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失踪

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朝目が覚めると何時もなら傍らで寝ているアルビノが居なかった。

俺の与えられた部屋をくまなく探したが見付からなかった。

理解できない。

昨日は1日一緒に遊んだ。

楽しかった。

なのに今は俺は1人だ。

突然その事実に恐怖を感じた。

俺は焦る気持ちを押さえてゼノス様の執務室を目指した。


ゼノス様の執務室を乱暴に叩き続けると直ぐにフィンリルさんがドアを開けてくれた。

執務室にはゼノス様とフィンリルさん、コメラが居た。

「アルビノが居なくなった。」

思っていたより自分の声が小さくて驚いた。

俺の言葉にゼノス様が座っていたイスから勢いよく立ち上がった。

ゼノス様の顔が見てられなくてうつむいた。

「お前はあの危険な生き物を野放しにしたのか!」

ゼノス様に怒鳴られたが俺はそれどころじゃなかった。

「ゼノス様……どうしよう。俺………どうしたら良い?」

俺は小さな声で呟いた。

俺の声が聞き取れたかが解らないぐらい小さな声しか出ない。

「………ギルネストなら魔法で解るかも知れない。」

ゼノス様の言葉に少しだけ希望を持って執務室をあとにしようとしたらゼノス様に腕を捕まれた。

いつの間に側に来たのかすら解らなかった。

「あれが何かすれば俺にも責任がある。一人で背負いこむな。」

ゼノス様の言葉に俺は苦笑いを浮かべた。

「違う。アルビノが何かするから心配してるんじゃない。アルビノが居なくなったら俺が困る。」

俺はゼノス様に捕まれた腕を振り払うとギルネストの執務室を目指した。


ギルネストの執務室のドアをさっきと同じように乱暴に叩くと、ギルネストの入室を許可する声が聞こえて急いでドアを開けた。

ギルネストの執務室はギルネストと勉強中のような聖女が居た。

「ギルネスト!お願いだ!アルビノを探してくれ!」

俺は勢いよくギルネストに言った。

ギルネストの表情が驚きに変わった。

「あれを探すならお前が一番だろ?」

後ろからゼノス様があらわれそう言った。

「………城に………」

ギルネストは机の上に皮に描かれた城の見取り図を出すとぶつぶつと呪文を唱えた。

「どこに居る?」

俺の言葉にギルネストは迷うように言った。

「………城の中には………居ない。」

俺はそのまま膝らか崩れた。

アルビノが俺の側から居なくなった。

昨日はずっと一緒に居られたら幸せが続くのだと思った。

何か嫌われる事を俺がしてしまったんだ。

食べ物を口にするのが本当に嫌だったのかも知れない。

俺は昨日の俺を怨まずにはいられなかった。

「森に帰ったのでは?」

ギルネストの言葉に絶望しか生まれない。

俺は明らかなショックを顔にのせた。

「ロゼル君大丈夫だよ!猫なんて気まぐれな生き物なんだから居なくなることだってあるよ!」

聖女の言葉に俺の瞳に涙がたまった。

「そ、そう…かも、俺が………嫌われる事……したんだ……きっと。」

瞳からぽろぽろと涙がつたう。

ギルネストが息を飲むのがわかった。

「俺、どうしたら………」

俺はそのままギルネストの執務室を出ていこうとした。

「ロゼ!」

ギルネストが眉間にシワを寄せ俺の名前を強く呼んだ。

「あれは魔物だ!お前がそこまで気にやむ必要はない。」

ギルネストの言葉に俺は涙が流れ落ちる顔で無理やり笑顔を作ると言った。

「愛してるんだ。………アルビノを………俺の……存在理由だったんだ。アイツが……居たから、生きてられた。」

言葉にしたらさらに泣けた。

「アルビノじゃなきゃ駄目なんだ!」

くしゃくしゃな顔の俺をゼノス様が後ろから抱き締めてきた。

「あれは魔物だ。俺が代わりにお前を大事にしてやる。」

「笑わせんな。ゼノス様は…俺を助けられなかった……ギルネストもだ。アルビノだけが俺を救ってくれた。生きる意味をくれた。」

俺はゼノス様の手を外すと言った。

「誰の代わりが居ても、アルビノの代わりは居ない。ごめん。」

ゼノス様は大きくため息をついた。

「………わかった。俺が探してやる。俺がお前を助けられなかったのは事実だし、それを言われたら負けだと思う。獣の族長としてちゃんと探してやる。お前には格好つけていたいしな!」

ゼノス様は笑顔を作った。

「俺も探してやる。ゼノスだけに良い格好させてたまるか。俺がどれだけお前を助けられなかった事を後悔してるかお前に解らせなきゃな。」

ギルネストも優しい笑顔を作ってくれた。

「ありがとう。二人ともありがとう。」

俺は本気で二人に感謝した。

「ゼノス様とギルネスト様はロゼル君が好きなの?」

聖女の言葉に二人は顔を見合わせた。

「「そうだ!」」

躊躇わずに二人が言うと聖女は驚いた顔をした。

「だってギルネスト様には婚約者、ゼノス様には死んだ彼女が………」

聖女の言葉に二人は言った。

「サラーシェはロゼだ。」

「リンもな。」

聖女が勢いよく俺の方を見た。

俺は聖女から目をそらした。

「ロゼル君は男でしょ!」

「「女だぞ。」」

二人はさも当然と言うように言った。

なんだか涙が引っ込んだ。

「じ、じゃあ二人ともたのんだ!俺は霧の森見てくっからさ!」

俺は3人をおいて逃げ出すように部屋をあとにした。

竜のまつ竜舎まで俺は必死で走ったのだった。

二人とも優しいですね………

うん。

可哀想?

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