第4話『伝説の聖剣を抜いたら、くしゃみで折れた件』
──王都から東に三日。
「聖剣エリュシオン」が眠るとされる聖なる森。
ヨシオ一行はそこに来ていた。
森の奥・聖なる祭壇前
「おお……これが聖剣……!」
「本物なら、引き抜いた者は“真の勇者”として世界に認められるわ」
「よっしゃあ! もう王だし、今さら勇者とか称号だぶつくけど、一応抜いとこ!」
石に刺さった美しい銀の剣。
その周囲には魔法陣が浮かび、天から差す光に照らされていた。
ヨシオは、胸を張って両手をかけ──
「ぬぉおおおおおおおおっっ!!!」
ガガガガ……ゴゴゴゴゴ……!
「すげえ! 抜けた! 抜けたぞぉおお!」
ガシュッ!
──その瞬間、剣が完全に引き抜かれ……たと思ったが。
「へっくし!!」
\バキィッッ!!!/
「折れたぁぁぁあああああああ!???」
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剣、二つに割れる
「……信じられない。伝説の聖剣、初回でクラッシュって」
「くしゃみで折れるってなんだよ!? 俺どんな肺活量してんだよ!!」
そのとき──
剣の破片から、まばゆい光が立ち上り、
ちっこい少女(10歳くらい)がぽんっと出現した。
「……こらーーーっ!! 貴様ぁぁぁああああ!!!」
「え、え? ちっこい!? なんかミニサイズきた!?」
「このバカ勇者!! 聖剣折る奴があるか!! 2000年眠ってたんだぞこの剣は! 中でずっと退屈だったのにぃ!!」
「なんか子供の抗議が刺さるぅううう!!」
リリィ「……あれが聖剣の精霊“エリュ”ね。たしか怒ると爆発するらしい」
ヨシオ「いやいやそれヤバいやつじゃん!! 火力剣のくせに癇癪起こすの!? 爆弾と同居してたの俺!?」
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エリュ精霊、口撃MAX
「いいか!? 勇者ってのは! 折らないのが第一条件なんだよ!?」
「その条件いる!??!? 他にあるだろ!? 勇気とか慈悲とかあるだろ!?」
「お前みたいな奴が世界救うとか無理!! もっとこう……爽やかイケメンで、性格クールで、トラウマ背負ってる系がやる仕事なんだよ!!」
「属性ガン盛り要求するな!! 俺もう無理だよ!! 胃痛とラッキースケベくらいしか属性ないよ!!」
「だめ!! お前は没キャラ顔!!」
「やめて!!! 作者が一番傷つくやつ!!!」
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翌朝・聖なる森のキャンプ
結局、折れた聖剣は魔法で修復可能とのこと。
ただし、修復には「使用者の真の価値を証明する行動」が必要らしい。
リリィ「……で、つまり?」
エリュ「この没主人公に! 世界の役に立つってところを見せてもらうわ! そうね……とりあえず来週の魔物討伐で手柄立てなさい!」
ヨシオ「急にノルマ!? 聖剣ってそんなブラックな契約あったの!?」
リリィ「……あんた、正直“伝説の勇者”ってより、“伝説の苦労人”の方が合ってるわ」
ヨシオ「異世界転生したはずなのに、どこか現実味がすごい!!」
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