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  作者: 槍手 持手男
2/21

2;消えた窓

ウィーン…


いらだつボクを尻目にパソコンは、ひたすらうなっていた。

我慢が仕切れなくなって、むやみにマウスをクリックしてみる。

でも、無駄にクリック音が暗闇に消えて行くだけだった。


フリーズ。


ボクはまたしたうちをした。

最近、ボクの船のこの窓は調子が悪い。

キーボードを叩いても、パソコンは怪しい光をボクの顔に当てるだけだった。

相変わらず、画面は「一家惨殺」の記事を表示していた。

ボクは胸くそが悪くなった。


ボクはいらだってパソコンの主電源を長く押す。

すると、ボクのパソコンは鈍くうなりながら眠りについた。


ーこのおんぼろが…!


せっかく、毎夜の楽しみを行おうとしていたボクだけれど、そのパソコンの不具合によってすっかり機嫌を損ねたボクは、そのままパソコンの前をたった。勢い良く5畳半の隅に置かれたベッドに倒れ込む。

そして、自然と天井に貼られたボクの天使、グラビアアイドルのまり子ちゃんと目が合う。

そのポスターの中は、永遠に夏。

まり子ちゃんは、セクシーな水着姿でボクを挑発するように見ている。


溜息。


外そうかな…、あのポスター…。


ボクはそんなことをぼんやりと考えながら,気付けば深い眠りについていた。







…。

ボクは目が覚めた。

暗い部屋に、カーテン越しにほんの少し光が差し込んでいる。

恐らく、昼だろう。

ボクは、重い体をゆっくりと起こした。

そして、慣れた手つきで、ボクのパソコンの主電源を軽く押す。


…あれ?


ボクはちゃんと押せなかったのかと、再びパソコンの主電源を押した。

ー電源がつく事はなかった。


ボクはあわててコンセントを見てみた。


ー入っている。


主電源を押すが、つかない…。


ー停電か?


試しに部屋の電気を付けたら、すぐに付いた。


ボクは一気に血の気が引いて行った。

すがる様に何度もパソコンの主電源を強く押してみる。

ー何も変化はない。


本体を叩いてみる。

ー変化はない。


…。


ボクは唖然としてそこに立ち尽くした。



壊れたのだ。


ボクの船の唯一の窓が。

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