表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
117/155

第117話『機械仕掛けの賢者と封じられし災厄』

浮遊遺跡アヴァロス――空に浮かぶ塔の中心部へ向かって、俺たちは進んでいた。


通路は石と金属が融合したような奇妙な構造で、壁面には古代言語と思しき文字が幾重にも刻まれていた。


「ここに記されているのは……“記録”じゃない。“問答”の痕跡だわ」


エリュが指をすべらせながら言う。


「“来訪者の意志を問え”――“答えに至る資格を試せ”……」


「つまり、ここは“神の試験会場”ってことか?」


「それに近いかもしれない」


「うーん……雰囲気も音も静かで、逆に落ち着かないな……」


リリィがぎゅっと俺の腕をつかんでくる。


「こ、怖いのか?」


「こ、怖くなんかないもん!ちょっとだけ、手をつなぎたいだけ!」


「今の流れでそれは無理があるだろ!」


「じゃあ……つないでいい?」


「……好きにしろ」


リリィの顔がぱっと明るくなる。まったく、油断も隙もない。



---


◆中心部:『記録の間』


巨大なドーム状の空間にたどり着いた瞬間、天井の光が明滅し、空気が震えた。


中央には――銀色の機械人形が、両目に蒼い光を灯して佇んでいた。


> 「来訪者、確認。記録者《カル=ヴァルト》、起動します」

「この場所に踏み込んだ理由を述べよ。目的、意志、そして覚悟」




その声は機械的でありながら、どこか人間味すら感じさせる響きだった。


俺は一歩前に出て、答える。


「俺たちは“この世界の真実”を知るために来た。

 過去に何があって、今がどう成り立ってるのか。

 そして――これから、どうあるべきなのかを、見極めるために」


> 「承認。では問う――お前たちは、“過去の喪失”をどう受け入れるか」

「生きるために忘れるか、苦しみながら記憶を継ぐか、あるいは――」




機械の賢者は、続ける。


> 「過去に囚われ、世界ごと壊す選択もまた、“意志”だ。

 答えよ、“喪失”をどう扱う?」




――“喪失”。

ルシェとリオナを失った、あの瞬間が脳裏をよぎる。


苦しかった。今も引きずっている。

でも、俺たちは止まらずにここまで来た。


「……忘れねぇよ。あいつらのことも。全部、受け入れる。苦しんでも、前に進む」


> 「その答え――“記録”として受理」

「汝の名、《ヨシオ》。資格、暫定承認」




ドームの奥が開かれる。


しかし――


> 「だが、その先には“封印された災厄”が存在する。記録された“怒り”が、今なお形を持ってこの地に在る」

「“破壊者《カイ=レア》”――起動を感知」




次の瞬間、壁が砕け、黒き鎧に包まれた人型兵器が飛び出した。


「こいつが……“災厄”か!?」


「エリュ、距離取れ!ウケール、正面援護!」


「了解!」


「リリィ、俺の右に!」


「いくよ、ヨシオ!」



---


◆戦闘:封じられし災厄《カイ=レア》


巨大な剣を構え、無言で襲いかかる黒き兵士。

その動きは鋭く、力強く、何よりも“執念”のようなものを感じた。


「くっ……重い!」


俺の剣が受け止めるたびに、手がしびれる。


「ヨシオ、上!魔力の流れが集中してる!」


「了解、いけるか……【雷閃・断】!」


空中に飛び上がり、剣を振り下ろす。

雷光が刃に走り、黒き兵器の装甲を砕く――


「今よ、ウケール!」


「【火破砲・改】いっけえぇぇぇぇぇ!!」


ズドォォォン――!!


爆炎が走り、災厄の鎧がついに砕けた。


そして――静寂。


> 「記録更新。来訪者、災厄の鎮圧を完了。汝らに、最深部の“記録”への道を開く」

「だが覚悟せよ。次に待つのは、“世界の選択”」





---


◆エピローグ:夜の休息・語らい


再び記録の間に戻った俺たちは、焚き火を囲んでいた。


「……怖くない?」


リリィがぽつりと呟いた。


「この先に、“知りたくなかったこと”があるかもって」


「怖いよ。でも、知らなきゃ進めない」


「……うん。なら、ちゃんと隣にいる」


俺の肩に、リリィの体温が触れた。


エリュも、少し距離を置きながらそっと言う。


「この世界は、忘れたがっている。けど私たちは、思い出さなきゃいけない。……きっとね」



「面白かった!」








「続きが気になる、続きが読みたい!」








「今後どうなるの!!」








と思ったら








下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。








面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、








正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!








ブックマークもいただけると本当にうれしいです。








何卒よろしくお願いいたします。








あと、感想も書いてくれるととても嬉しいです!



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ