表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/51

第27話 領都の冒険者ギルド

今チェックしてみるとブックマークが1件増えていました!ブックマークして頂いた方ありがとうございます!

モチベがググっと上がりました!!


まぁ現状ストック0になってしまったんですけど・・・。

でもモチベ上がったので頑張って書いていきたいと思ってます!

 目が覚めると既にマリアは起きていて、何やら忙しそうに動き回っている。


「おはよう。」と僕が挨拶をするとマリアが隣にやってくる。


「おはようございます。着替えの準備が出来ております。」僕の服をさっと差し出す。出来たメイドさんだこと。


今日は町へ出て、冒険者ギルドに顔を出してみようと思ってる。


領都のギルドっていうとやっぱりシルエラのギルドとは違って人一杯いるんだろうなぁ。

ちょっと不安だけどこれからの生活を考えるとそういう事にも慣れていかないといけないんだよね。




朝食を済ませ、ミルドレイク伯にお礼を言い屋敷を出る。


屋敷の前には馬車が用意されていた。執事のランバさんが馬車のドアを開けてくれる。

「ご主人様からのお申し付けにより馬車を御用意させて頂きました。」これはありがたい。町の構造が結構複雑だったから帰りが不安だったんだ。利用させてもらおう。


「冒険者ギルドまで頼む。」そう言って僕は馬車に乗った。




「マリア、お願いがあるんだけど。」馬車に乗ると、僕はマリアに真剣な顔で話しかけた。


「疾風様のお願いでしたらなんなりと。脱げとおっしゃるのならばこの場で全裸にもなりましょう。」いや、脱がないで?っていうかマリアのこの余計な一言ってなんなの?ネタなの?


「うん、実はというか、もしかしたら分かってるかもしれないんだけど。僕は人と話すのがかなり、というか壊滅的に苦手なんだ。だから交渉とか、なるべくそういう事をマリアに頼みたいんだ。どうしても僕が話さなければいけない時はなるべく頑張るからさ。」脱ぐ脱がないの話はスルーして本題をお願いした。


「わかりました。なんとなくは理解しております。全てマリアにお任せください。不出来なメイド故もしも疾風様に失礼な事がありましたら、後で鞭打ちでもなんでも、罰を受けさせて頂きます。」なんなの?マリアはMなの?興奮気味に話すマリアはとりあえず見なかったことにしよう。



流石馬車だね。あっという間についた。

馬車を降りるとランバさんにお礼を言って馬車を見送った。


領都の冒険者ギルド。立派な石造りで4階建ての大きな建物だった。

3m程の高さがある大きな入り口の扉を開けると、そこは2階まで吹き抜け構造になった巨大なエントランスだった。


正面には受付窓口が何個か並んでおり。綺麗なお姉さんがニコニコしながら対応をしている。


向かって右側の壁面には掲示板が並んでいて、各種募集の紙が張り出されている、その前には何人もの冒険者風の人達が熱心にそれを見ていた。恐らくクエストの募集板等だろう。


向かって左側の空間には頑丈な作りのテーブルや椅子がたくさん並んでいて、何人かの冒険者風の人達が談笑しながら食事をしている。

更に奥の方は中2階になっていて、そこもテーブル席になっているようだ。

いかにもギルドっていうような酒場だ。


受付と酒場の間には階段があって、上にあがると3・4階部分は簡易宿舎になっているとの事だった。これは後でマリアから聞いた話だけどね。



まずは馬車で打ち合わせしていた通りマリアが窓口に向かってくれる。


「マリア!久しぶりじゃない。もうクビになったの?」受付にいる女性がニコニコしながらマリアに声を掛けてきた。


「久しぶりねケイト。クビになったわけじゃないわ。運命の人に出逢えただけ。」マリアはそう言うと得意げな笑みを浮かべた。運命の人とか言われるとなんだかむず痒い。


「そっか。人生色々あるのね。」受付のケイトさんは僕を見てうんうんと頷いてマリアに笑いかけた。


「今日はパーティーの登録と住まいの仲介をして欲しくてここに来たの。」マリアが本題を切り出した。パーティーって?あ、僕たちの事か。どうやらギルドでパーティー申請をする必要があるようだ。


「パーティーね。わかったわ。それと住まいの仲介ね。」ケイトさんがなにやら書類を用意している。


「じゃぁまずはこれに記入して。」そういうとマリアに1通の書類を差し出した。


「疾風様、パーティー名はいかがいたしましょう?」マリアから突然パーティー名を決めろと言われ、僕は脳みそが沸騰しそうな勢いで、突然のフリにどう答えたらいいか考え始める。


チーン


「アルカディア(理想郷)というのはどうだ?」僕は右手で片目を隠す例のポーズで格好つけながらそう答える。


「仰せの通りに。」マリアはそのまま申請書に記入していく。スルーである。馬車の中での仕返しに違いない。


「OK。じゃぁこれで、マリアと疾風さんね。疾風さんはじめまして、どうぞよろしく。私は受付担当のケイトと申します。」ケイトさんは僕に向かってニコッと笑顔で挨拶してきた。


「パーティーリーダーは疾風さんね。じゃぁ疾風さんギルドカードを頂けますか?マリアもよろしく。」そういうと僕とマリアに向かって手を差し出した。


僕とマリアはその手にギルドカードを手渡した。


「マリアは休止前の通りBランクで、疾風さんはDランクですね。それではお2人の平均を取らせてもらって、パーティーのランクはCランクになります。パーティーの場合は1個上のランクまでのクエストを受注することができますので、Bランクまでのクエストを受けることが出来ます。」ケイトさんがパーティーについての説明をしてくれる。


「パーティーを組んでいると戦闘に直接参加していなくても、その貢献度によって自動的に経験値が振り分けられる事になっています。それぞれが役割を決めて行動すると、より効率よく成長できますので頑張ってくださいね。」なんだかゲームみたいな事まで説明してくれた。そういうシステムになっているらしい。


「じゃぁ次は住まいのご案内ね。希望はあるかしら?」パーティーの申請書と僕たちのギルドカードを水晶玉みたいな魔道具にニュッと入れるとケイトさんはもう次の話題に切り替えた。


「そうね。広さはこだわらないわ。できればお風呂がある物件、それを最優先でお願いしたいの。」マリアは僕の希望通りお風呂付物件を希望してくれた。


「お風呂付ねぇ。中心地だと難しいかもしれないわねぇ。お屋敷街だとそういう物件多いんだけど、金額がねぇ~。」そう言いながらケイトさんは色々ある物件の掛かれた紙束を1枚1枚丁寧にみていく。


「あった、屋敷街だと月々金貨20枚のこの物件かしら・・・。」月200万円!!そんな金額は無理だな・・・。


「それは無いわね。郊外でもいいからもう少し安い物件は無いかしら?」僕の顔を見て一瞬で察してくれたマリアは他の物件を探してくれと促した。


「そうねぇ・・・。あー少し場所的には不便だけど、農業地区にあるこの一軒家はどうかしら。土地も広いし値段的にはある程度するけど、さっきよりはマシよ。これで金貨3枚ね。因みにこの物件には畑もついてくるわよ。」1枚の物件の間取り図が書かれた紙をを見せてくれる。


確かに大きな家だなぁ。これで30万かぁ。でも30万って結構な額だぞ。


「農業地区ね。たしかここから馬車で30分以上かかるわよね?いくら郊外でいいって言っても遠すぎないかしら。」マリアが地理的な事を質問してくれる。


「そうね、場所的にも農業地区の真ん中ぐらいだから1時間ぐらいかかるわねぇ。」1時間か、それは確かに不便だな・・・。ってか馬車で1時間以上かかる場所があるってこの領都どんだけ大きいのよ。


「1時間は厳しいわね。もう少し近くにはない?」マリアが次の物件を聞いてくれる。


「そうなると、現状のお部屋にお風呂を作ってしまうって言う手もあるわね。排水設備さえ備わっていれば設置する事自体は可能だと思うわ。排水設備がついてる物件を見てみましょうか。」そういうとケイトさんはもう1回近くの物件をしらみつぶしにチェックしてくれる。



「あ!これいいんじゃない?」しばらく物件情報とにらめっこしていたケイトさんが突然声を上げた。


「今迄錬金術の工房があった物件なんだけど。普通に住まいとしても兼用されていたから、この工房部分をお風呂として改築すればいいんじゃないかしら。このギルドからも割と近い場所よ。」そういうと間取り図の書かれた紙を見せてくれる。


2階建ての建物で2階部分に部屋が3つ。1階部分に店舗と工房と倉庫とキッチンとトイレがある物件だ。

店舗はリビングとかダイニングにして、工房部分をお風呂に改築すれば快適に生活できそうだ。


「いいわね。幾らなの?」僕がマリアに目で合図するとケイトさんに聞いてくれる。


「これで月々金貨3枚と銀貨50枚ね。家賃は高いけど、Bランクのクエストを月に5回~10回ぐらい消化できれば問題無い額だと思うわ。」なるほどBランクのクエスト報酬はそれぐらいの額なわけね。だったらいけそうだ。マリアを見る。


「この物件を見せて欲しいんだけど、すぐ見れるかしら?」マリアがケイトさんに答えてくれる。


「任せておいて。今準備をしてくるわね。」そういうとケイトさんはさっき渡したギルドカードを僕たちに返すと、水晶玉と他の物件の書類を片付けに行った。



5分程するとケイトさんが表に出てきてくれた。

「お待たせしました。ではご案内いたします。」そういうとケイトさんは中央の広場にある冒険者ギルドの建物から左の方向に歩いて行く。あ、門からみて左ってことね。


「こちらの地区は商業地区になります。各種商店や工房等が数多く立ち並んでおります。住居もあるにはあるんですけど、基本的には工房や店舗がメインなので、夜は静かで暮らしやすいと思いますよ。」町の案内もしてくれる。


ギルドから3分ぐらい。本当に近かった。


石造りの2階建ての建物で、道路に面しているところは店舗になっていて、8畳ほどの売り場にその裏には10畳ぐらいの倉庫があった。


倉庫からは更にその奥の工房に繋がっていて。その工房には大きな錬金窯が置かれていた。それを洗うために排水溝が設置されているので、この排水設備を利用してお風呂をという事らしい。工房自体は12畳ぐらいの広さがあるので脱衣室も作ることができそうだ。


1階には他にも広くて綺麗なキッチンとトイレがあった。


階段を上がって2階部分にいくと、ウォークインクローゼットが備わった20畳程の広さのメインベッドルームが1つと、12畳ほどの客間が2つあった。


寝室も工房も全て日本の感覚よりもだいぶ大き目な作りになっていて、すごく暮らし易そうな作りをしている。


古くからある工房だと聞いたが、建物も家具類もそれほど古さは感じなかった。なにかしらの魔法だったり、もしくは建て替えられた建物だったりするんだろうか?


これを月35万で借りれるなら安いものかもしれない。いや35万の家賃って普通に高いと思うけどね。

でもBランクの依頼こなせば全然大丈夫って言ってたし、ここに決めてしまっていいかもしれない。


「マリア、ここ凄く良いと思う。」さっきから家の中を色々と細かくチェックしていたマリアに声を掛ける。


「私も細かくチェックしましたが、これほどの物件はなかなか無いかもしれません。流石は錬金術師様の工房、と言ったところでしょう。」錬金術師って流石って言われるぐらいの尊敬される職業なのね。そんな錬金術の工房を勝手に改造してしまって構わないのだろうか・・・?


「気に入って頂けて嬉しいですわ。お風呂を設置する工事の手配もギルド経由で出すことが出来ますがいかがでしょうか?」ケイトさんが提案してくれた。


「工房を勝手に風呂場にしてしまって問題はないのか?」気になっていたので聞いてみた。


「もちろん問題ありません。この辺りには5軒の錬金術工房がありますので、ここが住居になってしまっても住民が困ることは無いでしょう。元々転居してしまわれた工房ですしね。」問題はないらしい。じゃぁここに決定だな。




その後ギルドに戻り、工事をしてくれる大工さんを紹介して貰い、工事内容の打ち合わせを済ませ、工事・住居契約費用等を全額前払いで支払いを済ませた。仲介料なんかも含めて全部で金貨12枚程かかりました。


盗賊討伐の際に貰った報酬が手付かずで残っていたので全然余裕だったけどね。

これからは蓄えをしつつ堅実に生きていこうと思った今日この頃でした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ