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倉庫ごと異世界転移したので、何でも屋を始めます  作者:


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配管、やり直しますか!

「……よし」


かおりは、腕をぐっと伸ばした。


「貯水塔が出来るまで、手は止めてられないわね」


井戸は当たった。

水も確認できた。


だが、これで終わりではない。


「むしろ、ここからが本番」


かおりは、地面に引いた簡単な配管図を見下ろす。


「今の配管は、とりあえず繋いだだけ。これだと、後で貯水塔を付ける時に、また全部掘り返す羽目になるわ」


そんなの、二度手間だ。


「……やり直そう」


決断は早かった。


「パイプ、足りる?」


鍛治士の方を見る。


「ああ!頼まれてた分、もうほとんど出来てる。太さも、長さも、指定通りだ」


「さすが」


かおりは、にっと笑う。


「これなら、各家まで引ける」


地面に、溝を掘る。


「深さは、凍らない程度に。なるべく真っ直ぐ」


生活インフラは、派手さよりも堅実さ。


「ここ、曲げすぎると詰まるから注意ね」


弟子たちが、真剣な顔で頷く。


「……うん」


パイプを仮置きしながら、かおりは考える。


「この先、人が増えたら。今の一本井戸じゃ、足りなくなるかも」


ふと、思いつく。


「……井戸。あと、何ヶ所か掘っておこうかな」



ミリャが、眉を上げた。


「もう一本、掘るのか?」


「うん」


かおりは頷く。


「予備があれば、メンテナンスもしやすいし、一つ止まっても、全部止まらない。水は、止めたらダメなやつだもの」


「確かにな」


ミリャも、納得した様子だ。


爺さんが、杖をついて近づいてくる。


「ほう……水を“点”ではなく“線”で考えとる」


「……線?」


「そうじゃ。井戸が点。配管と貯水塔で、線と面になる。良い考え方じゃ」


かおりは、少し照れた。


「壊れてから考えるの、嫌なんです」


「フォフォ」


爺さんは、満足そうに笑う。


作業は、地道だった。


溝を掘り、パイプを置き、接合部を確認し、埋め戻す。


派手な魔法は使わない。

確実さを優先する。


「……こういうのは、後で効くのよね」


かおりは、独り言ちた。


夕方。


仮配管は、ほぼ整った。


「……よし!貯水塔が立てば、一気に繋げられる」


そして。


かおりは、次の場所に目を向ける。


「次の井戸は……少し、離れた所かな」


一つの成功は、次の備えを呼ぶ。


この場所は、もう仮設ではない。


かおりの手で、

人が“住み続けられる場所”へと、確実に変わっていっていた。

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