第七話 便利スキルと初魔法
1話1話が短くてすみません。
第七話です!どうぞ!
死屍累々。まさにその言葉通りの光景が、零司の目の前に広がっている。ゴブリンキング以外の死体は、全て一太刀によって斬り伏せられていて、頭が無いもの、上半身だけのもの!体が左右に分かれているもの、など色々だ。ゴブリンキングはと言うと、もはや原形が分からない程に切り裂かれている。足元には青色の液体が溜まっており、中々に気持ちの悪い光景だ。
「地獄絵図だなこれは…。後始末、どうするかな…。」
黒刀・夜についた青色の液体を払い、鞘に収める。ちなみに…
銘:黒鞘
レア度:測定不能
付与効果
不壊
自動洗浄
所有者制限(望月零司のみ。)
と、夜を収めている鞘はこのようなステータスをしている。付与効果に自動洗浄があるので、どんなに夜が汚れていても鞘に収めれば、新品同様に使うことが出来るのだ。
零司は、ゴブリンの死体の処理について考え、例に漏れず、自分のステータスを確認する。
レイジ・モチヅキ
男
17歳
Lv.21
HP:120000/120000
MP:120000/120000
攻撃力:4000
防御力:4000
魔攻力:4500
魔防力:4500
敏捷力:5000
固有スキル
黒を制す
絶対看破
絶対隠蔽
超再生 new
無限収納 new
レアスキル
気配察知Lv3
スキル
刀術Lv3
称号
黒神
「おぉ!今一番欲しかったスキルを覚えたぞ!運が良いな、これは有難い。」
零司は、少し興奮気味で、増えたスキルの詳細を確認する。
超再生
怪我を超スピードで回復する。
部位欠損にも効果あり。
共通
無限収納
物を異空間に無限に収納出来る。
収納する時は、収納したい物に手を翳し、収納する、と念じ、収納した物を取り出したい時には、取り出したい物を頭に思い浮かべ、取り出す、と念じる。
異空間内の時間は停止している。
生きた生物は不可。
専用
「これは相当にチートスキルだな。無限収納もそうだが、超再生、これもかなりのものだ。」
部位欠損も治るという、常識を覆すスキルや時間停止機能のついた、無限収納スキルを手に入れた
のだ。
「よし!取り敢えず、ゴブリンを全て収納するか。」
早速、ゴブリンの死体に手を翳し収納し始める。
「はぁ、やっと終わった…終わったのはいいんだが…」
零司は、辺りを見渡す。そこには未だ広い範囲を埋め尽くす青色の液体。そう、ゴブリンの血である。
「本当にどうするよ、これ…」
頭を抱え、嘆息する。しかし、一つの考えに辿りつく。
「掃除か…掃除、水で流すか。いや、まず水がない。水の魔法でも使えればなぁ。」
ゴブリンの使っていた、魔法を見よう見まねで、
使ってみる。
手を前に出し、イメージを固める。すると頭の中にある言葉が。
「ウォーターボール!」
そう唱えると、零司の目の前には何処からか現れた水が球を形成した。
「うおっ!ほんとにでたよ。」
驚きながらも、その水の球を操り、地面に下ろす。水は地面いっぱいに広がっていき、ゴブリンの血を綺麗に流していく。ベトベトした血は水と一緒に地面に吸収され、元の地面の色が戻る。
それを何度か繰り返し、ようやく地面は元に戻った。
「まさか魔法がつかえるようになるとはな。他の属性も出来たりして…」
そう思い、思い当たる属性魔法を試す。
零司が試したのは、火、風、土、氷、雷、闇、光属性のボール系魔法。しかし、氷属性のボールは出来なかった。
(氷属性に適性が無かったか?それとも、氷属性が元から無いのか?まだ分からないことが多いな…)
氷属性の魔法は使えなかった零司、しかし他の、水を入れて七属性は使えることが判明した。
(流石は魔法と言ったところか。何も無い所から火とか雷を作り出せるんだからな。)
魔法の凄さに驚き、しばしの間、魔法を使う。
(そうだ、ステータス。)
レイジ・モチヅキ
男
17歳
Lv.21
HP:120000/120000
MP:120000/119560
攻撃力:4000
防御力:4000
魔攻力:4500
魔防力:4500
敏捷力:5000
固有スキル
黒を制す
絶対看破
絶対隠蔽
超再生
無限収納
レアスキル
気配察知Lv3
スキル
刀術Lv3
火魔法Lv2 new
水魔法Lv2 new
風魔法Lv2 new
土魔法Lv2 new
雷魔法Lv2 new
闇魔法Lv2 new
光属性Lv2 new
称号
黒神
どうやら魔法は、使えるようになると、スキルの欄に記載されるようだ。しかし、零司は別のことに気づく。
「全属性レベル2になってるんだけど…」
魔法を暫く使っていたせいか、全属性の魔法のレベルが一段階上がっていた。それにMPも、少しではあるが減っていた。試しに魔法を鑑定して見ると、レベル1ではボール系。レベル2では、アロー系が使えるようになっていた。
「アロー系か…各属性の矢が撃てる様になったって感じか?まぁそれは今度で良いか。」
魔法に関する事の確認を終えた零司は、歩き始める。
途中、頭から角を生やした体長50cm程の兎に出くわす。
ホーンラビット
危険度:F
補足
魔物ではなく、ただの動物。ただ、頭に角が生えており、脚力を生かして跳んで、角を向けて突進してくる。
足の肉は美味。
「ちょっと試してみるか。」
零司は早速、先ほど覚えたばかりのアロー系の魔法を試行する。使うのは火属性。
「ファイアーアロー!」
イメージしたのは、火で形どられた一本の矢。
それは、兎に向かって一直線に飛んでいく。その速さに、兎は逃げきれず、兎の体を矢が貫通する。
(仕留めた!)
と、思ったのも束の間。仕留めたは良いものの、火は兎の体をすぐに飲み込む。零司は、すぐさまウォーターボールを放ち消火するが、煙の中から出てきたのは、焦げて黒くなった兎。あわよくば、食料にと思っていたが、どうやら、火力が高すぎた様だ。
「ウィンドアロー使っておけば良かった…」
選択を誤り後悔する零司であった。
魔法は憧れますね…
今回もお読み下さりありがとうございます。
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