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第107話『灼熱の預言、眠る鍵』

地下都市を離れた俺たちは、東の大陸へと向かっていた。


目指すは「砂塵の都・ナフリール」――灼熱の大地に築かれた、伝説の預言者が住むとされる街。


「ふぅ……まさか、本当にこんなに暑いとは……」


俺は額の汗をぬぐいながらつぶやいた。体感、真夏のサウナの中を旅しているようなもんだ。


「ヨシオ、もう少し姿勢を下げろ。陽の熱をまともに受けすぎてる」

となりで淡々とした口調で歩くのは、エリュ。


「いや、下げても暑いもんは暑い……それにしても、よく平気だなお前……」


「訓練を重ねれば自然と慣れる。――それに、こういう環境は嫌いじゃない」


珍しくエリュが微笑む。その顔に、俺はちょっと驚いた。


「珍しいな。笑うなんて」


「……砂の匂いは、俺の故郷を思い出すからな」


「エリュの……?」


エリュがふと視線を遠くへ向ける。


「昔、東方の山裾で育った。周囲は荒れた大地ばかりだったが、魔法を覚える前は、よくこうして旅をしていたんだ。母が、少しでも風が抜ける場所を探してな」


それは彼の過去の一端。普段寡黙なエリュが、自分から語ることは珍しい。


「その頃から、魔法の勉強してたのか?」


「いや、母が亡くなってからだ。それまでは……“普通”の子どもだった」


エリュは静かに言った。


「でも……その“普通”を守るには、力が必要だった」


その言葉の意味を、俺は少しだけ理解できた気がした。


だから、彼はあれほど魔法に厳しく、冷静でいようとするんだ。


「……お前も、色々あったんだな」


「誰にだって、あるさ」


と、エリュが目を細める。


「それでも、こうして仲間がいる。昔は想像もしなかった。――不思議なものだ」



その夜。


俺たちはようやく、ナフリールの城門前にたどり着いた。


「で、これが……砂の都、か」


リリィが驚きと疲れが混ざった声を出す。


城壁の中は、異国の市が広がっていた。水色の布が風にひらめき、香辛料の香りが漂う。


「活気があるね……なんだか、ちょっと好きかも」


リリィが目を輝かせる。


「ウケール、何食べてる?」


「羊肉の串焼きだ!砂漠といえばこれだろォ!」


「仕事中だぞ」エリュが鋭くツッコミを入れつつ、俺たちはギルドに情報を求めた。


そこに現れたのは――


「よく来たな、“選ばれし者たち”よ」


砂の預言者と呼ばれる男・シェリドだった。


年齢不詳、銀の仮面に白い装束。両目を隠し、まるでこの地の神官のような雰囲気を纏っていた。


「――四つの鍵。それらは世界の理を繋ぎ、“虚無の門”を開く」


「四つ……?」


「かつて古代王朝が封じた“災厄の記憶”。その鍵のひとつが、この砂漠の地下に眠っている」


俺たちは言葉を飲んだ。


リリィが一歩進み出る。


「それは……魔石に関係しているの?」


「深く繋がっておる。お前の血と記憶も、また然り」


預言者は続けた。


「されど、“鍵”は封じられておる。古代魔術によって。そして、それを解くには――“エリュ・ヴァレンツ”の力が要る」


「……俺の?」


エリュが目を細める。


「その名を、なぜ知っている?」


「汝は“眠れる塔”の番人の血を引く者。東方の忘れられた一族、魔術の“門”を受け継ぐ者。封印を解けるのは――おぬしだけだ」


場が静まる。


エリュの表情に、わずかに動揺が走ったのを俺は見逃さなかった。


「……話が早いな。どうやら、逃げ場はないようだ」


彼は静かに頷いた。


「やるべきことなら、やるさ。今度は、守るために」


「面白かった!」








「続きが気になる、続きが読みたい!」








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