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ドS王子の異世界召喚  作者: 深雪
2/16

第二話 召喚

第二話です。よろしくお願いします^^*

ん…どうなってるんだ…?

零司は目を覚ますと辺りを見渡す、すると周りには何十人といった人が倒れている。

(意識は皆あるようだな)

すぐ近くには、修二や神堂、白崎の顔も見える。

(起きているのは俺だけか。とりあえず状況の確認をしないとな。)

(何かのドッキリとか、そういったちゃちなものでは無さそうだ。となると…)

(薄々分かってはいたが…これは本当に、異世界召喚なのか?)

実は、零司は、隠れオタクであり、こういった異世界召喚ものの小説を読んだりも良くする。

(とすると、もしかしたらエルフと獣人とかも入るのか!?け、ケモ耳…って、今はそれどころじゃない。おそらく、この人数だと全校生徒での召喚みたいだな。)

林城高校は一学年三クラスの一クラス35人制。

全校生徒となると315人もの数がこの場所にいることになる。

(とりあえず、皆を起こすのが先決だな。そしたら沙奈がいるかも確認しないとな。)

零司は、修二、神堂、白崎の三人を起こす。

「おい、おい!起きろ。」

「んん?…っ!零司!ここは!?」

「望月君…ありがとう」

「れ、レイ君!」

「状況確認は後だ。修二は男子を、神堂、白崎の二人ほ女子を起こしてくれ。とにかく皆のめを覚まさせるのが先だ。」

「お、おう!」

「分かったわ」 「うん!」

零司は三人にそう告げると、自分も起こしにかかる。

(まずは如月先生だな。あの人もいるようだし、先に起こすのが良いだろう。)

零司は、この中で一番役に立ちそうな先生を起こす。

「先生…起きてください。」

「ん…?…!すまない望月。助かった。」

「いえ。」

先生は、すぐさま起き上がると、周りを確認する。

「ふむ…望月。お前はこの状況をどう考えている?」

零司に問う。

「何を言ってるんだと思われると思いますが、おそらく異世界転移というものではないかと。」

「異世界、転移か…」

「知っているので?」

「あぁ」

零司の顔に疑問の色が見えたのか、

「私の友達が、そういったものが好きでな、勧められて読んだことがあるんだ」

先生は苦笑しながらそう言った。

「望月の言ったことだが、私も賛成する。

第一にそれ以外に、私はこんな状況を起こすものを知らないからな。非現実的ではあるが。」

「とにかく、詳しくは皆を起こしてからだな。それが最優先だ。おーい!今起きているの者は聞いてくれ!状況の確認は後だ!今は皆で手分けして気を失っているものを起こしてくれ!」

「「「はいっ」」」


如月先生が指示を出してから約10分後。全ての生徒が目を覚ました。

「皆聞いてくれ。」

如月先生がそう言うと、今までザワザワしていた場が急に静まる。

すると一人の生徒が、

「先生ここは何処なんですか…?」

と、質問する。

その問を待っていたかのように、如月先生は話し始める。

「ふむ…その質問が今は一番大事だな。しかし私にもここが何処なのかは分からない。そして何故私達が此処にいるのかも。」

生徒達は如月先生そ話を神妙な顔をして、黙って見詰めている。

「先ほど、ある生徒から此処は、自分達が元いた世界ではなく、違う世界。つまり、異世界ではないかという事を言われた。」

ここが元いた世界ではないと、聞いた途端に、生徒達は不安を募らせる。

「だが、それは常識的にありえない。と皆も思うだろう。しかし、私は、この事に賛成だ。」

如月先生が、非常識的な事に賛成したということに生徒達がざわつく。

「確かに!非常識的な事ではあるが、今、この場で一番現実的な事だと私は思う。私達は、この場所に来る前、自分達の教室でホームルームしていた。そんな中、誰にも気付かれずに、一瞬のうちにこの人数を気絶させ、誰も知らない場所に運ぶなど、私には不可能に思える。」

的を得た説明に、誰も反論することが出来ない。

「第一に皆見ただろう。あの金色の光を。」

っ!!

そう。あの時、皆が気を失う前に見た金色の光。あの光こそが、常識的な価値観をひっくり返すもの。その光は、音もなく、急に現れた。

「わ、私達は、どうなるんでしょう…?」

一人の女生徒が、おずおずと手を挙げて発言する。

「…まずは人数確認だ。もしかしたら誰かいない可能性がある。教師は私一人のようだが、生徒は分からない。」

如月先生の指示に従い、生徒達は人数確認を行う。


数分後、人数確認が終わった。生徒の中でいないものはおらず、全校生徒がこの場所にいるようだ。

「よし…次に、この場所から出るための、扉などがないかを確認しよう。列の端の者は頼む」

「「はい」」

と、出口を探そうとしたその時。


ズズズズズ

壁の一部が音を立ててスライドした。

すると、そこから、全身を鉄の甲冑で覆った、今は見なくなった騎士の様な風貌をした集団が勢い良く入り込んできた。

「な、なんだ!?」

「きゃっ!」

いきなりの事に、慌てふためく生徒達。

(騎士か…?)

零司は突然の出来事に驚きながらも、入ってきて自分達を取り囲んだ騎士達を注意深く観察する 。

「零司。あの腰に下げている武器は本物だよな」

「あぁ、おそらく。」

修二と零司は小声で会話をする。


すると、騎士達が入ってきてから少し間を置いて、更に誰かが入ってきた。

入ってきたのは、純白の布地に金色に輝く装飾を施したドレスを身に纏う金髪の美少女。

元いた世界では、見ることが殆どない程、整った顔立ちに、男子生徒だけでなく、女子生徒までもが頬を赤く染める。

その後からは、少女とどこか似ている、荘厳な雰囲気を見に待った男が中に入ってくる。

少女は生徒達を見廻すと、深く頭を下げ、言葉を発する。

「この度、皆様を、この世界に勝手に召喚してしまった事をお許しください!本当にすみませんでした!!」

すると、後ろから付いてきた男や、騎士達が一斉に頭を下げた。

「「えっ?」」

いきなりの事に如月先生や生徒達は驚く。

そして長い間、頭を下げていた人達は、頭を上げて、生徒達を見る。

最後に頭を上げた少女は、生徒達見てから、話し始めた。

「私は、このリグルス王国第一王女のシャルステラ・フォン・リグルスと申します。この度、私達の国は異世界から勇者召喚を行いました。」

どうやら、皆を呼んだのは目の前にいる者達らしい。

「質問良いでしょうか」

と言ったのは、少女。藤堂佳莉だ。


藤堂佳莉(とうどうゆかり)

林城高校3年生。現生徒会会長にして、四大女神の一人。身長は163cm。胸は大き過ぎず、小さ過ぎない位の大きさ。いつも生徒の先頭に立ち行動し、皆を引っ張る頼れる生徒会長。男子にも、女子にも、非常に人気がある。


「まず、この世界は私達の世界とはどう違うのでしょうか?そして、私達は何故、この世界に呼ばれたのでしょうか?」

と、シャルステラに問う。

「この世界の名は、"ミスティア"と言います。ミスティアはいくつかの大きな大陸に別れており、大陸には様々な種族が存在しています。」

ミスティアにはかなりの数の種族が存在していて、代表的な種族は、まず、自分達と同じ、"人間族"。

種族の中でも、種類がたくさん分かれている

"獣人族"。

森人族(エルフ)や、 小人族(ドワーフ)などを総称した、"妖精族"。

そして、ほかの種族と度々、争いをしている、人間族の敵である、"魔族"。

魔族は数こそ少ないが、一人一人能力が人間より桁違いに高く、数の多い人間族は劣勢を敷いている。

「…その魔族の中でも圧倒的な力を持ち、他の魔族を率いているのが、"魔王"と呼ばれる存在です。」

生徒達は、シャルステラの話に驚きつつも、理解しようと黙って聞く。

「じゃ、じゃあその魔王を倒せば元に戻れるってことですか?」

他の生徒も気になっていたのか、その質問に対しての答えを頷きながら待つ。

「……いえ…この世界に魔王は、四人います。魔王を倒すのも目的ではありますが、最終目的は、魔王の上に立つ存在。'邪神"です。あなた達には邪神を倒して欲しいのです。」

シャルステラの言葉にだれもが驚きを隠せない。

「おい、おい…神を倒すってことかよ」

「そんなの、無理でしょ!」

「家に返してよ…」

相手が神だと知った途端、生徒達は絶望する。

しかし、

「大丈夫です!神とは言えど、異世界から召喚した戦士達が、束になってかかればこ倒せます!そのためにこの人数を異世界から召喚したのです!」

「でも…」

誰かが不安気な声を漏らす。

「それに、異世界から召喚した者達は、此方の世界の者達に比べ、身体能力が高くなっています。」

それでも不安な人は多い。しかし、その時、ある場所から声が上がった。

「皆!聞いてくれ!」

そう、発したのは、林城高校、現生徒会副会長。


天川光輝(あまかわこうき)

林城高校三年生。現生徒会副会長。身長178cm。成績優秀で、運動神経抜群。キラキラしたイケメンで、女子にかなりモテている。サッカー部に所属。


「皆、王女様と言ったようにら僕達には力がある!その力で、僕はこの世界の人々を救いたい!皆も付いてきてくれないか?」

天川はイケメンオーラを振りまき、生徒達に問いかける。すると、今までの落ち込んだ雰囲気が嘘のように明るくなる。

「そ、そうだな、天川が言うんだったら俺もやるぜ!」

「う、うん!天川君に付いてこう!」

「あぁ!よーしやるぞ!」


(流石キラキライケメンだな。皆の雰囲気が変わった。だが、相手は神だぞ?本当に人数だけで勝てるかどうか…)

「おい、零司もやるのか?」

零司が一人、考え事をしていると修二が聞いてくる。

「ん?あぁ。だが俺は他の奴らと一緒にはやらん。」

「え、何で?レイ君。」

「俺は一人で行動したいだけだ。まぁ正直言って他の奴らは足で纏い。」

零司は思っている事を正直に告げる。

「はぁ…本当のことだから、余計にタチが悪いわね…」

「まぁそうだよな。お前の事だから、そういうと思っていた。」

「レイ君には付いていけないからなぁ…」

三人は苦笑しながらそう言った。

(何かこいつ等、俺の事をさりげなく化け物扱いしてないか?)

「まぁ、俺は何処かで、一人抜けるつもりだから。お前等はお前等で頑張ってな。」

「おう!」

「次会った時は、レイ君より私達の方が強くなってるから!楽しみにしててね!」

「次会った時に、あなたを跪かせるわ」

「くくっ…精々頑張ってくれ!」


その後、零司は、独り考える。

(抜けるとは言ったものの、いつ、何処で抜けるか…)

(どうしたものかね……)




誤字、脱字ありましたら、指摘よろしくお願いします。

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