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アビー

ついに登場。

俺は休みを勝ち取った!

ゼノス様に頼み込み、ギルネストにはその日だけはサラーシェにはならないと宣言した!

前にもそんなことをこころみたがゼノス様と買い物をする日とかした。

勿論嫌々だったから全額ゼノス様に払わせたが………

この前の休みは、ギルネストと散歩と言う名のハイキングをさせられた。

あいつ結構アウトドア派だ。

2度と行きたくない。

サバイバルは嫌いだ。


俺は考えた。

休みを潰されない対策を。

姫様付のメイド様に頼んで村娘の服を手に入れた。

俺は村娘になりきることに決めた。

サラーシェとは違い動きやすい、苦しくない服。

俺は自分の部屋の鏡の前でクルリと一回転してみた。

髪の毛は昨日の夜からしていたカーラーのお陰で柔らかく巻かれている。

俺はベッドの上で丸くなっているアルビノを見てため息をついた。

「アル。お前を頭に乗っけたら俺だってバレちゃうよな。」

アルビノは首を傾げる。

「にゃう?」

「アル。別の生き物になれないか?」

俺の言葉にアルビノは霧に姿を変えると、大きく集まり男の姿を作り上げた。

俺が見上げるほどの身長。

白く長い髪。

赤い瞳がこれで良いか?と言っているようだった。

「アル………いや、うん。」

獣人と違って服は着ている。

耳や尻尾もない。

「普通の男だな。」

「………ダメか?」

俺はかなり驚いた。

「アル!喋れんのか?」

アルビノは首を傾げ言った。

「………なった生き物の言語で喋る。」

何故だろうか?

難いのデカイ男なのに可愛い気がする。

「アル………アルって呼んだらバレちゃうか?………アビーで良いか?」

アルビノは俺がそう聞くと柔らかい笑顔を作った。

か、可愛い!

「俺は?ロゼルをなんて呼ぶ?」

アルビノはまた首を傾た。

「………じゃあ。………エリシア。」

「エリシア?」

「……俺の本当の名前。母さんがつけてくれた名前。もう、誰も呼ばない名前。」

なぜかアルビノに呼んでほしいと思ってしまった。

「エリシア。」

アルビノはまた笑顔を作ると俺の大事な名前を呼び俺を抱き締めた。

「エリシア。」

何度も俺の名前を嬉しそうに呼ぶアルビノが可愛くて俺もアルビノの体に腕を回した。

何故だか物凄く癒されていく気がした。


暫くアルビノと抱き締めあってから、俺達は窓から外に出た。

二人で手をつないで歩いている姿はカップルにしか見えないのだろう。

久しぶりの休みに俺を守るように側にいるアルビノ。

なんだか幸せな気がした。

「アビー。楽しいか?」

「ああ。」

その時、俺の口は勝手に動いていた。

「アビーは何で俺の側にいて守ってくれるんだ?」

アルビノはキョトンとした顔をした。

「エリシアが好きだからだ。」

「え!?」

「エリシアの潔さが美しいと思った。側に居て撫でてもらえるだけで嬉しくて楽しくて心地良い。幸せが君の側にある。一緒に居てくれてありがとう。」

アルビノの言葉に嬉しいやら苦しいやら言葉が出てこない。

「エリシア。」

アルビノは整った顔をフワリと笑顔に変えた。

可愛い。

何でだ!ドキドキする。

「大丈夫か?顔が赤い!」

俺が赤面したばかりにアルビノに心配されてしまった。

「だ、大丈夫。嬉しかっただけだ。」

そう言うとアルビノも嬉しそうに笑った。

いちいち可愛い。

男に好意を向けられて嬉しいなんて思ったのは初めてだしなんだか落ち着かない。

「エリシア。あれはなんだろうか?見ても良いか?」

「うん。良いよ。」

アルビノは見るもの全てが珍しいようにはしゃいでいてやっぱり可愛い。

「エリシア?どうした?」

「楽しいな。」

俺の言葉を聞くたびにニコニコするアルビノと手をつないだまま町を歩き回った。


「魔王か。」

青い空を見上げながら俺は呟いた。

「魔王がどうした?」

アルビノに聞かれて俺は言った。

「魔王が居るから聖女が喚ばれた。けど、聖女は魔王を倒すつもりがない。まだ俺達には直接かかわりがないけど………苦しんでいる人間が居る。難しいな。世の中って。」

俺がしみじみ言うとアルビノは首を傾げた。

「魔王が目障りだと?」

「いや、見たことねえから目障りはおかしい気がするがな。」

俺が笑いかけるとアルビノも笑った。

「そんなことよりアビーは何か食ったり出来ねえの?」

「必要がない。」

「出来ないんじゃなくて?」

「必要がない。」

俺は暫く考えると言った。

「試しに食ってみるか?」

俺はアルビノを引っ張って美味しい物を探しに行った。



よくよく考えると、アルビノと喋れる事に浮かれていたのかも知れない。

その日の夜アルビノは姿をけしたのだった。

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