第2話『レベルアップしたら、なぜか世界の王に任命された件』
──前回のあらすじ。
転生したら村人Cだった俺・ヨシオ。
初日に魔王と出会い、くしゃみで倒してしまった。
その結果、村で「伝説の勇者」と誤解されてしまう。
---
「勇者様ァァァァァ!! おかえりなさいませ!!」
村に戻った瞬間、知らない老婆に肩車された。腰大丈夫か。
「いや、違うんです。俺は村人Cで――」
「魔王をくしゃみで撃退したというのは本当なのですか!?」
「うん、それ偶然なんですけど、誰も信じてくれないんですよね」
気づけば、村の広場には百人以上の村人。
でっかい横断幕に「祝・魔王撃退!!」と書かれていた。
……お祝い早くない??
---
その後、謎の展開で「勇者の称号」が強制付与され、
俺はなぜか「大陸評議会」に招待されることに。
---
そして──王都
「こちらが、勇者様の専属案内人・リリィ嬢でございます」
「……こんにちは。リリィです。どーせまた勘違い勇者なんでしょ?」
「待て待て、初対面でその斬り込みは早くない!?」
登場したのは、銀髪ポニテの美少女。
整った顔立ちにスッとした目元。でも明らかに“信用してない目”だった。
「えっと……リリィさん? あの、俺ほんとに勇者じゃないんですよ?」
「大丈夫。最初から期待してないから」
「なにこの人!? 俺のこと“転生者”じゃなくて“詐欺者”として扱ってない!?」
「で、魔王をくしゃみで倒したって本当?」
「いや、偶然なんだってば!」
「ふーん……じゃあこの爆裂の大魔法、避けてみなさい」
「え? え?? 待って、話が早すぎる! 待ってリリィさん本気で――」
──ドゴォォォォン!!!
広場の一部が吹っ飛んだ。
生きてた。俺は、運だけで生き延びた。
「……うわ、なんで生きてるの? ちょっと感心したわ」
「褒め方が異世界のバトル漫画なんよ!!」
---
数分後、謎の儀式
「ヨシオ様、あなたを“世界の王”に任命いたします!」
「は?」
「魔王を倒した功績により、大陸の七国が満場一致で決定しました!」
「いやだから偶然だってばあああああ!!!」
---
その夜、宿にて
「……で、どうする? 王になるの?」
リリィがベッドに座りながら尋ねてきた。
「そんなのなるわけないだろ! 俺は! ただ! 平穏に暮らしたいだけで!」
「ふーん……平穏って言いながら、初日で魔王ぶっ飛ばして王になった奴がそれ言う?」
「俺が一番びっくりしてるわ!!」
彼女は、ふっと笑った。
「ま、悪くないよ。あなたみたいなヘンテコな男、少しだけ面白いし」
「え、ちょっと今の、フラグ的な――」
「――寝るから。変なこと言ったら凍らせるよ」
「なんでこの人、魔法使いなのに心も氷属性なんですか!?」
---
「面白かった!」
「続きが気になる、読みたい!」
「今後どうなるの!!」
と思ったら
下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。
面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!
ブックマークもいただけると本当にうれしいです。
何卒よろしくお願いいたします。