第6話『初給料でテンションMAX! でも物価が異常すぎた件』
──ロベンタ村にて。魔物との和平交渉を見事まとめあげたヨシオは、村長から報酬を受け取った。
「では、こちらが報酬の金貨10枚ですじゃ。まさか話し合いで解決するとは……感動しましたぞ」
「うっしゃあああああああ!! オレ、異世界でついに稼いだ!!」
金貨を掲げて歓喜するヨシオ。
「さっそく町に戻って豪遊じゃあああああ!!!」
──だがこのとき、誰も気づいていなかった。
異世界物価の“恐ろしさ”を。
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第一の衝撃:パン一個=金貨1枚
「は!? パン一個が金貨一枚!? 高すぎだろ!!?」
「えっ、普通よ? このパンは“空気よりちょっと重い程度の軽量魔法パン”ですし」
「機能いらねえよ! 腹がふくれりゃいいの!!!」
店主のおばちゃんににっこりされながら、ヨシオは金貨1枚を差し出した。
「ありがとうねえ。おまけにこのパン、夜になると浮くのよ」
「いらねええええええ!!」
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第二の衝撃:宿泊費=金貨5枚
「えっ、村の安宿で一泊五枚!? おかしいって!!」
「うちは“朝の鳥のさえずりを魔法でカットして快眠”が売りですのよ」
「だから! そんな豪華ホテルサービスいらないから!!」
渋々泊まったヨシオ、結局鳥のさえずりが聞こえていた。
「嘘じゃねえか!! 詐欺じゃねえかあああ!!」
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第三の衝撃:ジュース=金貨3枚
「これはもう……現実逃避するしかない」
リリィとエリュと一緒に市場をぶらつくことになった。
「ねぇ、あそこに“ぷるぷるフルーツジュース”ってあるよ」
「……まさか、ジュースくらいは安い……」
店主「1杯3枚でーす!」
ヨシオ「高ええええええええええええええええええええ!!!」
リリィ「ヨシオ、見て。これ可愛くない?」
リリィが指差したのは、ふわふわのぬいぐるみ人形だった。値段タグがついている。
《64金貨》
ヨシオ「いやいやいや!! 王家の秘宝レベル!? ぬいぐるみにそんな値段つけるな!!」
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ラブコメ風味:リリィの誘い
「ねえヨシオ……せっかくだし、二人で散歩しない?」
「えっ……? お、おう」
(来た来た来たあああああ!! これ完全にデートイベントやろ!!)
村外れの丘に登り、星を見ながら語らう二人。
「今日は……ありがとう。魔物との交渉、かっこよかった」
「い、いやあ~、まあ? たまたま翻訳スキルが発動しただけっていうか?」
「でも、誰にでもできることじゃない。私、見直したよ」
(おいおいおいおい……これ、告白フラグじゃね?)
だが──
「で、それでその……リリィ、オレのこと……その……」
「うん、仲間として大好きだよ!」
「仲間止まりィィィィィ!!???」
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衝撃のラスト:金貨の価値
翌日、ヨシオは村の書士館で通貨の本を読んでいた。
「“金貨”=国王の保証つきで、基本的に貴族階級や資産家が使うもの……」
「えっ……じゃあ俺、昨日……金貨10枚で……パンと宿とジュースだけ……?」
「うわああああああああああ!!!!」
村のどこかで、勇者の悲鳴がこだました。
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