第5話『魔物討伐、始まったけどオレだけなぜか馬担当』
──森を抜けた先、ロベンタ村。
依頼を受けたヨシオ一行は、村を襲う「脳筋ゴリラ型魔物」の討伐に挑むことになった。
だが、現地で待っていたのは……。
「はい、じゃあ役割分担するよ~。
リリィさんは前衛剣士、エリュさんは魔法支援、で、ヨシオさんは馬係ね!」
「なんでえええええええええ!!??」
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馬係の現実
馬をなでる。
馬のうんこを片付ける。
馬に人参をあげる。
──以上である。
「ちょっと!? 俺、異世界に転生してやる仕事が“馬の機嫌取り”ってどういうことだよ!」
「いや、ヨシオに戦わせたらまた聖剣折れかねないし。安全策よ」
「くっ……信頼が……ゼロ!!」
しかしこのとき、突如スキルが発動した。
【スキル:動物語Lv1(自動習得)】
ヨシオ「……え? 今、馬が何か言った気が」
馬「(……オレ、最近腰が痛くてよォ)」
ヨシオ「しゃべったああああああああ!!???」
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馬と語る勇者
ヨシオ「え、えーと……どうも、勇者のヨシオです……」
馬「おう。オレは“バルサン二世”。よろしくな」
ヨシオ「なにこの馬!? 名前強すぎない!?」
馬「先代の名を継いでな。人間にもよォ、真面目なやつとクズがいるが──お前は、間違いなく“面白枠”だな」
ヨシオ「そっちの分類!? てか馬にまでイジられる勇者ってどういう立ち位置だよ!」
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その頃、リリィとエリュは──
ゴリラ型魔物とバチバチに戦っていた。
エリュ「火球連弾! ファイア・パレード!!」
リリィ「こっちも一撃で終わらせる!! はああああっっ!!」
魔物「ウホォォオオオオ!!!」
──そこに、ヨシオが馬と共に登場。
ヨシオ「待てーい!! 今このゴリラの発言が聞こえた!
『こんな雑魚に負けるかバカヤロー』って言ってたぞ!!」
リリィ「……聞こえるの?」
ヨシオ「馬だけじゃなくて、魔物も翻訳できるっぽい!!!」
エリュ「なにその便利スキル!? というかゴリラの発言にツッコミ入れるのやめなさいよ!」
ヨシオ「翻訳ってかもう完全に“野生の言い分代弁マン”だよオレ!!」
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魔物の言い分、そして衝撃の事実
ヨシオ「このゴリラ、実は森の破壊を止めようとしてただけらしい! 人間が違法に伐採してたって!」
リリィ「えっ、マジで!?」
魔物「ウホッ(そうだよ!このあたり、俺の縄張りだったんだよ!)」
ヨシオ「そして今、誓約結ぼうって言ってる。村と平和協定結ぶって!」
エリュ「え、それ普通にすごくない……? あんた、交渉能力高すぎない……?」
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村人たちの反応
「勇者様! 魔物を殺さずに解決するとは……!」
「まさに真の英雄だ!!」
ヨシオ「ちょっ、急に評価爆上がり!? 今朝まで馬のうんこ担当だったよね俺!?」
リリィ(……でも、ちょっと見直したかも)
ヨシオ「リリィさん!? いま一瞬、ちょっとだけ目が優しかったよね!? ね!? ラブコメ!? これ来てる!?」
エリュ「調子乗るとまた折るわよ。聖剣」
ヨシオ「フラグ立てるのやめて!!」
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