第125話『それぞれの選択、そして始まり』
◆ギルド・訓練場前
「……なんだこれ、全員集合かよ」
ヨシオは訓練場の真ん中で、見慣れた顔ぶれに囲まれていた。
リリィ、テナ、エリュ、ウケール、そして――新たに仲間になったマリア。
「当然です。“次”はただの旅じゃない。“神々の記録に踏み込む”んです」
エリュはメモ帳をパタンと閉じ、眼鏡を押し上げた。
「しっかり戦える準備をしなければ」
「うぅ……ひさびさの訓練って、やっぱ緊張するにゃ……」
「テナ、さっきから耳ぴくぴくしてる」
「それはデフォだよ!!」
リリィは軽く笑ってから言った。
「……でも、本当に行くのね。あの“歪んだ都”へ」
マリアがゆっくり頷いた。
「あそこには、私と同じように“記録を奪われた者たち”が集められている。
……放っておけない。私の責任でもあるから」
ヨシオは仲間たちを見渡し、剣を握り直す。
「だったら、全員で行こう。
“選ばされる”側じゃなくて、“選ぶ”側でいるために」
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◆休憩中・ちょっとした日常
訓練の合間、ギルドの屋上で――
「ヨシオー、これ水」
リリィがペットボトルのような水筒を渡す。
「サンキュ。……にしても、マリア、真面目だな。練習中ほぼ無言だったぞ?」
「まぁ、もともと“堅物”だったしね。でも、少しずつ柔らかくなってる気もする」
「俺にはわかんねぇけどな……」
「……ふふ。じゃあ、今日のマリアの変化、ひとつ教えてあげる」
「え?なに?」
「訓練中、あんたが転んだとき、一瞬笑いかけてた」
「なっ!?ウソだろ!?」
「ほんと。……しかも“ぷっ”て感じで」
「ぐぬぬ……あの野郎!」
下で見ていたテナがにゃっにゃと笑っていた。
「ヨシオ、転ぶときの声が“ズバァァッ”って効果音付きだったもん。笑うしかないでしょ」
「おまえらああああああ!!」
「うるさいわよ~~~!って言ってるけど、楽しそうね、あなたたち」
マリアが下からぼそっと言ったが、声に少し笑みが混じっていた。
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◆夜・静かな決意
夜。
ヨシオは一人、空を見上げていた。
「……なあ、俺は今、“正しく”やれてるのか?」
その声に、後ろからリリィが寄ってくる。
「“正しい”かどうかじゃなくて、“信じられるかどうか”でしょ」
「……」
「私は、あんたが選んだことを信じてる。だから、私も選びたい。
……この先、どんな運命が待ってても、**“一緒に戦う”**って」
ヨシオは少しだけ照れくさそうに頷いた。
「ありがとう、リリィ。俺も……みんなの選択、守りたいと思ってる」
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◆そして朝・旅立ちのとき
翌朝。
一行は歪んだ都へ向かうため、街を離れる。
ギルドの前で、ミーナが手を振った。
「気をつけてね!次に帰ってきたときは――」
「“無事”で、“ちょっとだけ強く”なって戻ってくるさ」
ヨシオは笑って答えた。
仲間たちも、うなずく。
テナ「帰ったら鍋にゃ」
エリュ「あとデータ整理したい」
ウケール「でっけぇ土産持ってくぜ!」
マリア「……私は、とにかく“未来を見届けたい”」
それぞれの想いを胸に、
ヨシオたちは“記録された運命を超える旅”に足を踏み出した――。
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