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ドS王子の異世界召喚  作者: 深雪
11/16

第九話 狂気と贈り物

遅くなってしまい、申し訳ありません!

第九話です!見ていって下さいませ…

森を歩いて数時間、零司は、やっとの思いで、外に出た。

「はぁ、夜になっちまったな。」

辺りは一面黒、月明かりが零司を照らす。

ゾンビ事件の後、森の終わりを探し、歩いていた零司は、いつの間にか森の中で迷子になり、太陽が沈み、夜になってしまってた。

「さてー、これからどうするかなぁ。」

手を上に、伸びをしてこれからのことを考える。

目の前に見えるのは、広大な草原。

「夜歩くのは危険だな。取り敢えず今日は野宿するか。」

暗い夜、視界が制限された状態で魔物に会いでもしたら、こちらが不利なのは言わずもがなだ。

零司は、木に身を預け、静かに眠りについた。


チュンチュン

次の日の朝。零司は小鳥のさえずりで、目を覚ます。

「ふわぁ~。もう朝か、ん?お前が起こしてくれたのか。」

欠伸をしていると、足に違和感。見ると、膝に鮮やかな青色をした一羽の小鳥が、首を傾げてこちらを見ている。

零司が微笑みながら、小鳥の頭を撫でようとした時、小鳥の黄色い嘴が音もなく高速回転し始める。

「は?」

小鳥は何食わぬ顔で、零司の足に回転する嘴を、振り下ろした。

「うおっ!!危ねぇ!…いきなり何だよ。」

間一髪で飛び退いて避けた零司。地面にはポッカリと開いた小さな穴。もし、避けるのが遅かったらと思うと、ゾッとする。

「可愛い顔しやがって…お前何者だ。」

つぶらな瞳で、未だにこちらを見ている小鳥。

少しムカつきながらも零司は、そいつを鑑定する。



キツツキ


危険度:D


補足

青色の体をした小鳥。可愛い顔をしているが、嘴が高速回転して、色々な物に穴を開ける。基本10羽で行動しており、一つの獲物を群れで襲う。

油断して、殺られる者達が多数。

火が弱点。



「こいつがキツツキとか有り得ん。…待てよ、群れって…」

何かに気づき、空を見上げる。するとこちらに向かって降下して来る()()()()。それはよく見ると、目の前で零司を見つめている生物に、よく似たもの。青色をした小鳥の群れ、キツツキの群れが零司に向かって一直線に飛んできているのだ。

「おいおい…体に穴が開くのは勘弁だぞ。」

悪態を付きながらも、零司は零司に対処する。

「ウィンドアロー」

手を斜め上前方に突き出し、そう唱えた零司の周りに、10本の風の矢が対空する。

それらの矢は、零司の意志に従い、9本は空へ、

もう1本は零司の足元へと飛んでいった。

10本の矢は、見事に全て命中する。こちらに向かって降下して来た9羽は下へと落下していき、足元にいた1羽は、衝撃により吹き飛び、事切れた。

「ふぅ、何とかなったな。しかし、寝起きすぐにしては中々きついぞ…。」

大きく伸びをしながら呟く。その後、キツツキの死体を全て回収し、水属性魔法で作り出した水で顔を洗った零司は、草原を歩き始めた。


暫く歩いて、零司は横から接近してくる何かに目を向ける。

「あれは…犬か?いや、狼か。」

緑色の毛並みをした、5匹の狼が零司の方に全速力で向かって来ている。5匹にとって零司は、格好の獲物だった。

「グリーンウルフか、そこまで強い相手では無いな。」



グリーンウルフ


危険度:E


補足

単体の場合、危険度はEだが、ほとんどが5~10匹の群れで行動するため危険度は上がる。

非常に血の気が多く、相手が自分より格上でも襲いかかる。



グリーンウルフの群れは、脇目も振らずに零司の元へと走る。零司は、腰に差した黒刀・夜を抜き、脇に構えて全速力で走り出す。異常に高い敏捷力によってのスピードは、グリーンウルフらにとって、一瞬に思えた。突然目の前に現れた存在に驚き、1番前を走っていた奴は、反射的に飛び付いてしまう。グリーンウルフの浮いた体に、勢いそのまま、夜を振り抜く。

そいつは切られたことすら分からず、地面に足をつき歩く。1歩、2歩。だが、3歩目を踏み出すことは叶わない。鼻先から縦に真っ二つに切れ目が入り、血が吹き出す。グリーンウルフは、自分の死を理解せぬまま命を終えた。

その光景を間近で見ていた他の4匹は、今目の前にいるこの人間は、自分達のにとって脅威になると、本能的に嗅ぎとり零司のまわりを取り囲む。4匹は示し合わせたかのように同時に飛び付く。それは、零司にとって絶好の機会。振り下ろした黒刀・夜を、回転しながら地面と並行に一閃。4匹のグリーンウルフの体は、4方向ほぼ同時に、上下に分かれる。血飛沫が、零司を赤く染める。戦闘による気持ちの昂りからか、あるいは、もっとどす黒い何かなのか。零司の口端はつり上がり、目は鋭く研ぎ澄まされている、酷く狂気的な笑みを浮かべていた。



零司は途中で見つけた、土が均され舗装された道を歩く。すると、少し遠くに馬車と、その周りで、動く人の影が見えてきた。

「馬車か、にしては人が多い気が…,。」

少し近いてみると、金属と金属がぶつかる音が、

「襲われてるのか?不味いな…!」

そこには、鉄の鎧を付けた4人の騎士が馬車を守るように位置どっており、それを取り囲む、革製の防具を付けた盗賊らしき集団。

一人の騎士が倒れ、明らかに騎士側劣勢の状況に、零司は駆け出す。

(間に合うか、いや間に合え!)



✕ ✕ ✕



「盗賊だ!数は20!皆、直ちに迎え撃て!馬車には1歩も近づかせるなよ!」

鉄の鎧を身につけ、厳つい顔をした一人の騎士が、他の騎士に指示を出す。前方から20人の盗賊が、この馬車目掛けて走ってくる。

(何としてでも守り抜かなければ…!命に変えても!)

オトコ達が守る馬車には余程の人物が乗っているのだろう。しかし、馬車の護衛には騎士が4人。皆、腕が立つとは言っても、相手は4倍の数。どうなるかは分からない。


案の定、盗賊達は騎士一人に対し5人が付くと言った形の戦い方をしてくる。しかも相手は、しっかりと連携が取れている。どうやら雑魚の盗賊ではないようだ。

(くそっ!このままでは…)

「ぐはっ!!」

「なっ!!大丈夫か!」

厳つい男が黙考していると、隣で戦っていた若い男が、攻撃を受けて倒れた。

「おいおい!よそ見してていいのかよ!」

盗賊の一人が男に言う。今は自分も5人を相手にしている。そのため他の人の助けなどに入る暇は無い。

(くっ!絶対絶命か…)

決して諦める気は無いが、明らかに不利な状況を目の前にし、絶望する。その僅かな隙により自分の武器が飛ばされる。もはやこれまで。盗賊が、剣を振り下ろす…ことは無かった。

目の前を見ると、上は黒い長袖のシャツ、下は黒の長ズボンを着た黒髪の少年が、先ほど剣を振り下ろそうとしていた、盗賊の顔を地面に踏みつけていた。その少年が、こちらに振り返る。驚く程に整った顔立ちに、全てを飲み込むかのような黒い瞳。

「助けは必要ですか?」

今まさに望んでいたものが目の前に差し出された。普通なら、たった一人で何が出来ると思うのかもしれない。だが、男にとって今それは、神からの最上級の贈り物。何を差し置いても一番に欲しかった。

「あぁ…」

あぁ…。その呟きは自然と口に出た。







テンプレ来たァーー!

零司の狂気的な一面も!

ドSな一面も早く…!

誤字、脱字等の指摘も、よろしくお願いします。

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