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第0話 プロローグ

はじめまして!今回初めて小説を投稿させて頂きます。

拙い文章で恥ずかしい限りですが、末永くお付き合いいただけると嬉しいです。

一人でも多くの人に読んでもらえることを願いつつ・・・

物語の始まりです!!

 「困ってる人をみつけたら助けてあげなさい」「あなたは特別な存在なんだから」「特別な力は弱い者を守るためのものなのよ」

祖母はいつも口癖のようにそう言っていた。まぁ、だから僕は正義の味方みたいなことをしていたんだと思う。




 川沿いの遊歩道から鉄橋の橋げたに降りる小道。高校生ぐらいの私服ヤンキー5人組が気の弱そうなメガネ制服男子を囲んで連れていく。

 まぁよくある光景だ。

 その光景を300m程後方でみつけた僕はやや急いで後を追いかける。

「おい!わかってんだろ?これ以上痛い目みたくなきゃとっとと出すもんだせや!」

橋げたの裏側からそんなテンプレなセリフが聞こえてくる。もう始まってるようだ。

すでに痛い目みさせてメガネ君には悪いけど正当防衛を主張するにはいいタイミングだろう。


橋げたの少し高い位置にヒョイっと登ると目立つ所まで移動し片手を顔の前に出し片目を覆うようにする例のポーズをとる。「そのぐらいでやめておけ愚民ども。」「俺の怒りが天に届く前にやめぬと後悔することになるぞ。」別に特別な目を持ってるわけじゃなんだけどね。

ぽかんとした顔で見つめる6人、まぁよくある光景。

 ストンと高いところから下に降り、メガネ君の胸ぐらをつかんでいる男の右手を左手で外側にひねり、右手を肘の内側に添えくるんと左下に自分の身体ごと巻き込みつつ倒れこむ。相手の背中が地面につく前にじぶんの右肘を相手の鳩尾(みぞおち)のあたりに合わせておく。体重をかけた肘がいい感じに入って決定打となった。とりあえずこれで一人目終了。

流れるような動作でメガネ君と残り四人の男達の間に入る。「さぁ、時間がもったいない。さっさとかかって来いクズども」手招きする。

「オラー!」あっという間の事にあっけにとられていた男達の一番左の男が我に返り、慌てて殴りかかってきた。それを左にかわしつつ右手の平の外側で拳を払いそのまま手首をつかみ左手で相手の肘の裏に手を添え、相手の勢いを借りそれを右下に流してやる。

ドスっと前に倒れこむと同時にじぶんの左ひざを肝臓の裏側あたりに合わせて体重をかけてやる。それと同時に右手で掴んだ相手の右手首を背中で極めて少しだけ捻り上げてやる。多分暫く使い物にならないだろう。

サッと立ち上がると三人に向き直る。「次はどいつだ?」三人をゆっくりと見回す。

一瞬のうちに仲間二人を仕留められた事に対する恐怖に負けたか、お互いに顔を見合わせ真ん中の男が言った。「お、覚えてろよ!」両脇の男達が倒れた仲間を起き上らせ、支えながら離れていく。まぁ大体いつもこんな展開。


「あ、ありがとうございます・・・。」少し離れたところから気弱な声が聞こえてきた。殴られたであろう頬を押さえながら礼を言ってくるメガネ君。

「礼には及ばん、勝手に助けただけだ。」メガネ君に背を向けて去ろうとする背中に向けて、「あの、お名前だけでも教えてください。」メガネ君から声がかかる。

疾風(ハヤテ)火神疾風(カガミハヤテ)だ」背を向けたまま右手を上げ歩き出す。

顔真っ赤、滝のような汗、とても振り返って顔なんて見せらんない・・・。極度の人見知りと対人恐怖症のせいでまともに人と会話ができない。

 そんな僕が唯一人と交わせる会話がご覧の通り厨二臭漂うキャラに成り切って、不遜な態度で人をはねのけるような会話。こうすれば赤面した顔を見せる必要もない。

だから当然学校に友達なんていやしない。まぁこんな正義の味方もどきな事してるおかげでいじめにもあってないけどね・・・。


三歳の頃、両親はとある事件に巻き込まれて死んでしまった、それ以来ずっと父方の祖母の家で世話になることになっていた。

合気道をやっていた祖母の影響で、物心つく頃にはある程度の身を守る術が身についていた。それに加え祖母の口癖の影響と両親の一件もあり、揉め事への介入が日課のようになっていた。

 僕は火神疾風、本名:田中一郎・・・。中学三年になったばかりの一四歳。

平凡な本名が恥ずかしい事と、あまり素性を知られたくない事から厨二感漂う通り名を名乗っている。

祖母の家で世話になっていたという言い方をしたが、つい先日その祖母が亡くなって葬式をあげたばかりだ。

葬儀の後祖母の家の相続がどうとか、誰が引き受けるだとか、親戚たちが色々と揉めていた。

僕が悪いところもあるんだけど。親しい身内を亡くした一四歳の少年の前で、「うちは女の子がいるから男の子は引き取れない。」「家が狭いから居候なんてごめんだ」「随分と問題ばかり起こす子みたいだからうちは引き取れない」そんな事を、聞こえてるのをわかってるだろうに話していた。ちょっとは僕の身にもなってくれと言いたかった。


 これからは一人で生きていかなければいけないんだろうか。施設にでも世話になって中学を卒業したら就職先を探し独り立ちするのがベストか?たいして親しくもない親類に嫌味を言われながら一緒に暮らすなんてこっちからごめんだ。幸い祖母から生きるために必要な事は教えてもらっていた、祖母もいずれこうなるだろうと予想していたのだろう。

 祖母の仏壇の前で手を合わせながらそんな事を考えていると自然と涙が溢れてきた。弱い僕をいつも祖母は慰めてくれた。「そんな事じゃ弱い者は守れないよ。強くなりな。」そう言いながら頭を撫でてくれる祖母の姿が目に浮かぶ。「そうだね、強くならなきゃ。」「僕頑張るよ、おばあちゃん。」


 祖母から元気を貰ったらお腹がすいてきた。冷蔵庫に何も入っていないのを思い出し、帰りに食材の買い出しをしようと思っていたのを忘れていた。とりあえず近所のコンビニで軽く済ませるかと家を出る。


 一番近い海沿いのコンビニで買い物を済ませると、そのまま砂浜まで降りて夕焼けの浜辺を歩きつつ家に向かう。

夕暮れ時の海は綺麗に夕日を映し出し赤く染まっていた。赤い海と反するように白い砂浜は闇にのまれ黒く染まりつつある。

ちょうどその黒い砂浜と赤い海の間から白い光の波のようなものが見えた気がした。

「ん?なんだあれ?」惹かれるようにその光の波に近づいて行く。

次第に強くなる光の波、それに手を伸ばした瞬間。スッと闇に包まれた。



うるさいぐらいの波音が一瞬のうちに静寂に包まれる。「え?何が起きたんだろう・・・。」

そんなつぶやきも音にならない無音の世界。どこを見回しても何も見えない。いや、自分の身体は見える。目が見えていないわけじゃない、ここには自分以外何もないんだ。地面もないから浮いている?落ちている感覚はないから浮かんでいるが正解かな・・・?

自分が上だと認識していたところも今となっては上なのか下なのかわからない。そんな不思議な感覚。僕はどうなってしまったんだろう。



そんな何もない空間に浮かぶこと数分。

前方に小さい光が見えた、その光が段々と大きくなっていき、ある程度大きくなってきたと思ったらすごいスピードで近付いてきた。

一瞬で光にのまれると目がくらみ目が開けられなくなった。足の下に戻る地面の感覚、耳から聞こえる鳥のさえずり。ゆっくり目を開けてみるがなかなか視界が開けない。光に目をやられ目の前が真っ白にしか見えない。

しばらくすると少しづつ周りが見えてきた。目の前には透明に澄んだ水、池?あれ?浜辺にいたはず。

慌てて周りを見る、360度木に囲まれた森の中?目の前にあるのは物凄く透明な水面。

大きさにして直径50m程だろうか、綺麗な、本当に綺麗な池がある。

水深はそれほど深くなさそう、いや結構深いのかな?水が綺麗に澄んでいて深さがよくわからない。

底まで綺麗に見えている。底の砂地がポコポコポコと動いている、どうやら水が湧き出しているようだ。

これだけ綺麗な水なら飲めるかな?と、ふと考えてみる。すると・・・。ピョコ、水面に「泉」という文字が浮かぶ。いや、水面に浮かんでいるんじゃなく空中に?



「あー・・・、察し。」これあれだな、異世界だわ・・・。

海辺で海を見ていたはずの自分が突然闇に飲まれ、気が付いたら森の中にいた。

「よくあるやつだわこれ・・・。」ついそんな言葉が出てしまう。

物語は昔から色々書いていたんですが、なかなか最後まで書き切るという事ができず中途半端に終わっていました。一人でコソコソ書き続けるスタイルは自分には向いていなかったようです・・・。

小説家になろうは読み切りを少しずつ積み重ねて一つのストーリーを紡いでいける自分向けのシステムだなと感じました。

初回にこんなことを書くのはお恥ずかしいですが、最後まで完走出来るように頑張りたいと思います!

投稿ペースについては投稿自体初めての経験なので、週に1~2回の投稿を目指しています。

どうぞ次回もよろしくお願いいたします。

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