第一話 始まり
皆さんどうも!吹雪と申します^^*
初投稿ですが、頑張ります!
ここは…どこだ?
暗くて何も見えない…
うっ!腹の上に何か重圧が…
…!?今度は息が出来ない!?
く…苦しい…やばい…意識が……
ガバッ
そこで俺は目を覚ます。
「夢…か……って、お前は何をしてる?」
夢の中で腹の上に感じた重圧。
「おはよ!お兄ちゃん!」
俺の上に乗っかっていたのは妹だった。
「何って、お兄ちゃんを起こしに来たんだけど?」
「起こすのに人の上に乗る必要はないだろ!」
「それに、息が出来なかったんだが?…沙奈…お前また…」
「えへへー!チューしちゃった///」
俺の名前は望月零司。林城高校に通う高校二年生だ。
そして、朝からアホなことを言っているこの少女は、俺の妹の望月沙奈。俺と同じ高校に通う高校一年生だ。身長は157cmで容姿は誰もが認める超美少女。頭も運動神経も良い、だが一つ問題点があり、
それが…
「お兄ーちゃん!もっかいチューしよ!」
そう。超絶ブラコンなのだ…いや自分でも何言ってんのこいつって思うけど。でもそう思わざるを得ないだろこれは。
「おい離れろ!迫ってくるな!」
べシッ
「痛いっ!むー女の子に手をあげるなんてー」
そう言って沙奈は俺の上から降りる。
「はぁ、お前これで何十回目だと思ってんだよ…」
沙奈はこれをほぼ毎日する。兄妹なのでこんなことをするのは良くないのだが、言っても何一つ聞かない。
「もういいや、とりあえず朝ご飯作るから顔洗ってこい」
「うんっ」
俺達の両親は二年前に他界しており、現在沙奈と俺との二人だけでこの家に住んでいる。なので必然的に家事は一通り出来るようにはなった。
朝ご飯が出来たので二人とも席につく。
「「いただきます」」
「相変わらずお兄ちゃんのご飯は美味しいなぁ」「どうも」
軽く会話をしながら食事をする。二人の朝はいつもこんな感じだ。
「行くか」
「うん!」
家の鍵を閉め外に出る。
二人で歩き始めると、
「お兄ちゃん、昨日私の友達がお兄ちゃんに告白したって聞いたんだけど、なんて答えたの?」
と沙奈が聞いてきた。
「別に、普通に断っただけだ」
「もう、お兄ちゃんの普通は皆が言う普通とは程遠いんだからね?なんて言ったの?」
「時間の無駄だって断った」
「断り方が酷い!?はぁ…そんなんだからああ呼ばれるんだよ?お兄ちゃん」
「いや…俺にとっては普通なんだが…」
林城高校二年生の望月零司は校内一の有名人。
頭脳明晰、眉目秀麗、運動神経抜群ということで有名なのはもちろん。
だが、有名である理由で一番に挙がるのは、
告白されたら、"時間の無駄だ" の一刀両断。
年上、年下関係なく相手を追い詰めたり、辱める事が好きということ。
この事から、彼を知る人は彼をこう呼ぶ…
ドS王子と。
× × ×
二人で会話をしながら歩き、家から約十五分の場所にある林城高校に着く。
「じゃあここでな」
「うん!また放課後ね!」
学年が違う沙奈と昇降口で別れ、自分の教室に向かう。
ガラガラ
教室のドアを開けると、一斉に零司へと視線が集まる。
「あ、王子が来た」ヒソヒソ
「今日もカッコよすぎる///」ヒソヒソ
等の会話をしている者がいるが、零司は気付かず自分の席につく。すると、前から大柄な男が歩いて来る。
「おっす!零司」
「おう、おはよう。えっと…南原」
「北原だ!き・た・は・ら!」
「くくっ、おはよう、修二」
「くそぉ、最初から分かってんだからそう呼べよ!」
と、朝から零司の弄りの対象となっているのは、
零司の数少ない友人の一人。
北原修二
身長は183cmと高く、格闘技をやっているため、体つきが良い。顔が少し厳ついため、怖い印象を与えやすいが、根は優しいため周りにも好まれている。
「お前は朝から元気だな」
「そう言うお前は相変わらず人を弄るのが好きだな」
「反応が面白いからな」
と、笑い合う。
二人がいつものように談笑していると、
「おはよう、二人とも」
すぐ側から、透き通った声が掛かる。
「おっす」
「おはよう、神堂」
見て分かる程サラサラなロングの黒髪をなびかせ歩いてきた白皙の美少女。
神堂雫
身長は165cmで、腕や足はスラっとしている。胸は少し小さめ。スタイルが良く、まさに美を体現したかのような美少女。林城高校四大女神の1人でかなりモテる。
彼女は、剣道部に所属しており、去年の全国大会を制覇したほどの実力者だ。
「今日は何を話してたの?」
「あぁ、零司が昨日後輩に告られたらしくてよぉ」
「へぇ、それであなたは何て答えたの?」
修二が話の内容を話すと、雫は零司を睨み、詰め寄る。
「い、いや、断ったよ普通に!」
(怖い!怖いから睨むな!)
流石のドS王子でも、雫の睨みには勝てないようだ。
「おいおい…普通って、時間の無駄って答えの何が普通なんだか…」
「そう…断ったよね?それに、時間の…ふふっ…あなたらしい」
さっきの威圧はどこへやら、雫は微笑んだ。
そうこうしていると、三人に近づく者が一人。
「おはよー!三人とも!」
という、元気な声とともにやって来たのは、林城高校四大女神が一人。セミロングの茶色い髪をふわりとさせた美少女。
白崎奏
身長160cm。いつもにこやかで、皆に愛されてる存在。胸はかなり大きく、出るところは出ていて、引っ込むところは引っ込んでいるので、ナイスバディだ。その容姿や性格から、男子に非常に人気がある。だが、奏は他の男子など眼中に無く、いつも零司に好き好きアピールを繰り返している。その事に零司以外の殆どが気付いている。
「おはよう、白崎」
「おっす!」
「おはよう。奏」
この四人がいつものメンバーで、学校内では大体四人で居る。
「おーい、席につけー」
暫く話していると、担任が、男勝りな口調と共に教室へと入ってくる。
如月秋音
身長は169cmと高めで、女だが男勝りの口調が特徴の、零司達のクラスの担任だ。
23歳と若く、顔が非常に整っている美人。立ち振る舞いが凛々しいので、男子だけでなく女子からの人気も高い。
「ホームルーム始めるぞー」
と、秋音が言い、日直が号令を掛けようとしたその時、突如、教室の床が金色に光り輝いた。
「な、なんだよこれ!?」
あまりに突然の出来事に、誰かが言葉を発するだけで、誰も席から動けない。
だが、先生は、流石大人と言ったところか、ひとまず落ち着き、皆に指示を出す。
「皆!とにかく急いで教室から出ろ!」
皆が一斉に動き始める。
「お、おい、零司…これ…」
「わ、分からない…」
「れ、レイ君…こ、これどういうこと!?」
「奏、落ち着きなさい。望月君にも、分からないわよ…」
「う、うん…ごめん…」
四人が状況の確認をしていると、ある男子生徒が叫んだ。
「おい!ドアが開かないぞ!」
その言葉を聞き皆が慌てる。
しかし、それはもう遅く、光が教室を覆い尽くす。
そして数秒後。光が無くなった教室には、誰も残っていなかった。
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