第六話 新たなスキルと残滅戦
第六話です。段々と強くなっていく主人公。
ふぅ、と息をついた零司。
目の前には、上半身と下半身が分かれて、断面から青色のちゃんとを流すゴブリン。いや、ゴブリンだったもの。
「取り敢えず、こいつをどうするかなぁ。」
物を入れるような袋は、食料用の物しか無いので、ゴブリンの後始末に戸惑う。
「やっぱ、アイテムボックス的なスキルがあれば良かったのになー。」
そう呟いた零時は、ステータスと念じる。
レイジ・モチヅキ
男
17歳
Lv.2
HP:25000/25000
MP:25000/25000
攻撃力:2100
防御力:2100
魔攻力:2600
魔防力:2600
敏捷力:3100
固有スキル
黒を制す
絶対看破
絶対隠蔽
レアスキル
気配察知Lv2 new
スキル
刀術Lv1 new
称号
黒神
どうやら、今のゴブリンを倒した事でレベルが1上がったようだ。
「レベル上がったか、スキルは…刀術に、気配察知か。アイテムボックス系統のスキルは無いか…。まぁこれから増えるかも知れないし今回はしゃあない。」
と、少し残念なりながらも諦める。その後もステータスを見て、気配察知の詳細を確認する。
気配察知
生物の気配や生物との距離、居る方向、数などを察知する。
範囲や正確さはレベルによって変化する。
現在範囲は、半径40m。
(まぁ大体思ってたた通りだな…このスキルのお陰か、ここから少し西に進んだ先にかなりの数の気配がするな。)
零司は、息を殺しながら早足でそこへと向かう。
近くの草むらに隠れ様子を伺う。
森の中の開けた場所に居たのは先ほど倒したのと同じ姿をしたゴブリン。だが、数が違う。気配でおよその数は分かるが、その数約100匹。それに加え、気の杖を持ち、ボロボロのローブを着た個体、欠けている鉄のプレートを胸に付け、鉄の剣持った個体。
そして…大剣を背負い、ゴブリンにしては大き過ぎる、2m越えの身体をしたゴブリン。それは、一際大きいので、この数の中でも零司から見ることが出来た。
(あれもゴブリンなのか?ちょっと調べてみるか。)
零司はそう思い、見た事の無い個体に絶対看破を掛ける。
ゴブリンキング
危険度:B
補足
ゴブリンの王。通常のゴブリンと比べ、別格の強さを持っており、かなり大きな群れを率いる。
ゴブリンだと思って油断すると痛い目に遭う。
ゴブリンメイジ
危険度:D
補足
魔法攻撃を得意とする、ゴブリンの上位種。
遠距離から魔法を放つ戦法を取る。
近接に弱い。
ゴブリンヒーラー
危険度:E
補足
回復魔法を得意とする、ゴブリンの上位種。
味方が攻撃を受けると、すぐさま回復してくる、後方支援型。
近接に弱い。
ゴブリンソードマン
危険度:E
補足
剣を使った近接戦闘を得意とする、ゴブリンの上位種。
遠距離攻撃に弱い。
(近接に遠距離、統率者…流石は群れか。バランスが取れてる。)
ゴブリンの群れは、近接部隊が戦ってるのを後方から攻撃、回復するという戦法を取るため、近接が得意なゴブリンやゴブリンソードマンは量が多い。
(まぁそれでも、やることは一つ。)
零司は群れの前に飛び出て、言う。
「お前らを掃討するだけだ。」
地面を力強く踏み、思いっきり蹴る。
零司の高い敏捷力をフルに使い、ゴブリン達の前に目に見えない程のスピードで移動し、腰に差した黒刀・夜を抜き放つ。その一振りはによって起こった斬撃が、目の前のゴブリンだけでなく、周りのゴブリン達をも切り裂いていく。
(レベルが上がって、ステータスが上昇したためか、さっきより体が軽い。)
すぐさま、近くに居たソードマンに第二の太刀を浴びせる。
零司は、目にも留まらぬ速さで、ゴブリン達の間を縫っては、通りすがりに切り裂く。
すると、横には、赤く燃えながら飛んでくる火の玉が見える。
(ゴブリンメイジ…あいつらを先に殺るか。)
零司は、火の玉が飛んできた方向に突き進む。
ソードマンらが邪魔をしてくるが零司のスピードに反応する事が出来ずに、刹那の内に斬られてく。
道が開けると、杖を頭上に掲げ、魔法陣を展開する、ゴブリンメイジ達。展開し終えた魔法陣からは、いろんな色のボール系魔法が飛んでくる。
零司は、次々と降ってくる魔法を避けながら、メイジ部隊に近く。
「はっ!」
物凄いスピードで迫ってくる零司に、驚いて攻撃を辞めた1体のゴブリンメイジを斬り伏せる。
(近づけばこっちのもんだ。)
近接戦闘に弱いメイジ達をすぐさま全滅させ、奥に居るゴブリンキングに目を向ける。が、キングの前には3体の、ところどころ掛けた鉄の鎧を身に纏い、鉄の剣をこちらに向けるゴブリン達。
零司は、すぐさま看破を掛ける。
ゴブリンジェネラル
危険度:C
補足
キングが率いる、大規模な群れに数体居るゴブリンソードマンの上位種。
群れの中に存在する、各隊の司令官。
近接戦闘が得意。
(司令官か、キングまでの最後の壁と言ったところだな。)
心の中ではそう思いながらも、瞬間的にゴブリンジェネラルの前には移動し、3体を次々と斬る。
「やっと辿り着いたぞ、ゴブリンキング。」
零司は、ゴブリンキングと1体1で相対する。
グギャャャ!!!
仲間が倒され憤怒したキングは大きな声を上げ、零司を威圧する。振りおろたれた大剣を軽々と避け、空いた横腹に、渾身のケリを放つ。
ゴッッ!
と、声を上げ、体制を崩したところをすかさず攻める。
「はぁぁぁああ!」
零司の猛追にて手も足も出ない、ゴブリンキング。数秒の内にゴブリンキングはただの肉塊と化す。
「さて、と、群れの長はやった。後は残党狩りだな。」
こうして、零司たった一人による、ゴブリンの群れの斬滅戦は終わりを告げた。
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