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  作者: 槍手 持手男
1/21

1;ボクの窓

5畳半。


それはボクの世界の広さだった。

ボクの部屋、それが今のボクの世界の全て。


とはいっても、それは物理的な広さの話。

ボクは、この5畳半の部屋からいつも広い広い世界へとトリップしているんだ。

え?どうやってだって?


ふふ、それは簡単だよ、パソコンを起動して、インターネットに接続するだけ。

ボクはこの5畳半の世界からこの世界の出来事のあらゆることを知る事ができる。


パソコンはいわゆる万能な窓。

そして、この5畳半の部屋はボクの船。

ボクはこの船からは出ない事にしているんだ。色々と怖い事が沢山あるのを知ってしまったからね。

そういうものは関わらないのが一番さ。


ボクはパソコンの画面に映るニュースを見ながらふっと溜息をついた。

そして軽い尿意を感じて立ち上がる。



ボクの船はトイレがないのだけは本当に不便だな…。


ボクは薄暗い部屋のドアに近づいた。外界へ出るために。

あまり開けたくないそのドアの鍵をゆっくりと開ける。


ドアは軽い音を立てて少しだけ開いた。

ボクは恐る恐る廊下を見渡した。


誰もいないー。


今は夜中の2時。

あいつらは寝ているらしい。

ボクは堂々と扉を開けて数メートル離れたトイレへと旅立った。


用をたして、ボクはそのまま船に帰ってきた。

邪魔者に会う事もなくボクの短い旅路が一つ終わった。

無事生還。


そしてまたこの船の窓の前に腰掛ける。


画面にはさっきまで開いていたニュースの記事が映っていた。

見出しは「15歳少年、一家惨殺。」


…つまらない。


ボクはそう思って、いつも見ている18禁サイトへとトリップしようとした。

画面を変えるためにパソコンが少しうなる。


早く変われ…。


ボクはうずうずと体が火照り始めるのを感じながら画面が変わるのを待った。


…?


でも変だった。

いつもは数秒で変わるのに、まだ画面は切り替わらない。

パソコンの画面上には相変わらずの一家惨殺の記事が映ってる。


ボクはしたうちをして、いらだち始めた。

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