第130話『第一の地・逆さ森の試練』
風が止まった。
新大陸グラナフェル――そこは、常識の通じない場所だった。
到着したその日から、俺たちは「森が空に生える」ような不思議な風景に圧倒されていた。
逆さ森――枝が空に向かって伸び、根が天から垂れ下がっている。
まるで、世界がひっくり返ってしまったような光景。
「……にゃんということにゃ」
テナが尻尾を立てながら言った。
「重力が反転してるわけじゃない。ただ“視界の常識”が狂ってる。魔力の干渉だな」
エリュが冷静に解説する。
「わかるように言えよ」
「じゃあ簡単に。“この森はヤバい”ってことよ」
「おいエリュ、雑すぎない!?」
そんなやりとりをしながら、俺たちは森の中へ踏み込んだ。
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◆森の中で
不思議な植物、色彩のねじれた花、風のない静寂。
歩くたび、足元が“ぷよっ”とした感触になる。
「この地面……生きてるみたいだな」
「ありえるにゃ。ここ、全部“魔力の迷路”にゃ」
すると、森の奥から“コロン”とした音が響いた。
「……誰かいる?」
リリィが警戒して剣を構えた瞬間――
ぽよん。
目の前に、スライム……ではなく、**“笑顔の顔だけスライム”**が出現した。
「ぼくはシルリィくん!ようこそ逆さ森へ!」
「……おいリリィ、そっくりなの出てきたぞ」
「私、あんな愛嬌ある顔してる!?」
「……ないな」
「どつくわよ」
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◆“試練の守護者”との対話
「君たち、よく来たねー。ここは“記録されない森”さ。
進むには、“自分たちの意志”を証明しなきゃいけないよ」
「証明……?」
「うん。“仲間が本当に信じ合ってるか”って試練!」
「へえ、意外とまともなこと言うのな……」
が、次の瞬間。
「だから今から、仲間の誰かが“本心をしゃべっちゃう毒キノコ”食べるターンね☆」
「聞いてないにゃ!?」
その後、俺たちは謎キノコ試練に巻き込まれた。
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◆試練・本音の暴露タイム
ウケールが、うっかり試験用のキノコを食べてしまった。
「お、おい……体が……勝手に……」
「どうなるんだ、ウケール……?」
「実はな……ずっと前から思ってたんだが……ヨシオ……」
「お、おう……?」
「おまえの鍋の味付け、めっちゃ薄い!!」
「どうでもいい!!!」
そしてテナも、うっかりひと口。
「……テナ、たまにマリアの冷たい視線に傷ついてるにゃ……」
「え!?ご、ごめんなさい!」
「でも、たまにツンとされるの……ちょっと好きにゃ……」
「やめて、真顔で見ないで!!」
空気が、和んだ。
それだけで、この試練は――もう、クリアだった。
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◆試練の終わり、森が開く
「ふふふ。合格だよ、君たち。
“記録のない絆”は、こうして証明されたね」
シルリィくん(仮)が微笑むと、森の奥が開ける。
そこには、地平線まで広がる新たな地形があった。
逆さの森の先に広がるのは、“漂う岩の大地”。
「……浮いてる、土地が」
「空中都市……か?」
「ちょっとワクワクしてきたにゃ!」
「新しい冒険のにおいがする」
リリィが、俺の手を取って微笑んだ。
「このまま、行こう。
あんたと一緒なら、どんな記録も怖くないから」
俺はその手を、しっかり握り返した。
「面白かった!」
「続きが気になる、続きが読みたい!」
「今後どうなるの!!」
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