを追っていく。依頼書によるとレインボウベアの生息域は山の奥にある沢沿いだということだ。

レインボウベアの胆嚢がハイポーションの素材として必要だということで1頭分でもいいので取ってきてほしいという依頼だった。

1頭分でもかなりの量のポーションが作れるらしい。


ということで生息域といわれる沢に向かって荷馬車を進めていく。

沢まで着くと、沢沿いに進むルートは荷馬車には少し厳しそうだった。

 この場所から付近を気配察知で索敵していく。今のレベルだと3km程の距離まで索敵できている。


あ、スタンピードの後気配察知のLVが上がってる事に気が付いたんだけど、索敵の距離は変わってなかった。その前と同じ3kmまでしか見れないんだけど。

今迄は敵意のある相手しか見れなかったのに対して、今は敵意のない相手までも見えるようになったのだ。

敵意のある相手は赤く見えて、敵意のない相手は白く見える。これはこれで結構便利だった。


索敵をしているとぎりぎりの探知範囲で何個か妙な動きをする気配がみつかった。いずれも沢沿いに居る模様。

レインボウベアの可能性が高い。


【ファイアアップ】【クイック】

【プロテクション】

僕が自分とマリアに身体強化をかける。

マリアは自分と僕に防御魔法をかける。


「マリア、僕の足の着く所を正確に追える?」マリアに聞く。


「努力します。」マリアはそう答えた。恐らくマリアなら出来るとおもう。確信がある。


「走るところを正確に追ってきて。」僕はマリアにそう言うと走り出す。


【ステップ】【ステップ】【ステップ】足場が不安定な沢沿いを走るのは非常に危険だし、速度が出せない。

だから僕は空中に空気のブロックを作り出し、その上を足場にとてつもない速さで走り抜けていく。3km先にかすかに捉えていた気配8個はあっという間に視界に捉えることが出来た。マリアもちゃんとついてこれている。



体を覆う毛の色が見る角度によって色々な色に見える。イカの皮膚とかがそういう構造になっていた気がするけど。レインボウベアの体毛はそんな構造で出来ているのだろう。とても綺麗だ。

体長2m~3m程のレインボウベアが7頭と、体長30cm程の小汚い小型の魔獣が1匹。その1匹を7頭の大きなレインボウベアが追いかけまわしているようだった。小型の魔獣は泥だらけで血塗れだった。


マリアは木の枝の上に立ち、そこからレインボウベアに狙いをつけていく。


「おいこら派手な見た目で中身はスカスカなクソ熊公!!お前らの相手は俺様がしてやる!!」レインボウベアに挑発をかける。


レインボウベア達の動きが止まり僕を睨みつけてくる。追われていた魔獣はその場に倒れこんだ。


そしてジリジリと僕の退路を絶つために広がっていく。

しかしそのゆっくりとした動作はマリアにとって良い的だった。

3匹のレインボウベアがマリアの撃ち出す水の矢で頭を射抜かれて倒れていく。


残り4頭のレインボウベアは構わず僕に向かって同時に突進してくる。

一番左のレインボウベアに向かい僕も飛び込んでいく、すれ違いざまに首元に【ウインドエッジ】を合わせてやる。


【ズバババババババッ!!!】派手なSEと共にレインボウベアの首は吹き飛ぶ。


その間にマリアは2頭のレインボウベアの首を水の矢で射貫いていた。


残り1頭のレインボウベアが僕に向かって飛び掛かってくるが、僕はそれを同じ様に風の刃で首を落としていく。



倒れこんだ小型の魔獣の所まで行くと【全身打撲・右腕部、左大腿部、腹部裂傷大・出血多量・危篤】と出ていた。だいぶヤバい。


まずは一番大きな裂傷部の腹部に手を置く。切れた血管をつなぎ合わせ、はみ出した内臓を元に戻し裂傷を塞いでいく。

次に右手の裂傷を塞いでいき、左足の傷を塞いでいく。

【出血多量・重篤】血が足りないな。血液を複製。残った血液を元に複製して血を増やしていく。これで大丈夫だろう。


倒れていた魔獣がゆっくりと起き上り僕を見る。この魔獣も熊・・・なのかな?

あいつらにやられて居たところを見て、勝手に他種族だと思っていたが子供の個体なのかな?

全身が泥と血で汚れていて何の種類なのかよくわからない。

魔獣からは殺気が消えていた。何が起こったのかわかっている様子で、僕に対して危害を加える様子もなかった。


【ウォーター】マリアが水を作り出して魔獣に掛けていく。僕はその落ちてくる水で魔獣の身体を洗ってやる。


泥と血を落としていくと白い体毛が見えてきた。耳は黒い体毛に覆われている。所々白毛だったり黒毛だったり。って、ん?どこかで見たことがある配色。顔を洗うと目の周りには黒い体毛。パンダじゃん!!!


まんまパンダちゃんだよこれ!?


【熊猫:幻獣・LV3】パンダちゃんだ、パンダちゃん!!ん?幻獣?まぁそれは今はどうでもいいか。

全身濡れ熊猫のせいでもふもふ度は皆無だな・・・。


【ウォームウインド】掌の上で火の魔法で温めた風を作り出してみた。よし、いけそうだ。


その風を濡れ熊猫にあててやる。ブオーー。左手で毛をかき分けて、毛の根本に風があたるようにして上から徐々に乾かしていく。


うわぁ~~パンダちゃんだ!完全にパンダちゃん!!僕は思わずギュッと抱きしてめて顔をうずめてもふもふしてやる。これは最高だ!!!!

はぁ幸せ。日本ではパンダになかなか会えない。会えてもケージの向こうだからもふもふも出来ないしな。パンダはこんな感触なのか。最高じゃん。最高じゃんかよ!!


もふもふする事1時間。隣でうずうずした顔のマリアにやっと気が付いた。

そっと無言でパンダちゃんを差し出す。


もふもふもふーーー!!すりすりすり。ふんがふんが。

「可愛い~~~!!!!!」マリアがパンダちゃんに顔を埋めてハスハスしてる。やっぱりそうなるよね。パンダちゃんは嫌がることも無く満足そうな顔をしている。嫌がってなくてよかった。


マリアが落ち着くのを待って僕は聞いてみた。

「マリア、この子連れて行ったらまずいかな?」こんなの運命の出遭いと言わずなんと言うというのか。これで置いていくことなど出来ようはずもない。


「本来魔獣使いでも無い限り、魔獣をこんな風に無力化させることなど出来ません。飼いならされた魔獣は人を襲わないようにしつける事は可能ですが、私たちにこの子が人を襲わないようにしつけられるかはわかりません。ですが他の人を襲わせないような気遣いさえできれば、問題は無いとは思います。」マリアは埋めていた顔を上げてそう答えた。


「他の人を襲わせないような気遣いかぁ。この子にリードを繋いで連れ歩くとか、バッグに入れて外に出さないとかって事かな?」この世界でペットを飼うっていうのがあまりピンとこないけど、そういうことだよね?


「その理解で正しいと思います。この子が人を襲うようには見えませんが、絶対に襲わないという保証はできませんからね。」なるほどそういう事だよね。この子が言ってわかる子なら良いんだけどねぇ。


「君と友達になりたいんだけど。どうだい?」僕はパンダちゃんに話しかけてみる。


「メェ。『なる。』」ん?なるって言った。あれ?言葉通じてる?


「疾風様、どうかされましたか?」僕がぽかーんって顔してるからマリアが心配して聞いてきた。ってマリアは今の聞こえてないのかな?


「この子が今『なる。』って言ったんだけど。マリアは聞こえてない?」


「私には聞こえませんでした。」やはりか。


「僕が言ってる事わかるのかな?」パンダちゃんに聞いてみる。


「メェェ。『わかるよ。』」パンダちゃんは得意げに答えた。


やっぱりそうだ、言葉通じてる。どういう事だろう。テイムのスキルが身についたとか?自分のステータスをチェックしてみる。

だが、何処にもテイムの文字は無い。


あ、もしかして他言語理解??魔獣とも会話出来てるってことか?今迄馬とか魔物とか会話出来た事無かったけど、突然開花したとか?

僕は【他言語理解】のスキル名をじっと見る。


【他言語理解】:お互いに意思疎通を図りたい相手と、言語が違っても会話することが出来る。


なるほど、お互いに意思疎通を図りたいと思っていないと発動しないって事だね。魔物相手にお互い意思疎通図りたいなんて思ってるわけないもんね。理解した。少なくともこのパンダちゃんは僕と意思疎通したいと思ってくれているって事だ。相思相愛って事ね。


「君の家族は何処にいるの?」通じるなら普通に会話するまでだ。


「メェメェ。『何処にもいないよ。誰もいない。』」家族は居ないのか。じゃぁ連れて行っても問題ないかな?


「君を僕達と一緒に町に連れて行きたいんだけど。どうだい?ついてきてくれるかい?」パンダちゃんに聞いてみる。


「メェ。『いく。』」即答だ。


「僕達以外の人を襲わないって約束できるかい?」


「メェ。『できる。』」これも即答だった。


「他の人は襲わないってさ。」マリアに教えてあげる。


「疾風様。この子と会話が出来ているのですね?やはり疾風様は素晴らしい方です。」マリアが僕の頭を撫でてくれる。


こうして僕達はパンダちゃんと友達になったのだった。旅のお仲間が一人増えました。

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