No.2
しばらくして学校に着く。
ひったくられたカバンも取り返し、二人はクラス表が張ってある大きな掲示板の方へ向かう。
「ももちゃん何組だった? 」
「俺はC組。ってかその呼び方やめろよ恥ずかしい。」
「あたしはねーD組だった! 離れちゃったね~」
「……はぁ。もういいや。」
「おいーっす!やーやーお二人さん相も変わらず仲がよろしい事で! 」
「……まぁたうるさいのが増えたよ」
「ん? 何か言ったか? 」
このいかにも薫とキャラがもろ被ってる男。佐々木啓二。中学2年生の時に仲良くなり色々バカをやってきた。とにかくこの子はバカなのだ。
「……とーやくん? 君、今失礼なこと考えてなかったかい? 」
「っよしクラスも確認したことだし行くか。薫」
「僕はぁ!? ってか無視ですか! 」
「佐々木ぃ~あんた高校生にもなったんだから少しは落ち着きなさいよね」
「「お前が言うな」」
この3人はいつもこのような感じで楽しい日々を送ってきた。
「じゃあささっと行きますか! クラスに可愛い子いるかなぁ! 」
「お前の頭の中はいつもお花畑だな。全く」
ふと目線を外した先に目に入ってきたものがあった。
それは桜の木の下で立っている一人の少女。
もしかしたら、ただ誰かと待ち合わせをしていただけかもしれない。
なのに何故かその少女の事を気にかけずにはいられなかった。
「おい桃也。なに、可愛い子でもいたのか? 」
「なになに、ももちゃん早速目付けてん……あれまホントに可愛い女の子だ」
「桃也……桃也もやっと男になったんだなぁ」
「俺はいつだって男だ。てか別に目付けてるとかじゃなくてただ気になっただけだよ。それより教室行こうぜ」