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聖獣王伝説  作者: 超人カットマン
聖獣王伝説×アーティファクト・ギア クロスオーバー第一弾 未来襲来編
39/55

第十三話 VSオニキス

 前回までの粗筋(出来事を三つ挙げる)

 とうとう、アリスティーナが冒険部&神司部に合流する。

 復活した異形の竜達を、現れた援軍が対処していく。

 源と天音の行った融合契約が成功し、天音が戦場へと赴く。

 神司部と冒険部の面々がオニキスを倒す方法を模索し、復活した異形の竜達を、戦場に駆け付けた植物女皇、機械皇とその配下、ポラリスとフギン&ムギン、どこの誰かも分からない味方達が対処している時、時間稼ぎ、あわよくば自分たちで倒そうとオニキスに向かって行った、ウンディーネ、バロン・サムディ、ミステリアはと言うと、

「はぁぁぁ!!」

 最初にウンディーネとミステリアが飛びかかると、大剣と細剣で斬りかかった。対するオニキスが、氷の剣で受け止めると、

「喰らいな!!」

 バロン・サムディが上空から急降下し、その勢いに乗せて口から火炎を吐き出した。

「? 氷壁!!」

 上空を見たオニキスは、姿勢を低くしてウンディーネ、ミステリアの攻撃を回避すると、頭上に氷の壁を作り上げ、自身の身を守った。その為、氷の壁の上に居た両者に火炎が迫ったが、ミステリアの「空断(エアブレイカー)」で瞬間移動を行うと、攻撃を回避した。その為、氷の壁にあたるだけに留まった火炎は、氷を少しだけ溶かした。その為、氷の表面に大量の水滴が発生した。

「うわぁ、バロンの火炎で水滴って、どんだけ冷たいの?」

 様子を見ながらミステリアがこう言うと、

「彼の心を表しているのかしらね? 表面上ではそれなりの対応はするけど、深くなれば深くなる程、心を凍てつかせて他者との接触を拒む。」

 ウンディーネは、こう分析した。

「ちょっと待て!バロンってまさか俺の事か?ロリ皇?」

 そんな中、バロン・サムディはミステリアに見当違いな事を聞いていた。

「私の事をいつもロリ皇何て呼んでいる仕返しです。」

 ミステリアがこう返すと、邪魔と言う事で自ら作った氷の壁を自身で破壊すると、オニキスは外に出てきた。

 一息を付いている彼に、ミステリアはこう言った。

「貴方に一つ訊きたい事が有ります。」

「答えられる範囲でお願いします。」

 オニキスがこう言うと、ミステリアはこう訊いた。

「貴方にだって貴方なりにやりたい事が有るのだと理解します。なので、貴方が何故こんな事をしているのかを問いだすつもりは有りません。ですが、綾小路源、この問いには何が有ろうと答えて下さい。あの異形の竜達は何なんですか? 貴方はドラグーン使いだった筈です。言いたくは有りませんが、あんな相性の悪い面子をかき集めるくらいなら、貴方のベストメンバーを集めて、適当な事を言って従わせた方がよほど貴方に有利に動いたはずですよ。」

 彼女のこの問いに、オニキスはこう言った。

「元の連中とは3000年くらい前に別れましたよ。それに、波長が合わずとも問題は皆無です。元々連中を当てにはしてませんし。」

「うわぁ、アイツら聞いたら泣くぞ。」

 彼の連れてきた異形の竜達と、小悪魔グレモリーに対する散々な言い方に、バロン・サムディが思わずこう言うと、ウンディーネはこう言った。

「それにしても、変わりましたね。」

「変わったかな? 元からこんなだったと思うけど。」

 ウンディーネの言葉に、オニキスがこう返すと、

「いいえ、変わりましたよ。貴方がこの世界に何を奪われ、何に裏切られたかは知りません。ですが、私の知る貴方はそういう傲慢な考えを、誰よりも許さない人物だった筈です。」

 ウンディーネはオニキスに対し、こう発言した。これは全て、以前自分とオニキスの過去である源が激突した折、自身を至上とする考えを持つ者に対する態度から、彼女が読み取った彼の人格である。

 しかし、オニキスはウンディーネがこう言うや否や、全身から邪気を発しながらこう言った。

「何に裏切られたか知らない?他でも無いアンタがそれを言うかよ………何もしてくれなかったくせに…………」

(何もしなかった? まさか何か因縁があるのか?)

 オニキスの言葉に、バロン・サムディがこう思った瞬間である。オニキスは周囲に火の玉と思われる物を三つ作り出し、それをウンディーネ達に目掛けて投げつけた。

「狐火ですか?」

 ミステリアがこう言うと、ウンディーネは掌から大量の水を発射し、狐火を消そうとした。しかし、炎に水が当たった瞬間、水は一瞬の内に凍りつき、粉々に砕け散った。

「炎を模した冷気?」

 ミステリアがこう言うと、バロン・サムディは口から火炎を吐き出し、狐火をかき消そうとした。しかし、狐火は一向に勢いを失わず、逆に炎の方が勢いを失っている始末である。

「それは俺の使える特別な冷気。傍から見れば冷たい物質だが、肌に近づければ火傷する。」

 オニキスがこう言うと、狐火はウンディーネ達の居た場所に着弾した。そこではまず最初に雪が解けた後、問けた氷水が一瞬で凝固し、氷柱を何本も作り上げた。

「な、何あの攻撃?」

 攻撃を回避したミステリアがこう言うと、同じように回避したウンディーネはこう言った、

「とにかく、今は速攻で決めます。息を合わせて下さい。」

「息ですね、分かりました。」

 ウンディーネの言葉に、ミステリアはこう返すと、先ほどの攻撃を回避すると同時に高速で飛翔し始めたバロン・サムディに、こう言った。

「バローン!!体貸して!!」

「ん?」

 この時バロン・サムディは、彼女の言葉の意味を、

「連携するから背中に乗せて!!」

 と受け取っていたが、ミステリアは驚くべき事をした。突如バロン・サムディの目の前に、あらゆる物の境界に存在する切れ目を、空断で開けると、そこにバロン・サムディを放り込んだのだ。

「な、何じゃこりゃ?」

 切れ目の中に入ったバロン・サムディがこう思うと、彼の意識と体は外に出る事が出来た。しかし、出て来た場所が問題だった。彼の体はそれぞれミステリアの、胸に頭、背中に翼、爪は両手両足、尾はお尻に現れた。

「な、何じゃこりゃ!!」

 バロン・サムディが思わず大声を上げると、

「あ、あぁぁ、振動させないで………♡」

 顔を赤らめながら、ミステリアが言った。

「と言うか、何だよこれ?」

 バロン・サムディが訊くと、ミステリアはこう答えた。

「今考えました。ミステリア・ドラゴンバージョン。」

 カッコいいでしょう、とでも言いたげなミステリアに、バロン・サムディはこう言った。

「ふざけるな!さっさと元に戻せ!!」

 バロン・サムディがこう言うと、ミステリア達の居場所に気が付いたオニキスは、そこに目掛けて大量の氷柱を投げつけた。

「危ない!!」

 ミステリアはそれを見るや否やこう叫ぶと、バロン・サムディと合体している状態で、普段よりも巨大な翼をはためかせて飛び出し、氷柱に向かって行った。力強くも柔らかい飛翔で氷柱の間を潜り抜けると、尾で氷柱を打ち落とし、両腕両足の爪で粉みじんに砕いて行く。

「あははは、コレ凄く強いし楽しい!!」

 戦っているミステリアは楽しそうだが、バロン・サムディは、

「言っておくが、全部俺の力だぞ!」

 若干不機嫌なのか、こう言った。

「良いじゃん!!」

 しかし、ミステリアは彼の不機嫌を全く気にしていないのかこう言うと、オニキスと自分との距離が一定まで近づいたのを確認し、彼にこう言った。

「火炎出して!!」

「……はいはい。」

 彼女の一言に、自分がこの状態から解放されると言う事を諦めたのか、バロン・サムディはこう言うと、口から火炎を吐き出した。その際、ミステリアは指で印を切ると、バロン・サムディの頭にある加護を与えた。

 その結果、バロン・サムディの吐き出した火炎は、熱量、勢い共に通常の数倍まで膨れ上がっており、飛んでくる氷柱を一瞬で消滅させたにも関わらず、炎の威力は全くと言っても良い程落ちてはいなかった。その為、オニキスは何重にも氷の壁を作ると、短い時間だけではあるが壁が炎を止めている間にその場を離れた。

 オニキスが発生させた氷の壁を、バロン・サムディの火炎が消し飛ばすと、発生した湯気の中から、水を用いて数十人に分身したウンディーネが現れた。

強化(ハイパーブースト)!!」

 ウンディーネは自身の使う皇技である「強化」で、自身の運動能力を一時的に何倍にも強化すると、本人、分身共に拳を振り上げ、一斉に切りかかった。

「虚像連速剣!!」

 防ぐのならともかく、回避するのはまず不可能とも言える連続攻撃だが、オニキスは少しも慌てなかった。彼には、この状況を何とかするだけの技があったのだから。

「消耗転化!!」

 オニキスがこう叫ぶと同時に、彼の姿は頭に銀色の毛で覆われた耳、フサフサした九本の尾を持つ少年の姿から、胸元、両手両足、背中、お尻にバロン・サムディの特徴を持った状態になっている、ミステリア本人の姿になった。

「? バレバレな変装を!!」

 ウンディーネはこう呟きながら剣を振り下ろしたが、当のミステリアの姿になったオニキスは、剣を必死の形相で受け止めると、ウンディーネにこう言った。

「み、味方を斬らないで下さい!!」

「み、味方?」

 ウンディーネがミステリア?の言葉を疑問に思った瞬間である、背後から巨大な氷柱を持ったミステリアが現れて、両者を串刺しにしようとした。

「?!」

 ウンディーネがそれにギリギリで気が付き、強化で脚力を高める事で跳んで回避すると、ミステリア?は長く太い尾を一閃して、ミステリアの体を大きく吹っ飛ばした。その結果、吹っ飛ばされたミステリアは、オニキスの姿に変化した。

「化けると同時に、入れ替わったのね。」

 その様子を見ながら、ウンディーネはこう思うと同時に本物のミステリアの近くに近寄り、こう言った。

「こうなったら、合体技で行きましょう。」

「合体技? 私は良いですけど、バロンはどうですか?」

「俺も構わないが…と言うか、さっさと解放してくれないか?」

 ウンディーネの言葉に、ミステリアとバロン・サムディがこう言うと、

「では、行きましょう!!」

 ウンディーネはこう言って、強化と分身を合わせて周囲に散った。それと同時に、ミステリアは全身の魔力をバロン・サムディの体に送り込むと、こう言った。

「息を合わせますよ! 強化魔法! C(クロス)M(マギ)E(エフェクト)!!」

 その結果、バロン・サムディは魔力を送り込まれた事で、これから与えるダメージの量を格段に引き上げると同時に、ミステリアの使う空断の力を得る事が出来た。バロン・サムディは、得た力を全開まで高めると、

「空断ブルム・レーザー!!」

 自身の目の前に空断によって作り上げた切れ目を発生させると、そこに強化された光線と言っても過言では無い勢いを持つ火炎「ブルム・レーザー」を打ち込んだ。その後、オニキスの周囲を埋め尽くすようにして、空間に切れ目が開くと、そこからブルム・レーザーが大量に現れた。

「な、弾幕?」

 周囲を見回したオニキスがこう思った瞬間である、周囲に散ったウンディーネは、分身と共に小さな水の渦を作り上げると、それを用いて水の鏡を作り上げた。それにより、放たれた光線は水の壁にあたると、不規則な軌道を描いて反射し、再びオニキスに襲い掛かった。

「逃げ場を作らない、水鏡竜光幕!!貴方には悪いけど、そのまま燃え尽きなさい!!」

 勝利を確信した訳では無いが、かなりのダメージを与えられると確信したウンディーネは、こう宣言した。





 しかし、今にも攻撃を受けそうなオニキスは、全く慌てなかった。彼は一回息を吸って吐くと、こう叫んだ。

終焉の氷河期(ラグナロク・アイスエイジ)!!」

 その結果、彼の周囲から凄まじい冷気が迸ると、ウンディーネが作った水の渦を消し飛ばすと同時に、ブルムレーザーを凍りつかせると、ウンディーネ、ミステリア、バロン・サムディを包み込むと同時に、吹き飛ばして見せた。

「あ、あぁぁぁぁ!!!!」

「きゃぁぁぁぁ!!!!」

「ぐわぁぁぁぁ!!!!」

 上から、ウンディーネ、ミステリア、バロン・サムディの順番である。吹っ飛ばされた三者が地面に激突すると、オニキスはこう言った。

「侮らないで貰おうか、一応とはいえ、3000年くらい前にお前らに勝った相手だぞ。」

「そ、そうだった………」

 オニキスの言葉に、三者が同時にこう思い、これはとうとう拙いと感じ始めた、まさにその瞬間である。三者にとってある意味で待っていたタイミングがやって来た。

「さあ、Show Time Againだ!!」

 こう言う声が響くと、全身にフルフェイスの鎧を身に纏った何者かが現れ、目にも止まらない速度でオニキスを蹴り飛ばした。

 彼らの世界に置いて、異例とも言える七体の聖獣との契約を行った、蓮宮天音が戦場に復帰したのだ。





 オニキスと天音が戦闘を開始した後、ウンディーネ、ミステリア、バロン・サムディは源達の居る場所まで何とか戻ると、何が起こっているのかを聞いた。

 源は行方不明だった機械皇、植物女皇が部下と共に助けに現れ、現在ポラリス達と共に戦っている事を説明すると、天音と行った事を説明した。

「蓮宮さんの契約聖獣である鳳凰と、僕のドラグーンを融合させて、蓮宮さんに契約を執行させたんです。そしたら、ああいう事になって。」

 源がこう言うと、ウンディーネはこう返した。

「なんて無茶な真似したのよ?!あんな無茶な融合、今すぐに解除しないと、蓮宮天音や彼の鳳凰は愚か、貴方の聖獣が存在ごと消滅させられ、貴方だって霊力を使い果たして死ぬかもしれないのよ!!」

 基本的に他者に強く出ないウンディーネが、今回ばかりは口調を荒らげている所を見ると、彼らの行った事はかなり危険らしい。

「どれくらいなら、持たせられる?」

 アリスティーナが恐る恐る訊くと、ウンディーネに変わってミステリアがこう言った。

「そうですね、天音さんと鳳凰だけなら八分は持つでしょう。ですが、源がどれくらい持つかと言えば、三分間だけです。それ以上続ければ、源は爆発する訳では無いけど大変な事になる。」

「三分か。」

 ミステリアの言葉に、戦場を見ながら恭弥はこう言った。三分と言えば、カップラーメンが完成する時間であり、時間に表すと0.05時間である。僅かな時間で、自分たち全員で挑んで全く敵わないばかりか、最強と言っても過言では無い面々を相手に軽く一矢を報いる相手に勝利しなければならないのである。

 皆は不安そうだが、千歳はこう言った。

「大丈夫だよ。だって天音と白蓮ちゃんは、これまでに何度も不可能を覆したんだから。それに、今回は頼もしい仲間も居るしね。」

 そして、白蓮と融合している自身の聖獣に霊力を送る、源を見た。何故彼が霊力を送っているかと言うと、常に聖獣たちに力を与えないと、白蓮や天音の支配力に影響されて存在が消滅しかねないからである。





(な、何なんだ?)

 蹴り飛ばされた後、何とか受け身を取ってダメージを最小限に抑えた後、強化契約を行った天音と刃を交えながら、オニキスはこう思った。彼の戦い方は、今までの肩に嵌った道場戦術とはかけ離れた、まるで喧嘩をするような荒々しい物となっている。恐らく、融合した聖獣と彼らの主の影響を受けると同時に、力をこれまでのように上手く制御できないため、必然的に暴れるような戦術になってしまっているのだろう。

 だが、先ほどと違い自身が紛れも無く苦戦している事もまた事実であるので、オニキスは氷の刃を持つ手に力を込めた。

「うおぉぉぉぉ!!」

 天音は双翼鳳凰剣を持つ両手に更に力を込めると、オニキスの体を大きく吹っ飛ばした。そのまま慎重に追撃を仕掛けようと天音が構えた時である、精神感応でアリスティーナの声が聞こえてきた。

「聞いて天音、今になって分かった事なんだけど、貴方の今の力は最大でも三分だけしか持たせられないわ。」

「三分間?」

「それ以上続けると、貴方に力を与えている聖獣に力を送っている、源が持たないの!」

 アリスティーナの告げた、短い時間制限に驚く天音に、アリスティーナがこう伝えると、天音はこう返した。

「でも大丈夫だ!三分もあれば!」

 そして、左手に持っていた鳳凰剣百式を徐に放り投げた。それと同時に、鎧のお尻の部分から、触手のような細い長い物体が現れ、放り投げた鳳凰剣の柄と融合すると、ヘルニアの尾を模した形状となった。

 その後、剣劇を始めるにあたって一旦収納した翼を再び展開すると、そこから虹色に光り輝く粒子を大量に放って、目にも止まらない速度で空へ舞った。向かうは、オニキスの元である。

「くっ!!」

 吹っ飛ばされるオニキスは、空中で何とか態勢を整えると、大量の氷柱を作り上げて迎撃の為に放った。

「うおぉぉぉぉ!!」

 対する天音は、両手で構えた鳳凰剣零式、尾の先端の針と化した鳳凰剣百式、翼から放たれる大量の光弾で、飛んでくる氷柱を次々と撃ち落した。

「な、何なんだ? 一体どこにこれほどの力が?!」

 オニキスは流石に驚いたようで、これまでの冷静な態度を崩して狼狽えている。天音はこれをチャンスと見たのか、左肩に装着されているカエルの頭部を模した肩当てから、ワイヤーのような物を伸ばしてオニキスを拘束した。ワイヤーはただ拘束するだけで終わらず、強力な電流を流してオニキスにダメージを与えた。

「行くぞ!!」

 天音はこう叫ぶと、ワイヤーを急激に巻き上げる勢いに乗ってオニキスへと接近した。その際、尾をピンと伸ばす事で先端の鳳凰剣百式を巨大な槍の穂に見立て、オニキスを貫こうとした。

「甘く、見ないでよね!」

 オニキスはそれを見ながら、苦しげにこう言うと、ギリギリまで引きつけた鳳凰剣百式を蹴り飛ばし、その先端を下に向けて攻撃を阻止した。

 だが、天音もこうなる事は予測していた。尾が蹴り飛ばされると同時に、今度は右肩でオニキスにぶつかった。この一撃は、簡単にオニキスに受け止められ、そして弾かれた。しかし、

「いったぁ~!!」

 オニキスが攻撃を受け止めた左手には、巨大な生き物が噛みついたような跡が付いており、傷口から血が滴り落ちていた。

 先ほど天音が激突した際、右肩のサメの頭を模した肩当ての口が大きく開き、オニキスに噛みついたのである。

「ヘルニアにジェットシャーク、エレクトードの能力か。聖獣の能力さえ、アーティファクト・ギアの能力にするなんて。これは少し真面目に行かないと。」

 オニキスが傷口を抑えながらこう言うと、

「今までは真面目じゃ無かったのか?」

 天音はこう訊き返した。

「まあね。」

 オニキスはこう答えると、今度は恐竜並みに巨大な白面銀毛九尾の狐の姿になると、獲物に襲い掛かるようにして跳びかかった。

「来い、天凛蓮華!!」

 天音はそれを、体を回転させる事で受け流す事で、翼を展開させて空へと飛び立った。それを追って、オニキスも特殊な術で空間に特殊な足場を作ると、天音を追って行った。

「うぉぉぉぉ!!」

 オニキスは天音に一定距離近寄ると、口からブリザードを吐き出して攻撃した。これに対し、天音はあえて何もせず、翼を展開した状態で重力に身を任せて落下した。それにより、天音はブリザードに巻き込まれたが、

「燃え上がれ、不死鳥の翼!!ウィンフレア!!」

 虹色の光を放つ翼は、大量の光の羽を辺り一面に散布し、それを防御用の弾幕として使う事で攻撃を防いだ。その後天音は、背中を向けた状態で弾幕を破って落下すると、攻撃を終えて隙だらけになっているオニキスに接近し、

「イカロス・サンシャイン!!」

 炎属性の聖獣だけが使える、何を用いていても「飛ぶ」ことをする聖獣を強制的に撃ち落す技、イカロス・サンシャインでオニキスを地上へと追放した。この世界の聖獣の力を得たアーティファクト・ギアを振るう彼は今、任意で力を与える聖獣の使える技を使う事が出来るのだ。

 その後、追撃の為に鳳凰剣零式を先ほど百式のように、尾の先端にして右手を開けると、右手を無骨且つ砲身を思わせる巨大な筒状に変化させた。

「喰らえ!!」

 天音がこう叫ぶと、大きな筒の中心に穴が開き、そこから凄まじい熱量を誇るエネルギー波「主砲サイクロン・ノヴァ」を放ち、筒の周りのハッチを思わせる扉が開くと、そこから大量のミサイルを放って、地面に倒れるオニキスを攻撃した。

「ぐわぁぁぁぁ!!!」

 この一撃は、流石のオニキスも受けてしまい、かなりのダメージを負ったのか大きな声を上げている。

 化けた相手と入れ替わり、化けた相手は愚か周囲の人間さえも化かしてしまう能力を持つ白面銀毛九尾の狐であるが、この能力には一つだけ弱点が存在する。それは、攻撃を回避する為に化けて入れ替わる時、攻撃を行っている者と入れ替わる事は出来ないと言う事である。先ほどの戦いでは、天音や源の仲間たちがウジャウジャと居たので、入れ替わる相手には苦労しなかったが、今は天音一人しか目に見える範囲に居ないので、誰かに化ける事が出来ないので、攻撃をモロに受けてしまったのだ。





 天音がオニキスと戦い、そして圧倒する光景を見ながら、全く敵わなかったバロン・サムディは、こう言った。

「凄いな。あのまま行けば、アイツ勝っちゃうんじゃないか?」

 しかし、その隣で様子を見る修はそう思わないようで、ある場所を一瞥すると彼にこう言った。

「確かにそうです。でも、残る戦闘可能時間は僅かな筈ですよ。」

 その修が見る方向を、バロン・サムディも見た。そこでは、源が苦しそうな表情を浮かべており、千歳たち冒険部の面々がそれを心配する中、江美達神司部の面々の中で、比較的消耗の少ない面々が霊力を彼の中に送り込んでいた。

 源の限界が近いという事は、先ほども説明した通り、戦闘の限界時間が迫っていると言う事である。

「早くしないと。」

 様子を見て居るアリスティーナはこう思うと、精神感応で天音にメッセージを送った。本当なら、メッセージを送ると同時に彼に加勢したいのだが、今の自分は万全では無い上に、オニキスの能力によって戦闘が難しくなる事もあり、グッとこらえてガマンした。





「天音、源がそろそろ限界見たい。だから、そろそろ決めて!!」

 精神感応で、アリスティーナより戦闘可能時間が限界に近づいていると知った天音は、白蓮と彼と融合する六体の聖獣に言った。

「そろそろ決める!だから息を合わせて俺に力を貸してくれ!!」

「わかった、ちちうえ!!」

 まず、最初に白蓮が答えると、

「任せな、得意分野だ!!」

 六体の聖獣を代表して、ドラグーンがこう言った。なので、天音は双翼鳳凰剣を構えると、こう叫んだ。

「アーティファクト・フォース!!」

 アーティファクト・フォースと言うのは、聖獣と契約者の力を合わせる事で発動できる、アーティファクト・ギアの必殺技である。今回は天音と白蓮の力に加え、ドラグーン、フェニックス、エレクトード、ジェットシャーク、ステゴサウルス・Jack、ヘルニアの力も合わさっている。

 その為か、天音がエネルギーを放ち始めると同時に、頭部の鳥を模した装飾、背中の翼、お尻の尾を始めとした、鎧の彼方此方に付いている聖獣を模した装飾が外れ、金属製の鳳凰を思わせる形状となった。

「キィィィィィィ!!!!」

 金属の鳳凰は甲高い鳴き声を上げると、巨大な翼をはためかせて飛び立った。地上に残った天音は、先ほどの爆撃でまだフラフラしているオニキスに狙いを定めると、双翼鳳凰剣を構えて突っ込んだ。そして、

「うぉぉぉぉぉ!!!!」

 交差させた双翼鳳凰剣を振りぬく。ただそれだけの単純な攻撃だったが、運動能力を強化する鎧によって走力、重量ともに強化された一撃だった為、恐竜並みの巨体である九尾状態のオニキスを大きく吹っ飛ばす事に成功した。

 一方、空中に飛んで行った金属の鳳凰はと言うと、吹っ飛ばされたオニキスに狙いを定めると、勢いよく急降下し始めた。

「かくごして、オニキス!!」

 金属の鳳凰を構成している白蓮がこう言うと、

「俺達の、最強の一撃だ!!」

 融合しているドラグーン達がこう叫び、金属の鳳凰は虹色の光に包まれた。その後、虹色の光は複数の幻影を作り出した。まずは白蓮が大きく翼を広げ、六つの幻影を羽ばたきで押し出すような動きをした後、自身も爆炎を纏って体当たりを行った。続いて光はドラグーン、フェニックス、エレクトード、ジェットシャーク、ステゴサウルス・Jack、ヘルニアの幻影を作り上げると、ドラグーンとヘルニアは普通の蹴り、フェニックスは足に火炎を纏わせた蹴り、エレクトードは掌に電流を流した状態で張り手を行い、ロボットの姿となったジェットシャークは刃になる翼で相手を斬ろうと翼を交差させ、ステゴサウルス・Jackはスパイクの付いた尾を叩きつけようと回転を始めた。

「うおぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」

 七体の聖獣が一つとなった金属の鳳凰は、目にも止まらない速度で急降下すると、空中に吹っ飛ばされたのと、先ほど放たれたイカロス・サンシャインの効果で上手く空中で制御が取れない事も相まって、誰が見ても直撃と言えるほどに攻撃を受けてしまった。

「ぐわぁぁぁぁ!!!」

 この一撃によって、九尾状態のオニキスの体に巨大な傷が刻まれると、彼の体から巨大な歪みのエネルギーが迸った。その影響はすさまじく、あるスペースでは暑くなり、逆に違う場所では寒くなり、また違う場所では雷が振り出すなど、様々な以上を辺りに発生させた。

「な、何これ?」

 歪みのエネルギーの奔流に耐えながら、神司部の女子たちが揃ってこう言うと、ウンディーネはこう言った。

「皆、気を付けて!!」

 彼女がこう言った、まさにその瞬間である。突如、激しいエネルギーを迸らせるオニキスを中心に、眩い光が発されたのだ。

「な、何……!!」

 雷花がこう言うと、この場に居た面々は、揃って光に巻き込まれた。


九組目

夢野亜衣

「はい、始まりました。クロスオーバーM1グランプリ、司会は私。アーティファクト・ギアより出番は一話だけの一発屋、夢野亜衣と。」


御門京香

「聖獣王伝説より、第三話以降一度も出番が無い、存在感がこれ以上薄くならないように必死な、御門京香です。」


夢野亜衣

「今回も後書きのスペースを用いて漫才?を披露してもらいます。」


京香

「では行きましょう。今回出演するのは、苦労人です。どうぞ!」





???&???

「はい、皆さん初めまして。苦労人です。」


???

「戦乙女・イスフィールと。」


???

「御剣迅でお送りする。」


イスフィール

「迅君、そんな不愛想であいさつしてはダメです。キープスマイリング。」


「止めろ、その言い回し。」


イスフィール

「まあ、漫才を始めさせてもらいますが、私たちは何故苦労人かと言うと、困った女性の主を持つ者同士と言う事で、組ませてもらっています。」


「女性で苦労していると言えば、散々爆撃されている恭弥も該当したのでは無いか?この間なんか、千歳に爆破された挙句に、雷花の攻撃も同時に喰らっていたぞ。」


イスフィール

「恭弥さんは既にお手付きだったので、貴方になったのですよ。この偶然を幸福に思って下さい。ともかくネタを始めますが、私の主の彩妃の困った所と言うのは、すぐにセクハラをする所なんです。」


「そうか、むしろ良いと思うが、真っ直ぐで……」


イスフィール

「それは、ざっくばらん。」


「愛情が真っ直ぐと言う意味だが。」


イスフィール

「分かりにくいのよ。と言うか、迅君に困った所はあるの?」


「そうだな。俺の場合は所構わず甘えてくるところだな。」


イスフィール

「それだけ信頼され、懐かれてるんですね。」


「そうでも無いぞ。早く親離れをさせないと一人立ちできなくなるし、知らない人に付いて行って大惨事を起こしたり………」


イスフィール

「言い過ぎよ!!」


「ペットのサクラコ(犬の名前)の事だが。」


イスフィール

「分かりにくいよ!と言うか、貴方漫才に向いてないわね。」


「今頃気が付いたのか?」


イスフィール

「いい加減にしろ!!」


「感謝する。」


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