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聖獣王伝説  作者: 超人カットマン
聖獣王伝説×アーティファクト・ギア クロスオーバー第一弾 未来襲来編
30/55

第四話 二組邂逅

 ある日、雪が降り積もる清水市のとある場所、そこでは二組の勢力が向かい合っていた。

「アイツらが、聖獣を道具のように使う異世界の人間?」

 一方は小学生くらいの年齢の子供が集まる事で構成された集団で、皆それぞれの性質や特技を表した道具を持っている。

「あの子達が、聖獣を奴隷のように使うと言う聖獣使い。見た感じ悪い子には見えないけど。」

 もう一方は、平均年齢が中学生から高校生の少年少女で構成された集団で、皆それぞれ武器を装備している。

 向かい合う集団の内、小学生が集まる事で構成された集団の中から、一人の少年が前に出て、相手を指差してこう言った。

「喧嘩を売るなら喜んで買いますよ。でも、勝敗がどうあれ試合気分で挑むなら、さっさと降参して貰えますか?」

 この言葉に、相手の集団は顔には出さない物の、皆一様に激昂した。少年の言葉は、どう受け取っても自分たちを舐めきっているとしか思えないからだ。

 少し荒い方法だが、格の違いを思い知らせよう、こう考えると、中学生から高校生の少年少女によって構成された集団から、一人の少年が前に出て、最初に前に出た少年に対しこう言った。

「人を甘く見るのも大概にしろよ。」


 そもそも、何故この二組が敵意むき出しで向かい合っているのか、それには理由が存在し、それを説明するには少し時を遡る必要がある。





 アテナの話を聞き、自分たちの話し合いにもケリを付けた神司部のメンバーは、ウンディーネがメッセンジャーを行う事でやって来た「松井祐介」「三藤直葉」「名倉小雪」「高城博明」と合流した。

「と言う訳で、皆でまた集まった訳だけど。」

「この間のウンディーネとの戦いの後に、またこのメンバーで集まるのか。」

 江美の言葉に、祐介がこう付け足すと、

「ところで、何をするの?私家の雪かきをしたいんだけど。」

 と、小雪が江美に訴えた。

 江美は皆に、今日集まった理由を説明した。

「実はアテナ様の進言で、ここに歪みの塊が侵入しているとのことなの。そいつを見つけて対処しましょう。」

 しかしここで、彩妃が有る事に気が付き、江美に訊いた。

「歪みが出たのは神司部の面々と、修は知っているよ。でも、それが何なのか、見当が付いているの?」

「…………」

「…………」

 彩妃の言葉に江美は黙り込み、江美が黙った理由を察する事の出来た他の面々は、揃って「まさか」と心の中で思った。

「江美、全く見当が付いてないよね、そうよね?」

 彩妃がこう訊くと、江美は黙ってうなずいた。その時、他の面々は揃って「やっぱりね」と思った。先ほどこの話をアテナより訊いたのだが、その時うっかり、その歪みがどこに出て来たのか、どこに行くと遭遇できるのか、そして、どのようにして対処するのかを聞くのを忘れてしまったのである。

「しょうがない。怪しい所を手分けして当たる?」

 ため息を付いた源が、同じようにため息を付く面々にこう言った時である。突如、背後から控え目だが強い存在感を感じさせる冷気を感じ取った。

「?!」

 皆が一斉にその場に振りかえると、そこには花を思わせる模様が彼方此方に付いた真紅のチャイナドレスに身を包んだ女性が居た。髪の毛は綺麗な長い銀髪で、燃え盛る炎のような「(クリムゾン)(アイ)」が特徴の、スタイル抜群な美女であり、皆思わず見とれてしまった。

 そんな中、源の聖獣たちだけは、聖装の中から彼女を見て、思わずこう思った。

(あれ? どこかで見たような?)

 彼女の顔には確かに既視感が有るのだが、聖獣たちは皆、それをどこで見たのかを思い出せなかった。なので、一旦その話は端に置いておくことにした。

 一方、突如源達の前に現れた女性は、彼らにこう言った。

「この世界に入り込んだ歪みを探しているの?私知ってるわよ。」

「知っているって? その歪みがどこに有るか、みたいな事を?」

 女性の言葉を、半信半疑に受け取った直樹が訊き返すと、女性は肯定した。そして、東の方角を指差すと、こう言った。

「この方角に歩いて行くと良いわ。そうすれば、この世界に入り込んだ歪みの現況と出会う事が出来る。因みに、その歪みたる存在は、聖獣を道具として使うような人たちだから、気を付けて。」

「そうなんですか? とにかく、ありがとうございます。」

 江美は女性にこう言うと、皆を連れて東へと向かって行った。

「精々気を付けてね。」

 何を思っているのか、女性は彼らの後ろ姿を見ながら、こう呟いた。





 一方、源達の居る清水の町から少し離れた場所にある、とある町。そこは清水でも有数の発展を遂げている街であるため、人も多く町は賑わっている。

 そんな街のとある場所に、突如として紫色のエネルギーの奔流が現れると、そこから異世界よりこの世界に飛んできた、蓮宮天音とその仲間達が現れた。

「無事に到着、か。」

 天音が周りを見回しながら言うと、彼ら冒険部の部長である浅木恭弥が、皆に言った。

「取りあえず人数確認!」

 そして、蓮宮天音、天堂千歳、鳴神雷花、雨月雫、御剣迅、月影刹那、神影麗奈とその場に居る面々を見渡して、気が付いた。

「あれ、アリス先生は?」

 その場にはアリス先生こと冒険部の顧問「アリスティーナ・D・クレイプスコロ」が居ないのだ。

「あっちの世界に残ったんじゃないの?」

 千歳がこう訊くと、恭弥は言った。

「いや、あのゲートに入る時、確かにアリス先生も付いて来ていた。」

 そして、ゲートの開いた場所を見たが、そこには何も無かった。出すべき存在を出したので、存在する意味が無くなり消えたのだろう。

「もしかして、世界を越えるときに逸れたのか?」

 迅がこう言うと、雫は彼に言った。

「そうかもしれない、でも先生ならきっと大丈夫。その内何て事ない顔で合流してると思う。」

 その後、部長の恭弥に訊いた。一体何をするのかと、

「そうだな、まずは……」

 訊かれた恭弥は、辺りを見回してこう言った。

「取りあえず、どっか暖房の効いている所に行こう。この服装のままじゃ風を引く。」

 彼らの頭上の空は黒く染まった雲で覆われ、そこから大量の雪が降り積もっている。それゆえ、周囲の気温は肌で氷点下にあると感じ取れる。刹那と麗奈以外のメンバーは学校の夏用制服しか着用していないので、その寒さは肌に堪えた。忍者として普段から体を鍛えている為か、刹那と麗奈は平気そうであるが。

「もしかして、冬の時期に来ちゃったの?」

 千歳が震えて天音に引っ付きながら言うと、彼女の契約聖獣である「九尾の狐」の銀羅は、ある物を見てこう言った。

「いや、あれを見る限り、今は夏真っ盛りだぞ。」

 銀羅が見ているのは、自分の居る場所の近くにある電子時計で、そこには「20XX年8月○日」と日付が示されている。

 それに続き、雷花の契約聖獣である「雷神」のトールは、遠くを見ながら皆に言った。

「どうやら、今この世界では何かが起こっているようだな。何かは知らんが、巨大すぎる異常な気配を感じる。」

「それって、あの異形のドラゴン?」

 雷花が訊くと、トールはこう言った。似ているようで違うと、

「ともかく、今は一刻も早く暖房が効いている場所を探す方が良いだろう。そこでなら幾らでも話は出来るだろ。」

 と、皆に言った。なので、

「賛成。」

 皆はそれに賛同し、恭弥を先頭に街の中へと入って行った。





 街の中に入ると、そこは自分たちが暮らしている国「日本」とまったく同じ文化と言語で生活が営まれる国で有る事が分かった。都会とは言い難いが、建物は多く建っているので目的地には、特に問題なく着くだろう。

 街に入る際に、通行検査のようなめんどくさい手続きが無いのも良かったが、何故か問題が発生した。街を歩く天音達を、他の人々は懐疑の目で見てくるのだ。ある人はあからさまに目線を合わせるのを避け、またある人はあからさまにヒソヒソと話し込んでいる。この手の人はバレてないと内心思っているが、実際はほぼ100%ばれている傾向がある。しかし、今はそういう事を問題にしている時では無い。

(天音、どうしたのかな?)

 人々の不思議な態度に疑問を覚えた千歳は、天音に訊いた。自分たちの来ている「天聖学園」の制服は、確かにこの世界では珍しい物かもしれないが、それだけこの待遇は有るとは思えない。

「何だかな、悪く見られているみたいで気持ち悪いな。」

 恭弥の契約聖獣である「孫悟空」がこう呟くと、周囲の人々は揃って驚いた。

「さ、さ、サルが喋った?!」

 驚きの余り眼を見開く者、悲鳴を上げて逃げ出す者、周囲の人々の反応は様々な物だが、天音達は揃って疑問に思った。自分たちの世界では、聖獣が人間と共に街中を歩くなんてことは至極当たり前の事で、時折凶悪な姿の聖獣が現れて驚くことは有れど、そこまでの騒ぎは起きない。ここに来る前に得た予備知識でも、この世界には確かに聖獣と呼べる存在はいる筈なのだ。

「一体何がどうなっているんだ?」

 周囲の様子を見ている迅がこう言った瞬間である。突如誰かが、空を見上げてこう叫んだ。

「あー!!あんなところに、オッドアイの巨大カラスが居る!!」

「?」

 誰かの声に反応して皆が頭上を見ると、そこには確かにワシやタカと言った猛禽よりも巨大な体躯を持つカラスが居た。上手く確認は出来なかったが、周囲の人々の反応から、言葉の通りオッドアイなのだと想像は付いた。

「アー!!」

 巨大カラスは一声上げると、大きな翼をはためかせてその場を飛び去った。それに合わせ、周囲の人々もそれを追って走って行った。

「良し、俺達も!」

 恭弥がこう言ったので、天音達もそれを追って行こうとした時、

「違う、こっちよ!!」

 突如天音が誰かに腕を掴まれ、近くに立っているビルとビルの間に設けられた、細い路地裏に連れ込まれた。

「あ、ちょっと!!」

 その事にいち早く気が付いた刹那、麗奈がそれを追って行くと、

「おい、待てって!!」

 残ったメンバーも、それに付いて行った。





「全く、そんなジンガイの化け物を引き連れて街を徘徊とか、随分大胆な人たちね。」

 路地裏に天音が連れ込まれ、彼の仲間達がそれを追って行った後、連れ込まれた天音と合流した少し広い場所で、彼らは天音をこの場に連れ込み、皆を誘導した人物にこう言われた。

 目の前に居るのは、白と青色を基調とした和服を身に着けた、大和撫子の呼称がぴったり当てはまるような美少女である。黒真珠のように輝く黒い髪は背中まで伸びており、頭の後ろで纏められている所は、少女の可憐さと同時に少年のような凛々しさも感じ取れる。顔立ちも綺麗なので、街中を歩けば誰もが見惚れるだろう。

「アンタな、人外ってこいつらは!」

 少女の言葉に、天音が反論しようとすると、

「分かってる。聖獣でしょう。気配を上手く感じれば分かるわ。」

 と、少女は言った。そして、

「人外と言うのは、私みたいなのを言うの。それにさっきの人外は、人畜無害の意味だけど。」

 と言うと、少女は背中から竜を思わせる翼、お尻から竜を思わせる尻尾を生やして見せた。

「? お前は?」

 皆が身構える中、皆を代表して恭弥がこう訊くと、少女はこう言った。

「私はポラリス、人が作った聖獣よ。そして…」

 その後、彼女は頭上を見上げた。見ると、そこには先ほど人々の眼を釘づけにしたオッドアイの巨大カラスが居り、そのカラスが一回鳴き声を上げると、カラスは光に包まれて二つに分かれ、次の瞬間、ウェーブの掛かった長い金髪と白装束と言う、傍から見ればどちらも同じ容姿の少女になった。違いと言えば、目の色だけだろう。

「それでこの子達は、私の部下と言うか仲間の、赤い目なのがフギン、青い目の方がムギン。妖精族の聖獣。」

「妖精族?」

 訊きなれない言葉に、天音達が一様に反応すると、ポラリスは以外そうにこう言った。

「貴方達神司じゃないの?」

「紳士?」

 再び出てきた聞きなれない言葉に、皆が一様に反応すると、ポラリスはこう言った。

「どうやら彼らの仲間では無いようね。まあ良いわ、説明してあげる。」

 そして、この世界における聖獣の定義や、聖獣は八つの部族に分類されると言う事、この世界で聖獣を操る者は「神司」と呼ばれている事を説明した。

「今までの説明と、人々の反応で理解出来たとは思うけど、この世界の聖獣は一般人には認知されていないわ。私は特別だけど、もしアンタ達の連れている奴らが科学者の認識の中に入ったら……」

「それは分かった。」

 ポラリスが一体何を言いたいのかを理解し、天音がこう返すと、彼は彼女にこう訊いた。

「ところで、こんな奴知らないか?」

 ここで天音は、先ほど自分たちと交戦した、九体の異形のドラゴンに付いて彼女に説明し、そんな聖獣を知らないかと訊いた。この問いに、ポラリスは少し考え込んで、こう言った。

「見た事無いわね、そういう聖獣は。」

 その後、ふと彼女の隣にくっ付いていたフギンとムギンが、ポラリスの来ている和服の裾を引っ張った。

「あ、ああ、そうだった。」

 自分たちには用があるのに、こんな所で油を売っていて良いのか? そう言いたげな表情を見たポラリスはこう言うと、

「じゃあ、私たちはこれで。さっき言った事は忘れないで下さいね。」

 と、天音達の前から去ろうとした。そこで、ふと思いついたのか、彼らにこう言った。

「言っておくけど、“アイツら”みたいな真似はしないで下さいね。」

「?」

 天音達は一様に疑問を覚えたが、仮にもそのアイツらが何者か分からない以上、彼女とは余り関わりを持たない方が良さそうだと考え、余り深くは考えなかった。

 この時、ポラリスの言ったアイツらと出会う事になるとは、誰も想像をしていなかった。





 ポラリスと別れた天音達は、とりあえずと言う事で大きなショッピングモールの中に入った。中は季節外れながら暖房が効いており、薄着でも十分に暖かった。

 気になる事は有ったが、今はそれを気にしていられる事態では無いので、皆は一度これからどうするかをテーマに、会議を開く事にした。

「今片づけないと行けない問題は少なくとも二つ、アリス先生と合流して、元の世界に変える方法を探る事ですね。」

 雫がこう言うと同時に会議は始まったが、皆言葉が出なかった。正直に言って、これから何をすればいいのかが分からないからだ。地図が無い以上、自分たちの居る場所の情報は把握できず、また元の世界で見た巻物の中を良く見て居なかったので、どうやって元の世界に帰るのか、その方法のヒントも見つかっていないのだ。

「はぁ~。」

 お先真っ暗な状態に辟易し、皆が揃ってため息を付いた瞬間である。

「俺が教えてあげようか?」

 誰かが天音達に、こう声を掛けた。皆が驚くと同時に振りかえると、そこには一人の少年が居り、ニコニコとした表情を浮かべていた。少年と言っても、可憐や綺麗と言う例えが当てはまる顔立ちや、背中まで伸びた綺麗な銀髪からは、少女のようにも見る事が出来た。俗に言う「男の娘」と言う奴である。

 服装自体も、男性と女性用の着物を合わせて、それを二で割ったような印象を持たせ、今の外の気温からは想像できない程薄着である。更には、今まで運動していたのか、それとも中が熱いと感じるのか、汗をかいている。

「? 君は?」

 天音がこう訊くと、少年はこう言った。

「この世界の者ですよ。これ以外に何か要りますか?」

 そして、不信感を捨てきれない天音達に、こう言った。

「こう言う事態になった場合、敵を倒すことが一番次の展開に近づく切欠になるものです。」

「敵を倒す?」

 皆が少年の言葉を復唱すると、少年は一瞬だけニヤリとしてから、彼らにこう言った。

「ここから西の方角にある清水と言う街、そこに聖獣を奴隷のように使う人々が居るんです。彼らを倒すと、何か次の展開が起こるはずですよ。」

「聖獣を奴隷……」

 少年の言葉を聞き、復唱した天音は黙り込んだ。彼は以前、自身の学校を襲撃した「精霊狩り」の事を思い出しており、この世界にも似た存在が居るのか、と思ったのだ。

 そんな中、雫は何かを考え込んで、少年に言った。

「良く分かったわ。ありがとう。」

「いえいえ~。」

 少年はこう返すと、どこかへと走って行った。

 少年の姿が見えなくなると、千歳は雫に訊いた。

「雫先輩、あの言葉を鵜呑みにするんですか?」

「いいえ。」

 千歳の言葉に、雫はこう言った。

「さっき会ったポラリスはこう言っていたでしょう。この世界で聖獣は一般的な認知が成されていない、と。となると、さっき彼の話に出てきた人たちは、聖獣と関わりを持っている唯一の人々である可能性がある。」

「成程、餅は餅屋に、的な感じで御座るな。」

 雫の言葉を理解し、刹那はこう言った。雫の言いたい事は、危険を承知でその人物と接触し、この世界事態や自分たちの望む情報を得よう、と言う事である。

「どうしますか?部長さん。」

 雫にこう訊かれ、少し考え込んだ恭弥は、皆に言った。

「まあ、雫先輩の言う通り、こっちに知り合いが居る訳じゃ無いし、とりあえず縋れる藁には縋ってみるか。」

 部長の方針が決定し、冒険部の面々はこの世界で聖獣と関わりを持っていると言う人物に会いに行くことになった。





 一方その頃、謎の女性の言葉の信憑性を確かめようと考え、東の方角へ向かった源達は、謎の敵と遭遇していた。どこから現れたのかは不明だが、骸骨の状態になった戦士と思われる存在が、突如襲い掛かって来たのだ。

「な、何なのこいつら?」

 江美がこう言うと、源はこう言った。

「とにかく、迎撃しないと!!」

 そして、ボールペンの状態にしてポケットに仕舞っておいた自身の聖装を取り出し、それを大剣の形状にすると、一枚のカードを取り出し、鍔に付けられたスロットに差し込んだ。

「湧き上がれ、変幻自在怒涛の剣!!水龍騎ドラグーン、召喚!!」

「流切怒涛の剣勢、水龍騎ドラグーン、推して参る!!」

 源が決め台詞を決めると、周囲から青い色の霊力が集中し、細身だがしっかりと全身が鍛えられた、翼を持たないドラゴンの姿になった。現れたドラゴンが決め台詞を決めると、霊力で編まれた姿は一瞬だけ巨大な光を放ち、鎧のように頑丈な青い鱗で覆われた「ドラグーン」の姿になった。

「主、これは一体何だ?」

 突如襲ってくる骸骨の戦士を見ながら、ドラグーンが源に訊くと、

「知らないよ!勝手に襲ってくるんだから!」

 源はこう言い返し、とりあえず何とかしよう、とドラグーンに言った。

「心得た!!」

 疑問は残るが、源の言う事は最も、そう判断したドラグーンはこう言うと、斧のような切れ味の発する頑丈な尾鰭を一振りし、数多くの骸骨の戦士を弾き飛ばした。この一撃で、吹っ飛ばされた骸骨の戦士の数人が壁に激突し、バラバラに砕け散った。他の骸骨の戦士は地面に叩きつけられるも、バラバラにはならなかったため、すぐに立ち上がって再び襲い掛かって来た。持っている剣を振りかぶり、敵と認識したドラグーンに振り下ろす。これが普通の動物であれば、剣の刃が触れた時点で重傷を負う事になるが、ドラグーンの鱗は鎧のように頑丈なので、刃が触れると同時に鉄がぶつかり合うような甲高い音が響くだけだった。

「お前ら邪魔!!」

 剣を受け止めたドラグーンは、こう叫ぶと同時に、装備している手甲の中に仕込まれた両手五本ずつ、計十本の剣を一度に解放し、骸骨の戦士を全員切り裂いた。これにより、戦士は全員体を保てなくなり、崩れ落ちた。

「はあ、良かった。」

 江美がこう言うと、祐介が転がっている骨を見ながら言った。

「と言うか、一体何だったんだ?」

「きっと、恨みを持った過去の武士たちが蘇って、そして恨みを果たそうと……」

 祐介の言葉に、小雪がやたらと盛り上がってこう言ったが、皆は揃って無視した。

「きっと、歪みの仕業ね。生と死の境目がおかしくなったのかも。」

「あれ、皆無視ですか?」

 起こった事が何なのか、直葉が冷静に分析する中、小雪はその後ろで悲しげだったが、誰も気にしなかった。

「とにかく、歪みの元を絶たないと。」

 修が皆にこう言った瞬間である。

「ちょっと君たち!!」

 誰かが彼らに声を掛けた。





 謎の少年が残した言葉、どれほどに当てになるのか分からないが、当てになるのがそれしか無いのもまた事実だったので、天音達は彼が指示した方角へと向かい、ある場所で有る光景を目撃した。突如どこからか現れた動く骸骨の戦士が、十人近い少年少女に対し、武器を振り上げて襲い掛かったのだ。

 この時、皆は一様に助けに入ろうとしたが、それより前に少年少女の内一人が、驚くべき事を行った。少年は持っている大剣で何等かの操作を行った。その結果、どこからともなく青い鱗で覆われた、翼を持たないドラゴンが現れて、骸骨の戦士の攻撃を受け止めた。そこまでは何て事も無い光景だが、その時少年はドラゴンを盾にするように、背後へと回ったのだ。

 当人が幾ら子供でも、聖獣を盾のように使うと言うのは、自分たちの世界では有り得ない話である。

(もしかして、彼らがあの少年の言っていた、聖獣を奴隷のように使っていると言う人たちかな?)

 千歳が声を掛ける中、(ドラゴン)と言う要素を見て居た天音は、ある記憶がよみがえった。かつて自分たちの学園に精霊狩りが攻めてきた時、長く行方不明になっていた聖獣と再会するも、彼を陰から操っていた存在に自己が助かるために殺された事を、

 もしかしたら、彼もいずれ同じように扱われるのでは、天音はこう思った瞬間、居ても経っても居られなくなった。

 そして、次の瞬間には……

「おい、待てって!!」

 天音の行動に驚いた面々は、次々とその場を飛び出した。





 一方、戦いにひと段落を付けた源達はと言うと、

「さてと、何が起こるか分からないから、警戒は怠らないで………」

 江美は皆に注意喚起を行うや否や、何かを感じて黙り込んだ。それと同時に、小雪は生来の直感で、直樹は化石堀の為に山の切り立った斜面に通い詰めた事で培った虫の知らせで、厳しい顔になった。

「どうしたの?」

 源がこう訊くと、彼は背後から激しい殺気を感じ取り、あくまで顔の向きをそのままに、眼だけを背後に向けた。

 そして、次の瞬間、

「跳んで!!!」

 江美、直樹、小雪は同時にこう叫び、反応の遅れた面々をその場から突き飛ばして、自分もその場から離れた。

 ただし、源だけは動かず、その場に留まった。彼の両隣には、突如二振りの刀が振り下ろされたからだ。

「……何なんですか?一体?」

 その場から動かない源がこう言うと、剣を振り下ろした張本人、天音はこう言った。

「契約執行!!」

 それにより、彼の肩に止まっていた鳳凰の白蓮は、振り下ろされた刀と融合し「双翼鳳凰剣」へと変化させた。

 続いて、天音の仲間達もその場へと現れたので、天音と源はそれぞれ距離を取った。

「あれが、聖獣を奴隷のように使っている……」

 雫がこう呟くと、先ほど天音の剣と鳳凰が融合するところを見た修は、こう呟いた。

「あれが、聖獣を道具のように使う……」

 一触即発、まさにそんな空気の中、源は天音達に対しこう言った。

「喧嘩を売るなら喜んで買いますよ。でも、勝敗がどうあれ試合気分で挑むなら、さっさと降参して貰えますか?」

「人を甘く見るのも大概にしろよ。」

 源の一言を侮辱と受け取り、天音は剣を強く握りしめてこう言い返した。対する源も、大きく息を吸って吐き、天音を睨み付けた。





 この時、すっかり存在を忘れられている冒険部の顧問「アリスティーナ・D・クレイプスコロ」はと言うと、

「あちゃあ、拙い事になったわね。」

 ある物を用いて、教え子たちと源達が邂逅する場面を見て居た。互いに敵意を出しあって、今から話し合いをするのは完璧に不可能と思われる。

 そもそも、なんで彼女がその場を確認できているのかと言うと、先ほど源達の倒した骸骨の戦士が関係している。彼女はその場の様子を探るために、地中深くに埋まっている遺骨、つまりは昔戦いで散った武士たちの霊を呼び出し、骨を憑代に現界させたのだ。その時、彼らが見聞きした事を自分も把握できるようにしたのだが、いくつか問題が発生した。一つは、理由は不明だが上手く術が発動せず、完全に霊たちをコントロール出来なかったこと、もう一つは、呼びだした霊が野武士で在った為、とても乱暴な性格であったと言う事だ。

 その為、奴らが源達に襲い掛かった時は、術を一旦解いて動きを止めようと考えたが、源はドラグーンを召喚する事でその場を切り抜けた。しかし、その際ドラグーンを戦わせる場面を天音達に見せてしまったため、内容は不明だが彼らに何か誤解を与えてしまったらしい。最も、源達も天音達の事を誤解しているので、どっちもどっちなのだが。

「何とか、両者の誤解を解かないと。」

 アリスティーナは、真打が登場するにはまだ早いが、ここはそう言っていられる状況では無いと、判断し、彼らの前に現れようとした。

 だが、ここで邪魔が入った。突如何かが高速で回転する音と、火薬が破裂する音、硬くて小さい物が空気を切る音。アリスティーナは魔女なので、現代兵器に関する知識は余りないが、すぐに理解出来た。銃器、その中でも屈指の連射力を持つ「バルカン砲」が、自身に向けて放たれていると。

「はぁぁぁ!!」

 アリスティーナはその場から飛んで、飛んできた弾丸を回避した。そして、弾丸の飛んできた方向に向けて、こう叫んだ。

「何者?!」

「何者?!か。それはむしろこちらのセリフだ。」

 すると、打てば鳴る早さで返事が返り、攻撃の主が姿を現した。騎士の甲冑を思わせる見た目だが、全身に機械らしさを持つ大男。簡単に言えばロボットが居るのだ。右腕がバルカン砲になっているので、それが攻撃の元なのだろう。

 彼はかつてある事件の際に、ウンディーネと戦った皇の一人「機械皇プトレマイオス」である。

「世界の境界に歪みが発生していると、ウンディーネ様より伺ったが、まさかこんな存在が入り込んでいる何て。」

 ロボットの背後から続いて現れたのは、所々に植物を思わせる装飾が施された、緑色の和服を身に着けた長い緑色の髪が特徴の美女で、手には刀が握られている。

 彼女はプトレマイオス同様に、かつての事件の際にウンディーネと戦った四人の皇の一人「植物女皇ラフレシア」である。

「ああ、自らの野心が為、人を捨て魔の者となった、所謂魔人。人を守るような行いは気が乗らないが、世界の事もある。致し方ないか。」

 プトレマイオスがこう言うと、ラフレシアは刀を鞘より抜いてこう言った。

「どうする?去るなら見逃すのも吝かでは無いが。」

 この一言に、アリスティーナはこう返した。

「そうは行かないわ。連れが居る以上、勝手にこの世界を出てく訳には行かないもの。」

「そうか、だがこちらも勝手をされるのは困るのでな、AFEを全開で立ち向かわせてもらう。」

「大体、私が皇になった年数より年上なのに実りが良いとはどういうつもりですか?人間基準で言えば規格外の年増さん。」

 アリスティーナの言葉に、プトレマイオス、ラフレシアの順番でこう言うと、

「年増?!」

 ラフレシアの発した言葉がアリスティーナの耳に入り、その瞬間アリスティーナの中で何かが外れた。

「誰が年増よ!!僻んでいるの?!」

 アリスティーナはこう叫ぶと、自分の中でも特に強力な火炎魔法を発動させて、それをラフレシアに向けて放った。周囲の木々をも焼き尽くす勢いで迫った炎だったが、ラフレシアに迫るより前に、何らかの理由で消えてしまった。

「あえて言っておくが、A(アンチ)F(ファンタズム)E(エフェクト)の前では、魔法と括られる事象は全て無効になる。ただ一つの例外を除いてな。」

 プトレマイオスが自身の能力を説明すると、アリスティーナはこう言った。

「成程、普通の魔法使いならこの程度でお手上げでしょう。でも、私にも意地があるわ。」

 そして、自分の中に居る十三体の「エレメンタル・スピリッツ」を呼び出し、彼らとの臨戦態勢を取った、まさにその瞬間である。

 今まで雪の降っていたその場所に、どこからか大量の巨大な氷柱が降り注いだ。

「な、何だ?」

 ラフレシアがその方向を見てこう言うと、プトレマイオスはこう言った。

「AFEが通じない?新手の聖獣か?」

 不老不死と謳われたアリスティーナだが、ここばかりは死の危機を感じ取り、

「守って、私の子達!!」

 こう言って、エレメンタル・スピリッツの力を解放し、氷柱が自分に届かないように阻んだ。

 しかし、そういう術を持たないラフレシア、プトレマイオスは防御が間に合わず、攻撃を受けてしまった。両者とも何本か氷柱を受けてしまい、思わず膝を付いてしまった。

「一体何が起こっているの?」

 攻撃終了後、アリスティーナは周りの様子を窺いながらこう呟いた。自分の感じる気配は、自分の中で暮らすエレメンタル・スピリッツと、プトレマイオスとラフレシアの物だけであり、周囲の敵の存在は感じられない。先ほどプトレマイオスが言った通り「AFE」が通じない所を考えると、あの氷柱はAFEの効果外の力で放たれた事が分かる。しかし、ここはともかく、自分たちの世界には氷柱を長距離飛ばすような武器は存在していない。氷柱を弾に使えば、飛んでいくときの空気との摩擦で、どんどん熱されていつかは解けてしまうからだ。

 一方、攻撃を受けたラフレシアとプトレマイオスはと言うと、

「これくらい、復生(リバース・ゼロ)で…」

 自分たちが与えられた特殊な技能、どんな傷を負った状態でも元通りに再生できる「復生」で傷を治そうとした。しかし、突如周囲に途轍もないレベルの冷気が発生し、両者を氷の中に閉じ込めてしまった。

「な、どうなっている?」

 ラフレシアがこう言うと、アリスティーナの背後より、今の状況を生み出した下手人が現れた。

「何が起こったかと思えば、ネズミと邪魔者が入り込んだのか。」

 そこに居たのは、先ほど天音達の前に現れ、彼らに情報を与えた少年にそっくりな存在であった。彼の場合は、顔に赤い隈取が彩られ、頭には銀色の毛でおおわれた狐耳があり、お尻からは銀色の毛で覆われた、大きな尻尾が九本生えている。

「な、何者だ……」

 まだまだ元気なのか、氷の封印を解こうと壁を何度も殴りながら、プトレマイオスがこう訊くと、

「キャアアア!!」

 悲鳴、と言うより歓声をあげながら、何かが飛んできた。黒い服に身を包んだ、長い赤髪が特徴の美女である。背中には黒い翼が生えているので、悪魔の類と思われる。

 彼女は少年の傍に行くと、

「封印仙術・氷結牢獄!機械皇と植物皇の復生が寒気の中では発動させられない事を利用して、あの邪魔者中の邪魔者である両者を封印するとは!流石は聖獣界の大賢者オニキス様!!」

 オニキス様と呼んだ少年を、これでもかと言わんばかりに讃えた。

 一方、オニキス様と呼ばれた少年はその事には何も反応せず、こう言った。

「まあ、アンタに何が出来るかはあえて言わないけど、俺の邪魔はしないで下さいね。神書の魔女とか謳われている、アリスティーナ・D・クレイプスコロさん。」

「どういう意味?」

 アリスティーナがこう訊き返すと、

「この世界は一度完全な氷河期を迎え、一から再生し直すんだよ。別に人間を全滅させようってわけじゃない。悪いようにはしないから、さっさとお連れ様と合流して帰るんだな。」

 と、オニキスは言った。

 この時、アリスティーナはこう叫んだ。

「人を甘く見ないで貰える?貴方が相手にしているのは神書の魔女と、十三体のエレメンタル・スピリッツなのよ。氷しか使えない貴方に勝ち目が有ると思っているの?」

 アリスティーナには絶対的な自信があった。しかし、そんな様子を見ながら、オニキスとその隣の女性悪魔は、思わずため息を付いた。その後、オニキスはこう言った。

「流石は幻想に生きる者。あの程度の魔法で俺に勝てると?」

「何ですって?!」

 アリスティーナは言葉に怒気を込めて、されど心は冷静なままこう叫んだ。自分はともかく、相手の一言が何を基準に出てきた物か探る必要があるからだ。

 オニキスは、アリスティーナの思惑を理解してか、理解できていないのかは分からないが、アリスティーナが知りたいと思っている事を言い放った。

「アンタが生きた年数より遥かに長い時を掛けて培った、俺の仙術を見せてやる。」

(彼、不老不死の私に何を……)

 オニキスの言葉に、アリスティーナがこう思った、まさにその瞬間である。今まで少し離れた場所に居た筈のオニキスが、アリスティーナの目の前に現れた。それも、予備動作も気配もまったく出さずに。

 アリスティーナが声を失う中、オニキスはアリスティーナの頬に手を添えると、

「冥土の土産にするが良い。」

 と言い放ち、技の名前なのだろう、こう叫んだ。

決して覆らない(マーメイド)badend(プリンセス)!!」


次の瞬間、アリスティーナの居る場所から、驚きや恐怖によるものでは無く、まさに断末魔と言っても過言では無い絶叫が、アリスティーナの声で響いてきた。


四組目

夢野亜衣

「はい、始まりました。クロスオーバーM1グランプリ、司会は私。アーティファクト・ギアより出番は一話だけの一発屋、夢野亜衣と。」


御門京香

「聖獣王伝説より、第三話以降一度も出番が無い、存在感がこれ以上薄くならないように必死な、御門京香です。」


夢野亜衣

「今回も後書きのスペースを用いて漫才?を披露してもらいます。」


京香

「では行きましょう。今回出演するのは、magic・gateです。どうぞ!」





???&???

「はいどうも、始めまして。Magic・gateです。」


???

「高城博明と。」


???

「アリスティーナ・D・クレイプスコロでお送りします。お願いします。」


博明

「はぁ~。」


アリスティーナ

「ちょっと博明、開始早々どうしたの?」


博明

「もう死んじゃおうかな~。」


アリスティーナ

「まさかの出オチ?始まったばかりよ!」


博明

「殺人を装って自殺してやろうか。」


アリスティーナ

「何でそんな紛らわしい事をするの?」


博明

「警察の捜査を混乱させてやろうと思って。」


アリスティーナ

「どういう意図があるの?ややこしい事は止めなさい!!」


博明

「ところで、アリスティーナよ!!」


アリスティーナ

「何で名前をフルで呼ぶの?しかも、何でティーナの部分だけテンションが上がっているの?」


博明

「企業秘密だ、アリスティーナよ!!」


アリスティーナ

「そうそうティーナ、ティーナ呼ばないで!!」


博明

「話は変わるがアリスティーナよ!俺はお前の死を看取って見たいのだが!?」


アリスティーナ

「(うわー、面倒臭い。こいつ全然話聞いてねぇ)何で、私は不老不死の魔女なのよ。」


博明

「現代科学はどんどん発展しているんだ。もしかしたら近い将来、その不老不死の人間を殺す技術が出来るかもしれないだろ、アリスティーナよ!!」


アリスティーナ

「と言うか、そんなに私の死ぬ所を見たいの?」


博明

「ああ、見たいさ!!」


アリスティーナ

「迷いの無い目ね。まあ良いわ、今から死ぬと仮定して、あくまで体験と言う形でやってあげる。と言っても、あくまで仮定だからね。」



アリスティーナ

「くぅ、あぁ、もう、ダメ……」


博明

「頑張れアリスティーナよ!!さっき看護師の人に教えて貰った呼吸法が有るだろう!」


アリスティーナ

(今から死ぬ人間に呼吸法?)


博明

「ヒッヒッフー、だ。アリスティーナよ!!」


アリスティーナ

「待ちなさい!まさかのお産のシュチュエーションなの?てっきり今から死ぬつもりで演技をしていたけど。」


博明

「だって、千年も生きているんだから、男の百人や千人、子供の一万人くらい居るでしょう。死ぬ前に全部出して行ってくれ。」


アリスティーナ

「私は女王蜂か?!」


博明

「生命力はゴキブリ以上でしょう。」


アリスティーナ

「ともかく、貴方は私の死にざまを看取ってくれるのでしょう。そっちでお願い。」


博明

「了解。」



アリスティーナ

「くぅ、あぁ、もう、ダメ……」


博明

「台詞はさっきと同じですね。」


アリスティーナ

「どうでも……良いでしょう……」


博明

「(まあ、そうだな。演技しないと。)美里先生、アリスティーナの容態は………危険な状態だと?!頑張れ、アリスティーナよ!」


アリスティーナ

「ひ、博明、今になってまでその呼び方は止めなさい…」


博明

「アリスティーナよ!頑張れ!!」


アリスティーナ

「も、もう、ダメ……」


博明

「あ、そうだ。アリスティーナよ、樹液を舐めるか?」


アリスティーナ

「何でよ?!」


博明

「樹液って栄養価が高いんだ。虫はみんなこれだけで生きているんだ。アリスティーナよ。」


アリスティーナ

「私のムシ扱い、まだ続いていたの?!」


博明

「だって、住処は地下じゃないか。アリスティーナよ!」


アリスティーナ

「地下に暮らす人々だって居るのよ。」


博明

「学校での存在感も、虫けら以下じゃないか。いい加減自覚したまえ、アリスティーナよ。」


アリスティーナ

「こっちは余命幾ばくかなのよ。余り無理をさせないで……ああ、もうダメ……」


博明

「しっかりしろ、アリスティーナよ!!」


アリスティーナ

「ひ、博…明…」


博明

「あ、そうだ。アリスティーナよ!貴様の死にざまを拝みに来た、と面会を求めてきた方が居るのですが?」


アリスティーナ

「だ、誰よ…?」


博明

「麩入・風呂樽っていう、赤いモ○ルスーツ着た人だ。」


アリスティーナ

「バカじゃないの?!何でそんな話題が出るのよ!!」


博明

「ええ?モビ○スーツって服装の事じゃないの?!」


アリスティーナ

「この世で○ビルスーツを服装の事だと思っているのは、世界広し歴史浅しとはいえ、貴方だけよ。」


博明

「そうだったんですか。じゃあ今からヴァル○レイブの事を考えるのを止めます。」


アリスティーナ

「一体何を考えながら今まで演技していたの?じゃあ、気を入れ替えて最初からやりましょう。」



アリスティーナ

「くぅ、あぁ、もう、ダメ……かも…」


博明

「何かさっきと変わってる?」


アリスティーナ

「博…明…、最後に…言わせて…」


博明

「遺産をどのような比率で世界中の子供に配るか?か?」


アリスティーナ

「何でそういう話!?あ、でも、それいいかも、私が死んだら…遺産は…世界中の恵まれない…子供の為に…。後、博…明…、今まで、楽し……」


博明

「さっさと言え!!」


ガキン(聖装のライフルの持ち手で殴る音)


アリスティーナ

「ギャン!!」


博明

「ふぅ……あれ……」


アリスティーナ

「……………」


博明

「アリスティーナよ!!」


アリスティーナ

「殺さないでよ!!」


博明

「生きているではないか、アリスティーナよ!!」


アリスティーナ

「いい加減にして!!」


博明

「どうも、ありがとうございました。」


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