鳥さんと私
家の階段から落ちたら異世界に来てしまったようです。
どういう事でしょう?
紹介が遅れましたが、畑野洋子です。
芋くさい名前と言われますが、なかなか気に入っております。
しかも、よく判らない間に私、大きい鳥のような物に捕まえられています。
多分、今から巣に戻るのでしょう。
これはとてもマズイ状況なのです。
「鳥さん?私美味しくないですよ!!」
鳥さんはチラリとこちらを見るとスグに目を逸らした。
言葉が解かるのではないでしょうか?
「鳥さんのう○こは大きそうですねぇ~!
ひょっとして食べるのも丸飲み?
私も、う○こ詰まってて臭いから食べるの辞めたほうがいいですよ~」
言葉が解かるなら更に不味そうに言っておかねば損だ。
鳥さんを見上げると心なしかグッタリしていた。
もうひと踏ん張り?
そう思っていると崖に降り立った。
しかし、こうしてみると鳥さん…アナタとても綺麗な空色してますよね!
「鳥さん…アナタを売ったらいいお金になりそうです…。羽だけでもいいんでください!!」
言い終わる前に手を伸ばし一機に引き抜く。
生きて帰れたらコレは儲け物です!
ブチブチっと毟る音がした。
『やったぜ』と思っていると、悶えていた鳥さんが男の子に化けた。
「お前…空で下品な事と失礼極まりない事を言いよってからに!
さらに毛まで毟るとは何事だ!!お前のような奴は初めてだ!」
怒りで顔も目も真っ赤になっている。
「だって、私を食べるんですよね?」
「違うわ!!こっちに飛ばされて来た人間を元いた所に戻すのが私の仕事だ!」
『人食いとは失礼な!』そう言ってまだ文句を言っている鳥さん
「じゃあ、元いた所に戻れるんですか?」
「あぁ。お前のような奴はさっさと帰したい。だが…あと3日は帰れないぞ」
「えぇ!!何でですか!?」
「それはな…」
静かに目を鳥さんが伏せた。
こうしてみると鳥さん美形です。
「月の関係のせいだ。しかし、お前が毛を毟ったせいで美しい私の羽毛が…!!」
『うわ。ナルシストさんですか?てか、やっぱり鳥さんじゃないですか』と思ったの言わないようにしましょう。
「すみません。つい…」
「何が『つい…』だ!!しかし、しょうがない…。3日間は私の館で女官達の手伝いでもしておけ」
女官って…鳥さんお金持ち!?
てか、もしかして女官って鳥さんなんじゃ…?
「なんだ?」
「いえ、鳥の巣に入るの初めてだし、鳥女官さんのお手伝いなので言葉は通じるのかと…」
「お前、私と言葉通じてるよな?そして、私は今人間の姿をしているよな?」
「はい。でも、鳥さん限定で人になれて話もできるんじゃないんですか?」
「これは私限定ではない。その点は安心しろ」
「向こうに戻れるならお土産も欲しいです。葛篭ちゃんと下さいね!」
「私はスズメか!そして、お前は助けられている立場だ!バカモノ」
…図に乗ったら怒られました
しかし、よく舌きりスズメ知ってましたね。
こうして鳥さんに助けられて3日後に元の世界に帰してもらいました。
女官の人達からはまた遊びにきてね!っと言われましたが鳥さんからは
「二度と来るな!!」と疲れた顔で言われました。
私、何もしてませんよね?
と言う事で無事に元の世界に戻れました。
めでたしめでたし。