第十八話 最終決戦
ようやくここまで来ました。(長かった)
九人の援軍たちが、九体の異形の龍と戦い、各個撃破している時、時を同じくして神司部&冒険部は、龍達の首魁であるオニキスと最後の戦いを始めた。
「ファイアーボール!!」
「ライトニング・ブラスター!!」
皆がそれぞれバラバラに散ってから、その場に残った江美は一枚の技カードを行使し、雷花は武器であるライトニング・トールハンマーに電流を纏わせ、大きく振るった。その結果、江美の傍のアーケロンドは口から火球を吐き出し、ハンマーは電流の玉を作り上げてそれを発射し、二つの球はオニキス目掛けて飛んで行った。
「はぁっ!!」
その一撃を、オニキスがジャンプで回避すると、江美は空を見てこう叫んだ。
「今だよ!!」
すると、
「よっしゃあ!!」
上空で待ち構えていた。直樹の聖獣であるフレアノドンがオニキス目掛けて飛来した。
「もう一回落ちて貰う!!」
飛来したフレアノドンはこう言うと、跳んでいるオニキスの頭上すれすれを炎を纏った状態で掠めて行き、その際の風圧でオニキスを地面に落下させた。
その後、
「追撃頼む!!」
と、フレアノドンは地上に居る面子に言った。
「良し!!!!!!」
彼の言葉が響くと同時に、小雪、迅、刹那、直葉、薫、麗奈の六人が飛び出し、それぞれが持つ刃を構えると、
「我流斬馬刀奥義、冷刀!!」
「破魔之御剣!!」
地面に何とか着地したオニキスを、最初に小雪の斬馬刀と迅の剣がすれ違いざまに切り裂き、
「常闇之三日月!!」
「技は無いからパス!!」
続いて、刹那は闇を纏わせた銀狼刹牙、直葉は聖装であるナイフで一閃し、
「ジェットスラッシュ!!」
「はぁぁぁ!!」
最後に、薫の持つブレードと、麗奈の持つ忍者刀が、オニキスを一閃して行った。
「だったら、大寒波!!」
三回にわたり、合計六回の斬撃を受けたオニキスは、斬られた箇所の痛みを堪えながら全身より冷気を放った。この一撃は、気圧を歪める事で突風を発生させる技であり、オニキスの属性である「氷」特有の冷凍効果は無いが、相手を大きく吹っ飛ばすことが出来る。
「くぅぅぅぅ!!」
オニキスの一撃を受けた事で、攻撃を行った六人は大きく吹っ飛ばされた。しかし、ただでは終わらない、
「ギュオンズ、覚醒しろ!!」
薫は吹っ飛ばされながらも、一枚のカードをブレードに付いた溝にスキャンさせた。その結果、ブレードの切っ先より光の球体が現れると、消耗している為激しい運動が出来ないアリスティーナの傍に控えるギュオンズの元へと飛んで行った。
「Xprogram install!!」
光の球体を体内に取り込んだギュオンズがこう言うと、彼は今までの手足が短い代わりに体が大きく、安定感のあるボディから打って変わり、ドラゴンを思わせる姿になった。
「お願いね、13のエレメンタル・スピリット!!」
ギュオンズの変形が終了すると、アリスティーナは自身の体内より、13人居る自身の戦力である「エレメンタル・スピリット」を呼びだすと、変形したギュオンズの体内に送り込んだ。強力な力を持つゆえに、その力に振り回されてしまうギュオンズの戦闘をサポートする為、その力の制御要員としてギュオンズの中に送り込んだのだ。
「これで良いわ。」
アリスティーナがこう言うと、ギュオンズは一回僅かに頷くと背中の翼を展開し、光の粒子を推進力に飛び立った。
その際、彼の中のエレメンタル・スピリッツはギュオンズを制御しようとしたが、予想外に強く、またどのような要素に関連しているのか分からない謎の力を受けて、苦しんでいた。
「な、何だこれ?! 聞いている以上に強力だぞ!!」
「しかも、この感じは自然界に存在する力じゃ無い!!」
エレメンタル・スピリッツの一部が、苦しみながらアリスティーナにこう言うと、
「少しだけガマンして!!」
と、アリスティーナは言った。
その件の不完全覚醒状態のギュオンズは、翼で飛翔しながらオニキスに接近すると、両手と両足、尾の先端を光の刃を射出する機関に変形させ、彼の発生させた寒波を切り裂きながら接近し、
「うおぉぉぉぉ!!」
オニキスの元へと飛来し、五つの刃を高速で振り回し、彼を攻撃した。
「くっ!!」
オニキスは最初の一撃を、一瞬の内に外気を凍らせて作り上げた刃で受け止めると、すぐさま姿を恐竜並みに巨大な九尾の狐姿に変化させ、尾の先に先ほどと同様のやり方で作り上げた刃を装着させると、ギュオンズと剣劇を始めた。目にも止まらない速度で剣を交える事十数秒、ギュオンズの両腕の剣と、オニキスの尾に付いた四本の刃がぶつかりあうと同時に、両者は一旦距離を取った。
「石像の………。」
距離を取ると同時に、オニキスは自身で編み出した、今まで受けた攻撃によるダメージを、相手に返上する技を発動させようとした。しかし、この時になって気が付いた事だが、ギュオンズと剣劇を繰り返す間に、既に天堂千歳、浅木恭弥、御剣迅、雨月雫、鳴神雷花の六人によって、オニキスは取り囲まれていた。
その状態で、
「妖炎弾、九尾乱閃!!」
まずは千歳が、清嵐九尾からサッカーボール大の火球を大量に発射し、
「如意棒、竜蛇撃震!!」
続いて、恭弥は蛇のように動き回るようになった如意棒を、オニキス目掛けて伸ばし、
「暴れな……サイクロン・ブレイカー!」
それに続き、迅は周囲の風を集める事で巨大な竜巻を作って飛ばし、
「逆巻け、螺旋の如く!アクア・スパイラル・ランス!!」
最後に雫の投げた槍は、高速回転すると同時に水を身に纏い、全てを飲み込む渦となって飛来した。
この戦いの前にあったとある戦いで、ある敵を倒すために作り上げた合体技「五行思想」である。と言っても、その時は五行思想の中に存在しない力で技を分解され、それぞれに対応した技を出される事で攻略されている。だが、今回はそれだけでは無い、
「助太刀します!!」
「パーフェクトブリザード!!」
適当な位置にやって来た小雪が、斬馬刀の刀身に一枚の技カードを翳すと、傍に控えるビッグフットは全身から吹雪を飛ばし、
「ブルム・レーザー!!」
また違う場所に飛来した竜皇バロン・サムディは、口から光線と言っても過言では無い勢いの火炎を吐き出し、
「主砲、サイクロン・ノヴァ!!」
一旦離れる事で、オニキスと距離を取ったギュオンズは、口の中に搭載されている砲門より、自身のエネルギーを集中させて放つ破壊光線を放った。
炎、大地、雷、風、水、そこに更に、氷、光、鋼の属性を追加した、名付けて「八行思想」がオニキスへと襲い掛かった。その際、更に彩妃とイスフィールが、
「ビートアップ・サウンド!!」
「はい!!」
彩妃がギターに付いているスロットに一枚の技カードを差し込むと同時に、イスフィールは笛としての機能を持つ、先端にト音記号の装飾が付いた錫杖を用いて、場に会った壮大だが気分の高揚する音楽を奏で始めた。この技には、味方の気分を高揚させる事で、技の破壊力と精度を倍加させる効果があり、この音楽が流れると同時に、放たれている八つの技の威力が、同時に上昇した。
「良し、このまま圧しきれるか?」
ギュオンズの近くで、八つの攻撃が集中している箇所を見て居る薫はこう言ったが、
「はあぁぁぁぁぁ!!」
攻撃を受けるオニキスは、全身から冷気を発する事で全ての攻撃を凍結させる事で停止させると、そこから大きく跳んで周囲に氷柱を飛ばした。
「うわぁぁぁ!!」
大量の氷柱が攻撃を行ったメンバーに襲い掛かり、皆は思わず悲鳴を上げた。
その頃、この戦闘の中でまだ一度も動いていない、蓮宮天音と綾小路源はと言うと、皆が戦いを繰り広げる様子を少し離れた場所で見物していた。と言うのも、戦いを始める直前で決められた二つの事、
「とにかくチャンスを見つけたら容赦なく攻撃する事。」
「蓮宮天音と綾小路源は、最後の最後まで取っておく事。」
の為である。前者はこれまでの戦いで、あらゆるものを歪めるオニキスに、そもそも根本的に有効な攻撃方法が無い事で決まった事で、後者は、オニキスの過去を知る二人しか彼の心に届く攻撃は出来ない、と言うためである。
「ああ、加勢に行きたいけど、エネルギーのチャージ具合が。」
戦場を見る源の聖獣が融合した姿「メタルドラグーン」は、銃身を眺めながら言った。ゴールデンドラゴンとの戦いで弾を使い切った上に、連戦によってかなりの霊力を消費している為、出力が中々上がらないのだ。
「だから言ったじゃん、ここぞの所まで回復に徹するって。」
源がメタルドラグーンにこう言うと、天音が彼に訊いた。
「それは良いとして、奴を倒す算段は付いているのか? あらゆる事象が歪められる以上、俺達の攻撃は何も通用し無い筈だぜ。」
この問いに、源はこう言った。
「勝ち目が有るとすればただ一つ、奴の心を斬る。」
「心を?」
源の言葉に、天音は疑問を覚えた。心と言うのは、人間の持つ物の中で唯一、その実態を持たない物である。その為、万物による干渉を全て無効とする。そんな物を、どうやって斬るのか、と。
そして、オニキスと戦う神司部と冒険部、その協力者達の戦いは、佳境に突入していた。
「スピアーヘッド!!」
「雷電脚!!」
「ヴァルキリー・ストライク!!」
名取修が聖装の槍に三枚のカードを差し込むと、彼の聖獣である「クラーケン」「オーディン」「レギンレイヴ」が飛び出し、クラーケンは頭突き、オーディンは電流を纏った足と鉤爪で蹴りを、レギンレイヴは槍を突き出して攻撃を行った。
「甘い!!」
対するオニキスは、巨大な九尾の狐の状態から打って変わり、最初に見せた美女の姿に化けると、柔らかくなった動きで三つの攻撃を優雅に回避すると、
「出直して来なさい!!」
手に大きな扇子を出現させると、それを大きく振るう事で冷気を含んだ強風を巻き起こし、三体の聖獣を一度に吹き飛ばした。
「あ、危なかった。」
攻撃を防いだオニキスが、一息つきながら言った瞬間である。
「今度はこっちだ!!」
と、彼女の背後から、突如声が響いた。その方向を見ると、そこには高城博明と松井祐介、祐介の聖獣のハイドラが居た。
「喰らえ! アクアストリーム!!」
聖装のライフルを構える博明は、二枚のカードを聖装の中に装填すると、引き金を引いた。それにより、装填した聖獣カードと技カードが発動し、長い二本の角を持つカブトムシの姿を取る聖獣「ネプチューン」が、全身に水を纏い、高速回転した状態で飛び出した。アクアストリームと言うのは、水属性の聖獣誰もが使える技で、渦潮を全身に纏って突進する技である。ただの突進では無く、全てを吸い込む渦潮の特性を持っているが故、逃げても相手を補足し続け、更には命中した時、回転による追加ダメージを与える事も出来る。
「水の突進? 凍らせれば。」
オニキスは飛んでくるネプチューンを見てこう呟くと、両手から冷気を発してネプチューンを覆っている水を凍らせて、彼の動きを止めようとした。しかし、ネプチューンの纏う水からは、蒸気のような煙は出るものの、一向に凍りつく気配が無い。
「な、何が?」
オニキスがこう思った瞬間である、博明と一緒に居る祐介、ハイドラの意味を理解する事が出来た。当初オニキスは、この両者は博明とネプチューンの攻撃が失敗した時の保険として、両者の後ろで控えているのだと思った。しかし、彼らはそれだけの為に居るのでは無かった。
「追い炊きダークヒドラってな。」
既に技カードを聖装の鉄扇で読み込み、ハイドラが十本の首から火炎を吐き出す所を見ながら、祐介はこう言った。ハイドラは自らの吐き出した火炎をネプチューンに浴びせる事で、彼の飛翔の速度を上げると同時に、水の温度を上げる事で水が凍らないようにしているのだ。氷は水を凍らせるが、熱湯は凍らせる事は出来ない。
「そういう事かよ。」
オニキスは女性の姿から、少年の姿になって言った。そして、自身の手に途轍もなく巨大な氷の塊を作り上げると、
「氷山落とし!!」
手にした氷塊を振り回す事で、飛んできたネプチューンを弾き飛ばすと同時に、氷塊を投げる事で自身から見て遠くに居るハイドラも攻撃した。
「ぐわぁぁぁ!!」
吹っ飛ばされたネプチューンは、空中でカードに戻ると博明の手元に戻り、博明はそのカードを回収すると、
「危ない!!」
祐介と共に、その場を飛んで離れる事で氷塊を回避した。取り残されたハイドラは、
「ダークヒドラ!!」
再び十本の首より火炎を吐き出し、飛んできた氷塊を消し飛ばした。
一方、飛んで回避した祐介は、ある方向を見てこう言った、
「それじゃあお三方、お願いします!!」
この声が響くと、
「ええ!!」
「一発だけだけど、頑張ります!!」
最初にウンディーネ、次にミステリアの声が響き、ウンディーネは水色のオーラを纏った拳、ミステリアは茜色のオーラを纏った拳を、それぞれオニキス目掛けて突き出した。
「強化腕力、水拳!!」
「とある日暮れの青春男子の語らい!!」
両者が技名を呼称すると、両者の拳はオニキスの体を捉え、彼の体を大きく吹っ飛ばした。しかし、これだけでは終わらない、
「うおぉぉぉぉぉ!!」
一足先に上空へと上がったバロン・サムディが、全身に炎を纏った状態で急降下してきた。
「龍・星・拳!!」
バロン・サムディが技名を呼称すると、全身に纏った炎は彼の拳に集中し、彼は急降下する速度に乗って、空中へ吹っ飛ばされたオニキスを殴り飛ばした。
「ぐわぁぁ!!」
さらに殴り飛ばされたオニキスは、少年から巨大な九尾の狐の姿に変わり、大きく飛んでとある場所にある雪溜りの中に突っ込んだ。
この様子を見届けたバロン・サムディは、こう叫んだ。
「止めを刺すには今しかない!!」
この声が響くと同時に、彼の頭上を二つの陰が掠め、更にもう一つの陰が掠めて行った。
最初にバロン・サムディの頭上をかすめたのは、綾小路源とメタルドラグーンであり、それに続いて蓮宮天音が飛び出した。
(くっ、どうする?)
飛び出した後も、天音の懸念は消えなかった。彼は今だに、オニキスを倒す手立てを考え出せていないのである。
(しかし、彼は一体何を考えている?)
その中で、先に飛び出した源の姿を見ながら、天音はこう思った。天音が源にある事を聞いた時、彼はこう答えた、
「心を斬る。」
と。その意味が良く分からないのである。
一方、その源とメタルドラグーンはと言うと、
「メタルドラグーン、あれで行くぞ!!」
「了解!!」
自身の持つ六体の聖獣全てを融合させた聖獣「メタルドラグーン」の背に乗って、彼に一言声を掛けると、メタルドラグーンはすぐにそれを理解し、左腕をオミットするとその分のエネルギーを右手に集中させ、巨大な一振りの光の剣を作り上げた。
メタルドラグーンの右手の光の剣は、源の霊力を受けてどんどん巨大化して行き、五色の輝きを放つようになった。その瞬間、源の体内に秘めた霊力が激しい迸りを始め、周囲を包み込んだ。彼が何か強い感情を心中で覚醒させた時、この状態が発生するのだ。
「皆、手を翳して!!」
霊力を感じ取るや否や、江美が皆にこう叫び、彼女の言葉の意味を分かっているメンバー、彩妃、祐介、修と、彼らの聖獣達は上空へと手を翳し、自身の持つ霊力を源達に向けて送り出した。
「俺達も!!」
「受け取って!!」
それに続いて、薫、直樹、祐介、直葉、小雪とその聖獣達も同じようにして霊力を送り、
「微力だけど。」
「協力してやる。」
ウンディーネ、バロン・サムディも、彼らに続いて霊力を送り始めた。
「こ、これは?」
「様々な属性の力が混ざり合って、一つの混沌を作り上げている。」
「でも、優しくて……暖かい……」
何が起こっているのかと、それを行う面子は何でそれを行っているのか、それがさっぱり分からない冒険部の面々は、様々な色の力が立ち上り一つに固まり、様々な色を持ちながら何色でも無い、混沌の力と変わっていく様を見てこう言った。
そんな面々に、唯一霊力の提供に参加していないミステリアが、説明した。
「複数部族の聖獣を持つ源だからこそ出来る技の為の下準備です。と言っても、今回は技を出すためのエネルギーを、皆の想いで埋め合わせているのですけど。」
「皆の想い?」
千歳の言葉に、ミステリアはこう言った。
「その剣、必殺にして不殺、あらゆる者を断つ剣で万物を断たず、幾多の戦いは終わりを迎える。相手はその威光に戦意を捨て、降伏を示す。」
「?」
ミステリアの言葉に、皆は揃って疑問符を浮かべた。意味がさっぱり分からないのだ。だが、今は力を一つにする事こそが重要なのだと言う事を理解できていない訳では無いので、皆は、
「私たちの力も!!」
「受け取れ!!」
自分たちの使うアーティファクト・ギアを掲げ、自分達と聖獣、アーティファクト・ギアの持つエネルギーを上空へと送り込んだ。
上空の源とメタルドラグーン、そして遅れるも何とかメタルドラグーンに追いつき、その背に掴まる事に成功した天音は、神司部と冒険部、彼らに協力する聖獣達の送ったエネルギーを受け取った。
「良し来た!!」
「奴らのエネルギーだな。」
「俺にもか?」
皆の想いが籠ったエネルギーを受け取り、より自身の発するエネルギーを迸らせた源とメタルドラグーンに対し、天音はエネルギーを受け取り体に力がわき上がるも、相手を倒す方法が分からない自分まで受け取って良いのかと思った。
しかし、メタルドラグーンはこう言った。
「これは俺と源、そしてお前の三人。奴の過去と奏楽さんの想いを知るこの面子だからこそ出来る芸当だ。抜けるなんて言わせない。」
この一言に、
「じゃあ、俺は何をすれば良い?」
天音がこう訊くと、源はこう言った。
「とにかく、僕とメタルドラグーンに合わせて剣を振って!!」
「話し合いも良いが、そろそろ黙ってくれないか、舌を噛むぞ!!」
すると、メタルドラグーンが標的であるオニキスの居る方向を指差し、こう言った。オニキスは大量の氷柱を作り上げ、迎撃の態勢を整えている。
「アイシクルマシンガン!!」
やがて、必要分の氷柱が準備できたのか、オニキスはそれを飛翔して自身に迫るメタルドラグーンに向けて放った。しかし、メタルドラグーンは背中に源と天音を乗せている言う状態でありながらも、柔らかい飛翔見せて氷柱の間を潜り抜けて行く。その為、メタルドラグーン当人は愚か、その背の二人にも氷柱は掠りもしなかった。
「な、あれだけの数の氷柱を全て躱して、しかもあの速度で飛翔だと?!」
オニキスが驚くと、メタルドラグーンは最後の氷柱を回避し、オニキスの近くへと迫った。この距離では源と天音は勿論、メタルドラグーンの剣も届かないが、彼らの行う攻撃は傷つける事が目的では無いので、距離は余り問題とならない。
「行きますよ!! 蓮宮さん!!」
「え? ああ!!」
源が声を掛けると同時に、天音も改めて自身の双翼鳳凰剣を構えた。その時、中に居る自身のパートナー「白蓮」は、こう言った。
「オニキスをすくってあげよう!!」
「勿論だ。」
白蓮の言葉に、天音は改めて決意を構えて剣を握った。その瞬間、源の持つ聖装の大剣や、メタルドラグーンの光の剣と同様に、剣には五色の光が宿り光り輝き始めた。
その様子を見て、源とメタルドラグーンは互いに頷くと、メタルドラグーンは剣を構え、源と天音はその背から飛び出し、オニキスへと迫って行った。
「皆の想い!」
「そして、奏楽さんの想い!」
「受け取って貰うぜ!」
源、天音、メタルドラグーンの順番にこう言うと、三者は同時に剣を振り下ろした。その時、天音の頭には技の名前が自然と浮かんできて、気が付いた時にはその技名を叫んでいた。
「五色……斬完刀!!!!!!」
四つの刃が地面にと叩きつけられた瞬間、激しい霊力の奔流が巻き起こり、周囲の地面を激しく瓦解させながら周囲を包み込み、やがて全てを飲み込んだ。




