挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

ブックマークする場合はログインしてください。
<R15> 15歳未満の方は移動してください。

チョコあげる

作者:魔法少女♂
 



「え!?マジで!?」


 坂本くんがすっごい嬉しそうに聞き返してくる。


「うん。だから義理チョコあげるよ」


 このやり取りだけで既に3回目なんだけど。
 どれだけ嬉しいんだこいつ。義理だぞ。


「本当に!?ドッキリとかじゃなくて!?」

 しつこい。本命はお前じゃないんだよ。
 吉元先輩に早く渡したい。さっさとこいつを片付けたい。


「ドッキリとかじゃないから。はい、コレ」


 チョコを詰めたものを投げ渡す。
 おっと、とかいいながら少し危なげにキャッチした。


「ありがとうございますありがとうございます。
 ほんっとうにありがとうございます」


 なんか拝み始めたよ。気持ちわるっ。



 クラスの人がこっち見てヒソヒソしてる。
 やめて、こいつただの義理なの。本命は別なの。
 ウワサになんてしないで。


「ふーん。ふんふふーんっと。おおっ!チョコの包装がすごくキレイだ!なんかコレで売られてそう!」


 そりゃあお前の分は市販のものを詰めただけだもの。
 吉元先輩のはちゃんと手作りだけどね。

 つーかこいつ目の前で開け始めたよ。
 あれか?すぐに感想を伝えたいとかそういうあれか?
 え、なに、私それ聞かなきゃならないの?
 ただの市販品の感想とかすごくどうでもいいんだけど。


「いただきまーす。あむっ。……………うまい!なんていうんだろう、こう口の中でチョコがトロッてなってフワッてなってシュッてなって……………お店で売られててもおかしくないレベルだよ!」

 そりゃあ市販品ですもの。
 あと食リポ下手な。何トロッフワッシュッて。


「そっかそっか。それは良かったよ」

 市販品の義理チョコでこんなに喜んでもらえるとは。


「それじゃあ私用事あるから」

 速くここから立ち去りたい。
 そして吉元先輩に渡したい。告白したい。
 あはよくば付き合いたい。













 吉元先輩発見。

「あ。せんぱーい」

 と声をかけながら小走りで近づく。


「ん?ああ、高山か。どうした?」

 いつもどうりのその無気力なお顔、素敵です。
 さて。先輩に見とれているだけではいけない。
 本命チョコを渡して告白しなければ。


 …………………告白。なんだかんだで人生初なんだけども。
 でも。女は度胸。当たって砕けろ。

 息を深く吸い込む。深く、深くっ!?

「げほっげっほげっほげほ」

「だ、大丈夫か!?」

 吸い込みすぎて息が苦しくなってしまった。落ち着け、私。


「し、失礼しました。もう大丈夫です。
 ……………先輩、このチョコ、受け取ってください」




「あ、悪い。俺カカオアレルギーなんだ」


 なんてこった。














「あれ、高山さん。どうしたの、公園のブランコに座って」


 ………坂本か。


「…………吉元先輩にもチョコを渡そうとしたんだけど」


「ああ。あの人カカオアレルギーだもんね」


 なんだ。知ってたのか。
 いや、最初から義理だとは言ってたな。


「事前のリサーチ不足だった私が悪い。
 それは分かってる。分かってるんだけど……………」



「諦めきれない、と」


 そうだよ。せめてカカオを使わないものにしとけば…………。

 いや、それじゃあバレンタインの意味ないか。



「まぁ告白のチャンスなんていくらでもあるよ」


 そんな軽い気休めの言葉、ほしくない。





「そうだ。吉元先輩に渡すはずだったチョコ、どうしたの?」


 んえ?カバンの中に入れたままだけど。
 もったいないから家で食べるつもり。

 ということを坂本に伝えると


「じゃあ僕が食べてもいい?女子はダイエットとか色々あるだろうし」


 ……………まあ、増えた体重を減らすのも大変だし、
 せっかく食べてもらえるんならあげるか。



「もらった数にはカウントしたらダメだかんね」


「そんなことしないって」








「ごちそうさまでした」

 今回は、いただきます。も食リポもなかったな。




「ふふふ。これで高山さんの本命チョコは僕がもらったってことになるね」



 え?











 ………………………え?


 あっ。


「いやちがっ
「違わないよ。過程はどうあれ僕が食べたんだ。
 この事実は変わらない」


 言葉を被せて否定してきやがった。



「さて。僕からの返事なんだけど…………
 是非とも、お付き合いいたしましょう」


 お前なんか眼中にねぇから。
 あとなんで上から目線なの。腹立つ。


 あぁもう。こいつに渡さずに家で食べれば良かった。














 そんな感じで始められた私と坂本の恋人関係は、
 私が彼の熱意に絆されて(ほだされて)
 婚姻届にサインするときまで続いた。


 今は、まぁ、特に後悔とかはしていない。
最後が雑だよなぁ……………。

でもここからだとハッピーエンドは
これくらいしか思い浮かばない………

評価や感想は作者の原動力となります。
読了後の評価にご協力をお願いします。 ⇒評価システムについて

文法・文章評価


物語(ストーリー)評価
※評価するにはログインしてください。
感想を書く場合はログインしてください。
お薦めレビューを書く場合はログインしてください。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ