↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
倉庫ごと異世界転移したので、何でも屋を始めます  作者: 稔


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
88/200

言葉になる圧

数日後。


今度は、正式な使者だった。

王都の印を持つ文書。文面は柔らかい。

だが、内容は明確だ。


「当該領地の最近の発展について、状況確認を行いたい」


「視察……という名の、確認ね」


リーナは小さく呟いた。

拒否はできない。

拒否すれば、それ自体が“問題”になる。


◇


使者は、穏やかだった。


「いやあ、素晴らしいですね。住民の様子も良い。街道の整備も進んでいる」


だが、話題は自然と核心へ向かう。


「最近、こちらの領地発の品がいくつか流通しておりますね。木製遊戯盤。調味用の白いソース。酢を使った保存食」


「はい」


リーナは、短く答える。


「これらは、領地独自の工夫でしょうか?」


――来た。


「そうです。生活改善の一環として、導入しております」


「開発者は?」


一瞬の間。


リーナは、迷わなかった。


「特定の“個人”ではありません。当領地の生活の中から、生まれたものです」


嘘ではない。

だが、全ても語ってはいない。

使者は、納得したようで、していない顔をした。


「……今後、他領地でも参考にする可能性があります」


「その際、ご協力をお願いするかもしれません」


「検討いたします」


それ以上は、踏み込ませない。


◇


使者が去った後。


リーナは、一人で庭に立っていた。

遠くで、子供たちの声がする。

誰かが、リバーシブルの駒をひっくり返して笑っている。


これを……どう守るか。


かおりは、答えを出さない。

だからこそ、自分が決める。


「善意は、広がる。広がりすぎれば、形を変える」


その事実を、リーナははっきりと理解していた。


そして――次は、“選ぶ段階”だと。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。