第114話『ギルド試験!目指せAランク、同居生活の罠』
ギルド酒場の一角で、俺たちは一通の書状を囲んでいた。
> 「ギルド昇格審査通達」
あなた方《ヨシオ一行》は、BランクからAランクへの推薦候補として認定されました。
つきましては、以下の“試験”を受けてください。
【試験内容】
共同生活を1週間行い、仲間との信頼度を計測する。
監査役の評価により合否を判断します。
「……なんだこれ」
「……意味がわからない」エリュが書状をまじまじと見つめた。
「これってあれだよね!?同居しながらドタバタするやつだよね!?」
リリィが目をキラキラさせている。
「いや、そういうノリじゃない気がするぞ!?お前楽しんでないか!?」
「だってヨシオと一週間、四六時中一緒にいられるんだよ!?楽しいに決まってるじゃん!」
「重い!期待が重い!」
「ウケールが同室ってのが一番の地獄だな」
「俺も同感だ」
「……ひどくない!?」
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◆試験1日目:朝食バトル
初日から、事件は起きた。
「……ウケール、これなに?」
「《チーズ乗せ納豆カレー目玉焼き添えバニラ風味》だ!朝からスタミナ全開だぞ!」
「この組み合わせ、神罰を招くぞ」
「カレーにバニラはダメ、絶対」
「そんなぁぁぁ……!」
結局、料理係はエリュに交代となった。冷静に栄養バランスを考えた献立が用意されたが――
「硬い……!このパン、盾になりそうだ……!」
「焼きすぎたのね……ごめんなさい」
「もうヨシオが作ろう!ね!?ね!!?」
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◆試験3日目:風呂・洗濯・トラブル祭り
「ヨシオくん!誰かが私の下着と一緒にウケールのふんどし洗ってた!」
「犯人は誰だ!?」
「……私です」エリュが挙手した。
「まぎれていたから、まとめて洗った方が効率的かと」
「効率は大事だけども!!色々混ざっちゃいけないラインがある!!」
「え、そんな境界線あったの?」
「むしろそこが一番守ってくれ!!」
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◆試験5日目:夜の作戦会議(※割と真面目)
リリィとエリュと、3人で屋上の風に当たりながら話す。
「ヨシオ、昇格って嬉しい?」
「……うーん、戦う理由が“上のランクに行くこと”じゃないからな。正直、あんまりこだわりはないな」
「でも、それって信頼の証だよね」
「そっか……そうかもな」
エリュも、星空を見上げて静かに口を開いた。
「私は、みんなとなら……どんな階級だっていいと思える。昔は考えられなかった」
「私も」リリィが頷く。「この1週間、すっごく楽しい!」
「地獄のような飯以外な」
「むしろそれも含めていい思い出じゃない?」
「強くなったな、リリィ……」
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◆試験7日目:合否発表
ギルドにて、監査役が厳かに結果を告げる。
「……審査の結果」
(ゴクリ)
「《ヨシオ一行》は、満場一致で合格です」
「やったぁぁぁぁぁ!!」
リリィが俺に抱きついてくる。エリュも、小さく拍手していた。
「理由は簡単です。トラブルはあれど、皆が“本気で互いを思いやっている”ことが見て取れたからです」
ウケールも涙をぬぐっていた。
「よかったぁ……俺のふんどし、無駄じゃなかった……!」
「いやそれだけは絶対関係ないと思う」
「面白かった!」
「続きが気になる、続きが読みたい!」
「今後どうなるの!!」
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