最強はエース
「きゅ…九尾の狐だと!!」
「知ってるんですか…その九尾の狐ってやつを!?」
「まあ名前くらいはな。てか…そんな意外そうな顔してこっちを見ないでくれ。俺がその程度の知識も持ってねえと便利屋として仕事にならねえだろ?」
「ああ…なるほど」
納得した様子のミケは、小さくあくびをして暖炉の前にごろりと寝転がった。
とても眠そうにする猫耳の少女。
現在時刻は夜中の3時過ぎ。
少女は森の中を全力疾走して疲れている。
眠くて当然だろう。
「なあミケ、質問があるんだが…いいか? 眠いのはわかってる、でも今日中に聞いておかないとダメなんだ」
「ふにゃ〜、あーはいどーぞ」
「悪りぃな眠いところ、すぐに済ますから頑張ってくれ」
〜〜〜〜〜
化け猫の国にむけ、委託書を発送し終わった便利屋本部。
「よし、発送終わりっと」
グッと背伸びをして、大きくあくびをし、眠そうにするクイーン。
それとは対に、オドオドと落ち着かない様子のジャック。
「…なによジャック、柄にもなくオドオドして」
「だって、『九尾の狐』だよ。『妖怪』に分類される種の中でも最強種。妖怪の中でも十指に入る実力者だよ。そんなのとまともに戦ったらいくらエースだって死にかねないんじゃ…」
クイーンはジャックの話をさえぎる。
「死にかねない? ふ…ふふッ…笑える。アイツがこんな事で死ぬなら苦労はない」
そう言って、薄ら笑いを浮かべそして、深くため息をつく。
「私は…エースが嫌い。いつもいつも殺してやりたいと思ってる。エースは…私にそれほどの事をした。私は…アイツを絶対に許しはしない」
…………。
空気が静まってしまった。
空気をはねのけて、ジャックはクイーンに一括する。
「駄目だよクイーン!! 今はそういう話をしているんじゃないんだよ!! エースが死んじゃうかもしれないんだよ。念のために、もう一人くらい化け猫の国に派遣した方がいい」
そう訴えるジャックを、ジト目で睨むクイーン。
「……その必要はない。本当は認めたくもないのだけれど…アイツは『最強』。アイツが負けるなんて死んでもありえない」
クイーンはそう言い切った。
ジャックも思わず押し切られてしまった。
「それに…アイツを倒すのはこの私、クイーン・ガルハートなの。私が殺す前に死ぬなんて…ありえないんだから!!」
何を言いたいのか全く理解できないでいるジャック。
(エースに死んで欲しいのか…死んで欲しくないのか…クイーンはどっちなんだ?)
そんなことを思うジャックをしり目に、クイーンは自分の寝室に帰り眠りにつくのだった。




