第128話『記録を越えて、意志は咆哮する』
――神が記録を解き放つとき、
すべての“可能性”は“運命”へと収束する。
なのに、俺たちはその真逆へと向かっている。
記録を無視し、未来を選び続けるということは――“神殺し”だ。
---
◆神の記録魔術 vs ヨシオたち
「記録改変術式・第零法《始源転写》」
オルグ=レトが手を掲げると、空間に“既に起きた事実”が投影される。
仲間たちが次々と倒れていく“未来”。
「これが“観測された通りの結末”だ。お前たちは敗北し、世界は書き換えられる」
「……うるせえよ」
俺は剣を握る手に、もっと力を込めた。
「そんな未来、知ったことかよ!俺たちの未来は、俺たちが決める!!」
剣を振るうと同時に、身体の内側から奇妙な感覚が湧き上がる。
――視界が、反転した。
---
◆ヨシオ、記録外魔法の覚醒
空間が震える。
「これは……まさか、“未記録の力”……!?」
神が一瞬、動揺する。
俺の中に流れ込んできたのは、記録にも観測にもない――“存在しないはずの魔法”。
「《記録外呪式・解放》」
俺の剣が、空間に刻印を描いた。
「魔法名……《フィル=ゼロ》
――“存在しなかった歴史を切り裂く剣”だ!!」
剣が振るわれた瞬間、神の術式が“崩壊”した。
「なっ……!?この術は、“未来の確定”を拒絶……!?」
「そうだよ、オルグ=レト。
俺は“存在していないからこそ”、お前の未来すら否定できるんだ!」
---
◆仲間たちの連携
その瞬間、仲間たちも動いた。
「《魔封陣・裂印》!」
エリュが神の詠唱を一瞬止める。
「《炎爪烈破!》」
テナが影から飛び出し、神の足元に炎をまき散らす。
「ヨシオ、いまだにゃ!!」
「《雷槌炸裂拳!!》」
ウケールの拳が神の背に命中するが、直後に神の魔法が炸裂。
リリィが光の盾を展開。
「《光壁・大反射陣》! ヨシオ、早く!あんたの剣なら届く!」
「――いくぞ!!」
俺は跳んだ。
---
◆決着の一撃
剣が空間を裂く。
それは記録を否定し、未来を上書きする一撃。
「俺たちの未来は、記録になんか書かれちゃいねえ。
書くのは俺たち自身だ――この手で!!」
「――《記録外終撃・ゼロブレイク》!!」
空間が砕ける音がして、神の身体が白い霧へと崩れていった。
静寂が訪れた。
---
◆静かなあと――リリィとの会話
崩壊した記録室の中心で、リリィが俺の隣に来る。
「……あの力、もう使えない?」
「ああ。たぶん、俺の存在自体が“記録の外”だったから、
一瞬だけ、“記録そのものを拒否できた”んだと思う」
「それでも……」
リリィは俺の手を握った。
「あなたは、ちゃんとここにいた。私たちと笑って、怒って、選んで――生きてた」
「……ああ」
「それだけで、十分じゃない?」
「……十分すぎるよ」
手を、強く握り返す。
---
◆そして――
記録の神殿は崩れた。
でも、俺たちの記憶は、記録されなくても“心”に残ってる。
俺たちの未来は白紙だ。
でも、真っ白な紙だからこそ、自由に描ける。
――これは終わりじゃない。
ここからが、本当の冒険の始まりだ。
「面白かった!」
「続きが気になる、続きが読みたい!」
「今後どうなるの!!」
と思ったら
下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。
面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、
正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!
ブックマークもいただけると本当にうれしいです。
何卒よろしくお願いいたします。
あと、感想も書いてくれるととても嬉しいです!